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すれ違う気持ち
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叶真は無言のままベッドから出ると散らばった衣服を身に着ける。初めて犯された時よりも体調は悪く、気分も最悪だった。だがそれ以上にキョウスケの側にいたくない。
叶真が怒りを露にしなくなったことに気を良くしていたキョウスケだったが、自分の存在を無視し、帰り支度を始めた叶真の姿にうろたえ始めた。叶真はそんなキョウスケを見ると心が更に冷えていくのを感じる。
「……帰るのか?」
「帰るよ。もう二度とてめぇの顔なんて見たくねぇ」
ぴしゃりと言い切るとキョウスケは何も言い返してこなかった。嫌いな人物であっても接することは拒否しない叶真が、ここまで人を拒絶するのはとても稀有なことだ。それほどまでキョウスケという自分勝手な人間に反吐がでる。根本的に分かり合えない人間なのだ。
犯され、逃げたままでは終われないと思っていたが、今は関わるだけ無駄なのだと思った。キョウスケには叶真を犯したことになんの罪の意識もないのだ。むしろ犯してやったことに感謝しろとさえ思っているかも知れない。
馬鹿馬鹿しい。叶真はそう心で呟く。こんな男に身体を変えられてしまった自分が心底哀れだった。
なにも言葉を発さず部屋を出ようとした叶真に、キョウスケはなにか言おうと口を動かした。だが結局その口から言葉が紡がれることはなく、二人は僅かな時間視線を交わす。
叶真のキョウスケを見る目は冷たく、はっきりと拒否の色を出しており、キョウスケはその視線に僅かながら怯んだ。
最後に怯むキョウスケの姿を見れたことにほんの少し心が軽くなった気がしたが、部屋を出て閉ざされていくドアの隙間から覗いたキョウスケの表情に、叶真は自分が酷い人間なのではと罪悪感を抱いた。
酷い男はキョウスケのほうに間違いはないというのに、その顔は傷つけられた被害者のようなのだ。
「わっけわかんねぇ……」
なぜキョウスケが傷ついた顔をするのか。傷つけられたのは間違いなく自分のほうだ。
もう二度と顔も見たくない相手だというのに、叶真はいつまでたっても悲しそうなキョウスケの顔を忘れることが出来なかった。
叶真が怒りを露にしなくなったことに気を良くしていたキョウスケだったが、自分の存在を無視し、帰り支度を始めた叶真の姿にうろたえ始めた。叶真はそんなキョウスケを見ると心が更に冷えていくのを感じる。
「……帰るのか?」
「帰るよ。もう二度とてめぇの顔なんて見たくねぇ」
ぴしゃりと言い切るとキョウスケは何も言い返してこなかった。嫌いな人物であっても接することは拒否しない叶真が、ここまで人を拒絶するのはとても稀有なことだ。それほどまでキョウスケという自分勝手な人間に反吐がでる。根本的に分かり合えない人間なのだ。
犯され、逃げたままでは終われないと思っていたが、今は関わるだけ無駄なのだと思った。キョウスケには叶真を犯したことになんの罪の意識もないのだ。むしろ犯してやったことに感謝しろとさえ思っているかも知れない。
馬鹿馬鹿しい。叶真はそう心で呟く。こんな男に身体を変えられてしまった自分が心底哀れだった。
なにも言葉を発さず部屋を出ようとした叶真に、キョウスケはなにか言おうと口を動かした。だが結局その口から言葉が紡がれることはなく、二人は僅かな時間視線を交わす。
叶真のキョウスケを見る目は冷たく、はっきりと拒否の色を出しており、キョウスケはその視線に僅かながら怯んだ。
最後に怯むキョウスケの姿を見れたことにほんの少し心が軽くなった気がしたが、部屋を出て閉ざされていくドアの隙間から覗いたキョウスケの表情に、叶真は自分が酷い人間なのではと罪悪感を抱いた。
酷い男はキョウスケのほうに間違いはないというのに、その顔は傷つけられた被害者のようなのだ。
「わっけわかんねぇ……」
なぜキョウスケが傷ついた顔をするのか。傷つけられたのは間違いなく自分のほうだ。
もう二度と顔も見たくない相手だというのに、叶真はいつまでたっても悲しそうなキョウスケの顔を忘れることが出来なかった。
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