12 / 27
第12話 ダブルデート(?)編4
しおりを挟む
「じゃ、じゃあまずはあたしからね!!」
「ぐぬぬぬっ──し、仕方ないわね!! 四十五分だけだからね!!」
「わかってますよ。あなたこそ、裏切らないでくださいよ?」
「ふん!!」とそっぽを向いて神崎は一人腕を組んで去っていった──。
それと同時に一気にデート感が……。
『はぁはぁ……ついに二人……ここら辺だと……あたしのポロリができるところは……///』
でもなかったようだ。
安心しろ、そんなところねーから。
痴女にも程があんだろ、自分からポロリ求めるとか……パワーワードすぎるだろっ!!
しかし、今は石川さんが望むようにしてやろう。
「それで、石川さん? どこに……」
すると、石川さんは目を光らせて「あそこ!!」と指をさす。
俺はそちらの方を向くと──。
「え……」
カップルや家族が記念撮影をするコーナーだった。
行列とまではいかないが、少し人が並んでいる。
その大体がカップルなのだが……。
「いや、あそこ……?」
「うんうん!!」
まぁ、石川さんは変に俺にデレデレだしな。
ああいうのをしたいのだろう。
やれやれ、どんどんとリア充に染まっていく自分が怖え。
『あそこで写真を撮れば、あの子に見せびらかせる!! そうすれば、きっとあの子は嫉妬してあたしにやきもちを焼く!!』
そっちかよ。
俺じゃなくて神崎のこと考えてたのかよ。
「じゃあ、並ぶか」
○
列に並んでいる間に俺は石川さんに問う。
「なあ、石川さん?」
「何❤️? マイダーリン!!」
「いや……その手離してくれません?」
石川さんは俺の右腕をたわわな胸でサンドイッチしながら抱いている。
その、マシュマロを超えてお豆腐みたいなんですけど……。
もう、柔らか過ぎてそれすら感じない。
化け物だよ……。
と、そうじゃなかったな。
「あのさ? なんで石川さんは俺のこと好きなんだ?」
ちょうど二人の機会だ。
このすきに聞くとしよう。
『え、なに!? も、もしかして……小倉くんはあたしのことが完全に好きになってくれたの///』
いや、違うよ?
ただ、こんな俺みたいな男を好きでいていいのかってよ。
「俺なんかじゃ石川さんと釣り合わないよ……石川さんはほんとに可愛いし俺なんかより……さ?」
俺はこんなラブコメのベタ的な発言した恥ずかしさのあまり、頰を赤く染めて言った。
石川さんの方をチラリ見ると、石川さんの顔は赤く染まっていた。
『これってやっぱり……あたし、捨てるのね!! ついに……///』
しないから、絶対にしないから!!
「そ、それは……ですね……」
『どうしよう……なんて言ったら好感度上がるかな!! 小倉くんとできるかな!!』
いや、考えるなよ、好感度とかこの質問で上げる気ねーから。
てか、なんか、少しシリアスに突入しそうな雰囲気なのに心の声が聞こえるだけですげぇ、和らぐんだが。
本来なら、ここで『唾をごくりと飲む』だとか『汗が流れる』とかの少しシリアスシーンだろうな……。
「そ、そうですね……あれは入学式の日です……」
か、回想に入るのか!?
てか、石川さんと俺は入学式で会ったっけかな?
多分無いと思うんだけど……。
『あれ、入学式だっけ? 始業式だっけ? あれ? あれ? あ~ん、わかんないよぉ』
おい、大切な日だろ普通。
忘れるなよ!!
『ま、いっか……』
おい!!
