1 / 5
第0話
しおりを挟む
(はじめまして、岸川喜一様)
真っ暗な視界の中、一人の綺麗な女性の声がした。
声を出そうと思ったが、何故か出ないようだ。
(この度、喜一様は『鑑定』スキルの獲得が完了しましたのでそれを伝えにやってきました。目を覚ましたら焦点を誰かに合わせて『鑑定』と心の中で呟いてください)
……意味がわからない。
変な夢だな、まったくよ。
(それでは──)
○
「……なんだったんだ。変な夢だったな」
目を覚まし、俺はカーテンを開けて太陽の光を浴びる。
えーっと、『鑑定』スキルを獲得したんだっけか?
なんだそれ。
「なんだよー、『鑑定』スキルってよ!」
わからない、ただただ変な夢だった。
「たしか、誰かに焦点を合わせて『鑑定』って心の中で呟くんだったよな……やってみるか」
変に期待してしまっている自分が恥ずかしい。
多分、何も起こらないだろうけど物は試しだ。
「とりあえず、支度をしてからだな」
ということで俺は学校へ行くために制服姿になりスクールバッグを手に持って外に出た。
『鑑定』スキル、名前だけ聞くと多分だが、ラノベでよくある人のステータスを見ることができるスキルだろう。
さきほどのやつが夢であるのはほぼ確定だが、俺も男子高校生だ。
こういうのには目がいってしまう。
さてさて……。
目の前には複数人のランドセルを背負った少年たちが歩いている。
そんな中、俺は一人の少年に焦点をやり。
心の中で呟くんだよな。
──『鑑定』!
突如、目の前がピカリと光り──。
斎藤裕翔 11歳 男
レベル7
職業:冒険者
属性:土
性格:めんどくさがりや
と表示される。
ワッツ!?
何このツッコミどころ満載なのは。
慌てて、俺は隣の少年に焦点をやり。
──『鑑定』!
田中春 12歳 男
レベル8
職業:一般人
属性:なし
性格:変態
……なるほど、どうやら本当に俺は『鑑定』スキルとやらに目覚めてしまったようだな。
うなじに向かって冷や汗が流れる。
ガチか。
え、急すぎて驚かないんですけど。
つーか!
斎藤裕翔くん!?
何この人……職業:冒険者ってなに!?
めちゃくちゃ気になるんですけど。
俺、岸川喜一はこの日、人のレベルや職業や性格を鑑定することのできる『鑑定』スキルを獲得してしまったらしい。
真っ暗な視界の中、一人の綺麗な女性の声がした。
声を出そうと思ったが、何故か出ないようだ。
(この度、喜一様は『鑑定』スキルの獲得が完了しましたのでそれを伝えにやってきました。目を覚ましたら焦点を誰かに合わせて『鑑定』と心の中で呟いてください)
……意味がわからない。
変な夢だな、まったくよ。
(それでは──)
○
「……なんだったんだ。変な夢だったな」
目を覚まし、俺はカーテンを開けて太陽の光を浴びる。
えーっと、『鑑定』スキルを獲得したんだっけか?
なんだそれ。
「なんだよー、『鑑定』スキルってよ!」
わからない、ただただ変な夢だった。
「たしか、誰かに焦点を合わせて『鑑定』って心の中で呟くんだったよな……やってみるか」
変に期待してしまっている自分が恥ずかしい。
多分、何も起こらないだろうけど物は試しだ。
「とりあえず、支度をしてからだな」
ということで俺は学校へ行くために制服姿になりスクールバッグを手に持って外に出た。
『鑑定』スキル、名前だけ聞くと多分だが、ラノベでよくある人のステータスを見ることができるスキルだろう。
さきほどのやつが夢であるのはほぼ確定だが、俺も男子高校生だ。
こういうのには目がいってしまう。
さてさて……。
目の前には複数人のランドセルを背負った少年たちが歩いている。
そんな中、俺は一人の少年に焦点をやり。
心の中で呟くんだよな。
──『鑑定』!
突如、目の前がピカリと光り──。
斎藤裕翔 11歳 男
レベル7
職業:冒険者
属性:土
性格:めんどくさがりや
と表示される。
ワッツ!?
何このツッコミどころ満載なのは。
慌てて、俺は隣の少年に焦点をやり。
──『鑑定』!
田中春 12歳 男
レベル8
職業:一般人
属性:なし
性格:変態
……なるほど、どうやら本当に俺は『鑑定』スキルとやらに目覚めてしまったようだな。
うなじに向かって冷や汗が流れる。
ガチか。
え、急すぎて驚かないんですけど。
つーか!
斎藤裕翔くん!?
何この人……職業:冒険者ってなに!?
めちゃくちゃ気になるんですけど。
俺、岸川喜一はこの日、人のレベルや職業や性格を鑑定することのできる『鑑定』スキルを獲得してしまったらしい。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる