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星の世界へ

旅の始まり

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「ピスケ、ごめんね、僕まだこの世界に来たばかりで、正直右も左も分からないんだ…食べ物なんだけど、すぐに用意してあげれそうにないよ、探索してみるから、少し待てる?」

申し訳なさそうに将樹が言った。

「おっ!川の音が聞こえる、将樹こっちだ、俺について来い!!」

ピスケは将樹の言葉を聞いているのか分からない、相変わらずのマイペースでそう言うと、宙を泳ぎ出した。

「あっ!ちょっと待って!!」

ピスケが急に泳ぎ出したから、将樹は慌ててピスケの後を追った。

「はぁ、はぁ、あいつめっっちゃ速い。」

急いで走るも、将樹の足ではピスケに追いつくことが出来ない。

「もう限界…。」

将樹はとうとう足を止める。

〝あいつどこに行ったんだ…もう無理〟

その場で息を整えながら、将樹は追いかける事を諦めかけていた。

すると遠くからピスケの声が聞こえた。

「おーい、将樹ー!どうしたー。」

遠くで蒼白い光が見える、そしてその蒼白い光は徐々に将樹の方へと向かってくる。

わずかな時間で、声はどんどん近付いてきているやがて、その蒼白い光は将樹の前で止まった。

〝蒼白い光の正体、言わずともピスケです…はい…ありがとうございます〟

「将樹遅いぞ!!気が付いたらいないから、戻ってきたぜ。」

やれやれ、という仕草をしながらピスケはタメ息混じりに将樹に言った。

〝こいつぅぅう〟

若干苛立ちを感じてしまう将樹をよそ目にピスケが続ける。

「しょうがないな、ほれ、俺の背中に乗りな♪ライドオンだぜ!俺が川まで連れてってやる。」

ヒレで後ろに乗りな的な仕草をしながらピスケが言った。

〝ちょっとウザいけど…〟

将樹は自身の心臓が少しドキドキしているのを感じた。

「乗って良いの?てか乗れるの?」

「あったりまえよ!そんなのお安い御用だぜ♪」

将樹の質問に即答し、相変わらずヒレで乗りなサインを続けるピスケ。

「それじゃ…お言葉に甘えて。」

恐る恐るピスケに跨がる将樹、ピスケの身体は半透明で、水?いや例えるなら、プリンを触る様な感触だった、しかし不思議な事に濡れていないし、しっかりと掴む事が出来る。

「よし、乗ったな、んじゃしっかり背びれに掴まれよーーーー!!ぶっ飛ばすぜ!」

ピスケはそう言うと、動き出した。

「うおおおおお!すげー!ピスケ凄いよ!速い!」

将樹は感動した、速さにもそうだし、ピスケの泳いだ後にキラキラと星屑が舞い散っているのが、幻想的で綺麗だった。

「そうだろ!俺ってば凄いんだぜ!しゃーないな、サービスだ!行くぞ!」

ピスケがそう言うと、空に向かって上昇した。

「うおおおお!高い!最高ォーーー!」

夜空の中ピスケが泳ぐ、泳いだ後には星屑、空には沢山の星、最高の爽快感と景色。

将樹の心は高鳴っていた。

「よっしゃ!このまま川まで行くぜ!ってもすぐそこだけどな♪」

将樹の喜ぶ姿を見てピスケもテンションが上がっていた。

やがて、川の音が聞こえてきた。
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