○
「やばい!! 遅刻!!」とあたしはダッシュで正門を通り、入学式の行われている講堂へと向かった──。
今日は大事な入学式なのに……電車を乗り間違えてしまった……。
「最悪だよぉ……」
あたしは遅刻で入学式に入る恥ずかしさのあまり、目からは一滴の涙が流れた──。
そして、上靴に替えようと靴箱に到着すると……。
「早くしないとですね……」
「早くしなければ……」と男の声が隣からした。
私たちはお互いに振り向くと──。
「「え!!」」
なんと、もう一人遅刻をした人がいたのだ……。
「えっーと……」
「小倉雄也です」
「小倉くんも遅刻……?」
「うん、そう。君も……」
「そうです!!」
少し、寝癖があり目つきが悪いけど……カッコいい!!
え、これって運命ってやつ///。
「二人揃って同時に遅刻かぁ~」
「ほんとですね」とあたしはニコッと言う。
「まあ、それも悪くないですね。早く行きましょ!!」
その男……小倉くんはあたしの右手首を掴み、走り出した──。
小倉くん……名前は覚えました。
○
「て、感じです……」
え、あの時の……嘘だろ?
「あの時のメガネしてたパッとしなかったのが」
「はい!! 私……石川詩織です!!」
そ、そうだったのか……あの後、たしか『ラブコメのヒロイン来たぁああ!!』とか騒いでたっけな。
なんせ、こんなラブコメイベントで女子との出会いとか、期待しちゃうだろ……。
それがこれってわけか……。
「いや、驚きだわ」
「覚えていてくれて嬉しいです!!」
ほんとごめんよ。
言われてみればたしかに面影があるわ。
まさか……こんな形で再開するとはな。
「ぐぬぬぬっ──し、仕方ないわね!! 四十五分だけだからね!!」
「わかってますよ。あなたこそ、裏切らないでくださいよ?」
「ふん!!」とそっぽを向いて神崎は一人腕を組んで去っていった──。
それと同時に一気にデート感が……。
『はぁはぁ……ついに二人……ここら辺だと……あたしのポロリができるところは……///』
でもなかったようだ。
安心しろ、そんなところねーから。
痴女にも程があんだろ、自分からポロリ求めるとか……パワーワードすぎるだろっ!!
しかし、今は石川さんが望むようにしてやろう。
「それで、石川さん? どこに……」
すると、石川さんは目を光らせて「あそこ!!」と指をさす。
俺はそちらの方を向くと──。
「え……」
カップルや家族が記念撮影をするコーナーだった。
行列とまではいかないが、少し人が並んでいる。
その大体がカップルなのだが……。
「いや、あそこ……?」
「うんうん!!」
まぁ、石川さんは変に俺にデレデレだしな。
ああいうのをしたいのだろう。
やれやれ、どんどんとリア充に染まっていく自分が怖え。
『あそこで写真を撮れば、あの子に見せびらかせる!! そうすれば、きっとあの子は嫉妬してあたしにやきもちを焼く!!』
そっちかよ。
俺じゃなくて神崎のこと考えてたのかよ。
「じゃあ、並ぶか」
○
列に並んでいる間に俺は石川さんに問う。
「なあ、石川さん?」
「何❤️? マイダーリン!!」
「いや……その手離してくれません?」
石川さんは俺の右腕をたわわな胸でサンドイッチしながら抱いている。
その、マシュマロを超えてお豆腐みたいなんですけど……。
もう、柔らか過ぎてそれすら感じない。
化け物だよ……。
と、そうじゃなかったな。
「あのさ? なんで石川さんは俺のこと好きなんだ?」
ちょうど二人の機会だ。
このすきに聞くとしよう。
『え、なに!? も、もしかして……小倉くんはあたしのことが完全に好きになってくれたの///』
いや、違うよ?
ただ、こんな俺みたいな男を好きでいていいのかってよ。
「俺なんかじゃ石川さんと釣り合わないよ……石川さんはほんとに可愛いし俺なんかより……さ?」
俺はこんなラブコメのベタ的な発言した恥ずかしさのあまり、頰を赤く染めて言った。
石川さんの方をチラリ見ると、石川さんの顔は赤く染まっていた。
『これってやっぱり……あたし、捨てるのね!! ついに……///』
しないから、絶対にしないから!!
