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その日は突然やって来る
光る魚
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夢中で遊んでいると、準備を終えた父親も将樹の川遊びに参戦した。
「冷たくて気持ちがいいなー、何か昔を思い出すよ、将樹くらえ!!」
父親は将樹に向かって、水鉄砲で水をかけたりしながらそう言った。
楽しい時間はあっという間で、着いた時には昼前だった筈なのに、すでに夕方になっていた。
「そろそろ夕食の支度をしようか。」
父親と将樹は川から上がり、身体を拭いた。
「やったー!僕お腹ペコペコ。」
将樹は先程の声の事もすでに忘れ、父親と2人で火起こしをする。
やがてバーベキューが始まり、家族3人で談笑をしながら楽しい夕食の時間を過ごしていた。
時々爆ぜる炭に熱いと言いながら、将樹はお肉を頬張る。
「くーーーっ!最高に美味い!」
父親はビールをクーラーボックスから取り出しグビグビと喉を鳴らしながら呑み、頬を赤らめていた。
徐々に辺りは暗くなってきて、ランタンの灯りが家族を照らした。
「ふぅー、お腹いっぱいだぁ。」
家族3人共お腹いっぱいになり、ひと段落着いた頃父親がふとランタンの灯りを消した。
辺りは暗く闇で包まれている、将樹は少し怖い気持ちになったが、からかわれるのが嫌で我慢をした。
「ほら、見てごらん、空が綺麗だぞ。」
そんな中、落ち着いた声で父親が2人に言った。
見上げた空には数えきれない程の無数の星が瞬いている。
あまりの美しさに将樹と母親は声が出てこなかった、将樹の恐怖心もすっと消えた。
普段生活している地域では、街頭やネオンの光が多くこんな星空を見ることは出来ない。
将樹はこの日、産まれて初めて、空にはこんなに沢山の星がある事を知った。
そして、しばらく3人は星空を無言で眺めていた。
「さて、そろそろ寝ましょうか。」
母親の言葉で、将樹は現実に返って来た、将樹は星の煌めきに吸い込まれていたのだった。
テントに入り、3人は各々の寝袋に潜り就寝をした。
やがて将樹の両サイドからは両親の寝息が聞こえてくるが、将樹は眠れずにいた。
遊び疲れている筈なのに、先程の星空が気になってしまい、眠れないのだ。
将樹はしばらく考えたが、やはりもう1度星空を見たくて、そーっとテントから出た、そして空を眺める。
「やっぱり綺麗。」
将樹は星空のあまりの美しさに魅了されていた。
その時だった。
ーーーーーポチャンッーーーーー
川から魚が跳ぶ音が聞こえた、少し驚いた将樹が川に目をやると、そこには蒼白く光る魚が1匹浮いていた。
「えっ‥・・」
将樹は目を疑った、続いて昼間に聞いたあの声が聞こえて来る。
〝もう間に合わない…運命の歯車が回りだす〟
「冷たくて気持ちがいいなー、何か昔を思い出すよ、将樹くらえ!!」
父親は将樹に向かって、水鉄砲で水をかけたりしながらそう言った。
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父親と将樹は川から上がり、身体を拭いた。
「やったー!僕お腹ペコペコ。」
将樹は先程の声の事もすでに忘れ、父親と2人で火起こしをする。
やがてバーベキューが始まり、家族3人で談笑をしながら楽しい夕食の時間を過ごしていた。
時々爆ぜる炭に熱いと言いながら、将樹はお肉を頬張る。
「くーーーっ!最高に美味い!」
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徐々に辺りは暗くなってきて、ランタンの灯りが家族を照らした。
「ふぅー、お腹いっぱいだぁ。」
家族3人共お腹いっぱいになり、ひと段落着いた頃父親がふとランタンの灯りを消した。
辺りは暗く闇で包まれている、将樹は少し怖い気持ちになったが、からかわれるのが嫌で我慢をした。
「ほら、見てごらん、空が綺麗だぞ。」
そんな中、落ち着いた声で父親が2人に言った。
見上げた空には数えきれない程の無数の星が瞬いている。
あまりの美しさに将樹と母親は声が出てこなかった、将樹の恐怖心もすっと消えた。
普段生活している地域では、街頭やネオンの光が多くこんな星空を見ることは出来ない。
将樹はこの日、産まれて初めて、空にはこんなに沢山の星がある事を知った。
そして、しばらく3人は星空を無言で眺めていた。
「さて、そろそろ寝ましょうか。」
母親の言葉で、将樹は現実に返って来た、将樹は星の煌めきに吸い込まれていたのだった。
テントに入り、3人は各々の寝袋に潜り就寝をした。
やがて将樹の両サイドからは両親の寝息が聞こえてくるが、将樹は眠れずにいた。
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その時だった。
ーーーーーポチャンッーーーーー
川から魚が跳ぶ音が聞こえた、少し驚いた将樹が川に目をやると、そこには蒼白く光る魚が1匹浮いていた。
「えっ‥・・」
将樹は目を疑った、続いて昼間に聞いたあの声が聞こえて来る。
〝もう間に合わない…運命の歯車が回りだす〟
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