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田中ライコフ

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攻守交替

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 キョウスケは精液の溜まったゴムを処理すると、自分の腹や胸に飛び散った叶真の欲情を近くにあったティッシュで拭う。拭ったティッシュを乱暴に丸めると、部屋の端に置いてあるゴミ箱へと投げた。吸い込まれるようにゴミ箱に入ったのを見届けてから、キョウスケは無防備な姿で横たわる叶真に手を伸ばす。
「……なんだよ。シャワー使うなら先に使えよ。俺後でいいから……」
 言い終わるよりも先に叶真はキョウスケの手によって身体をひっくり返された。うつ伏せ状態にされた叶真は嫌な予感に冷や汗がじっとりと滲み出る。
「ちょっ……何する気だよ。もう一回すんのはいいけど休ませろって」
「お前は横になっているだけでいい。イかせてくれた礼に俺が天国を見せてやる」
「いや、いいって。そういうのは遠慮するからっ!」
 キョウスケの言う天国には身の危険を感じる。抵抗を試みる叶真だったが上から押さえつけられ、両手首を縛られた。一瞬その手際の良さに感心するものの、両手を封じられたことへの恐怖心が湧き出てくる。
「ほどけよ! 俺アブノーマルな趣味はないんだって!」
「暴れられると面倒なんだ。お前は大人しく抱かれるつもりはないだろう?」
 合意の上で楽しくセックスするのならば暴れる気は毛頭ない。だがキョウスケという男は肝心な言葉が少なく、どんなことをしてくるか分からないので大人しくは出来なかった。
 両手を縛られながらもがく叶真の目の前が、突然ふっと暗くなる。部屋の明かりが消されたのかと思ったがそうではない。布のような感触がある。目隠しをされた、と気が付いたときにはもう抵抗もできなかった。
「目隠しとか……マジでやめろって! 何する気なんだよ、怖い!」
「怖いことはしない。天国を見せてやると言っただろう」
「それが怖いんだよ!」
「お前、まだ前を弄らないとイけないんだろう? 後ろだけでイけるようにしてやる。視覚を奪われたほうが感覚に集中できるだろう」
「後ろだけって……。止めろ! そんなの俺は望んでない!」
 それはなんとしても避けたい、叶真にとって最後の砦だった。
 男に抱かれ、後ろを弄らなければイけない身体に今はなっているが、後ろだけでイけないということがまだ救いだったのだ。その壁を越えてしまうと二度と誰も抱けない身体になってしまう気がする。
 叶真は泣きそうになりながらそれだけは止めてくれと懇願した。だがその声が逆に嗜虐心をそそられたのかキョウスケは楽しげに喉の奥を鳴らしながら叶真の腰を引き寄せ、双丘を割る。
「嫌だってば! ひっ……」
 突如体内に入ってきたキョウスケの指の感触に、叶真は小さな悲鳴を上げる。劣情を受け入れていた秘所は指を難なく飲み込んでいく。目隠しをされていることで感覚が研ぎ澄まされているのだろうか。指の形が分かるほど秘所は敏感になっている。
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