「そ、それは……ですね……」
『どうしよう……なんて言ったら好感度上がるかな!! 小倉くんとできるかな!!』
いや、考えるなよ、好感度とかこの質問で上げる気ねーから。
てか、なんか、少しシリアスに突入しそうな雰囲気なのに心の声が聞こえるだけですげぇ、和らぐんだが。
本来なら、ここで『唾をごくりと飲む』だとか『汗が流れる』とかの少しシリアスシーンだろうな……。
「そ、そうですね……あれは入学式の日です……」
か、回想に入るのか!?
てか、石川さんと俺は入学式で会ったっけかな?
多分無いと思うんだけど……。
『あれ、入学式だっけ? 始業式だっけ? あれ? あれ? あ~ん、わかんないよぉ』
おい、大切な日だろ普通。
忘れるなよ!!
『ま、いっか……』
おい!!
○
「やばい!! 遅刻!!」とあたしはダッシュで正門を通り、入学式の行われている講堂へと向かった──。
今日は大事な入学式なのに……電車を乗り間違えてしまった……。
「最悪だよぉ……」
あたしは遅刻で入学式に入る恥ずかしさのあまり、目からは一滴の涙が流れた──。
そして、上靴に替えようと靴箱に到着すると……。
「早くしないとですね……」
「早くしなければ……」と男の声が隣からした。
私たちはお互いに振り向くと──。
「「え!!」」
なんと、もう一人遅刻をした人がいたのだ……。
「えっーと……」
「小倉雄也です」
「小倉くんも遅刻……?」
「うん、そう。君も……」
「そうです!!」
少し、寝癖があり目つきが悪いけど……カッコいい!!
え、これって運命ってやつ///。
「二人揃って同時に遅刻かぁ~」
「ほんとですね」とあたしはニコッと言う。
「まあ、それも悪くないですね。早く行きましょ!!」
その男……小倉くんはあたしの右手首を掴み、走り出した──。
小倉くん……名前は覚えました。
○
「て、感じです……」
え、あの時の……嘘だろ?
「あの時のメガネしてたパッとしなかったのが」
「はい!! 私……石川詩織です!!」
そ、そうだったのか……あの後、たしか『ラブコメのヒロイン来たぁああ!!』とか騒いでたっけな。
なんせ、こんなラブコメイベントで女子との出会いとか、期待しちゃうだろ……。
それがこれってわけか……。
「いや、驚きだわ」
「覚えていてくれて嬉しいです!!」
ほんとごめんよ。
言われてみればたしかに面影があるわ。
まさか……こんな形で再開するとはな。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
高校デビューした美少女はクラスの美少女といちゃつく
明応わり
青春
高校デビューをした柚木真凛は周りと仲良くなり陽キャ女子グループの仲間になった。一方幼馴染の浅倉圭介はぼっちになり静かな生活をし2年生になった。
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ハーレムに憧れてたけど僕が欲しいのはヤンデレハーレムじゃない!
いーじーしっくす
青春
赤坂拓真は漫画やアニメのハーレムという不健全なことに憧れる健全な普通の男子高校生。
しかし、ある日突然目の前に現れたクラスメイトから相談を受けた瞬間から、拓真の学園生活は予想もできない騒動に巻き込まれることになる。
その相談の理由は、【彼氏を女帝にNTRされたからその復讐を手伝って欲しい】とのこと。断ろうとしても断りきれない拓真は渋々手伝うことになったが、実はその女帝〘渡瀬彩音〙は拓真の想い人であった。そして拓真は「そんな訳が無い!」と手伝うふりをしながら彩音の潔白を証明しようとするが……。
証明しようとすればするほど増えていくNTR被害者の女の子達。
そしてなぜかその子達に付きまとわれる拓真の学園生活。
深まる彼女達の共通の【彼氏】の謎。
拓真の想いは届くのか? それとも……。
「ねぇ、拓真。好きって言って?」
「嫌だよ」
「お墓っていくらかしら?」
「なんで!?」
純粋で不純なほっこりラブコメ! ここに開幕!
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる