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第5話 いざダンジョンへ

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「どうだったかい?」
「同じクラスじゃなかったな」
「そうだね」

 午後6時、俺は昼ごはん込みの晩御ごはんを食べるために食堂で大盛りのカレーライスを頼み一人食べていると隣に幼馴染のユウリ・リンスが月見うどん片手にやってきた。

「俺はDだがユウリは何組だ?」
「僕はA組だよ。まあ別にクラスなんて関係ないけどね」と月見うどんを一口食べるユウリ。

 俺もカレーライスをスプーンですくい口に運んだ。
 少し辛い。
 普通でこれかよ。

「そうだな、ランクの方は──」
「カナタもなんだい?」

 互いにポケットから学生証を取り出し交換する。


 ユウリ・リンス (16)

 スイデン冒険者学園一年A組
 性別:男
 血液型:A
 誕生日6月23日

 ランクD+


 さすがユウリだ。
 初手でD+とは。

「まだ決闘はしてないのか?」
「ああ、してないよ。カナタは決闘をいくつかしたようだね」
「なんでだ」
「君が初手でDランクなどありえないからね」
「……すべてお見通しってか」
「ふふ、ああ」
「ああそうだよ」

 シエラに少し悪いことをしてしまったと今になって罪悪感が湧いてきた。
 さすがにもっと早くに決闘をやめるべきだったなと。

「ふ~ん。今日の夜は暇かい?」
「ああ、特にすることはないな」
「そうか、それならよかったよ。ダンジョンにでも行かないかい?」
「やだだ、めんどくさい」

 今日は存分に身体を動かしたしこれ以上動かすことはいやだ。

「そう言わずにね? 少し身体を動かしたいんだよ」
「なら一人でいけ」
「嫌だよ、暗いし」

 俺はユウリを無視してカレーライスを頬張る。
 だいぶ熱さが消え辛く無くなってきた。
 
 うむ、なかなかうまいかもしれない。

 パクパクとあっという間に食べ終えてしまった。

「……よし、ならダンジョンで手に入れた財宝は全てカナタの物にしていいから」

 そうくるのか。

「……くそ、わかったよ。いったからな?」

 ユウリはニコリと微笑んで。

「ああ、約束だ」



 服装を動きやすい格好に替え、俺とユウリは寮から出ると入り口に。

「げぇ……」
「私を弟子にしてくれないかしら?」

 シエラが柱に寄りかさっていた。

「……カナタの知り合いかい?」と耳元でユウリが言ってきたから俺は。
「知らん」と返す。
「そうか、なら行くとしよう」
「ああ」

 無視無視。

 俺はシエラの横をまるでそこにいないかのように無視して通り過ぎる。

「まっ、待ちなさいよ!!!!」
「やっぱり知り合いじゃ……」
「人間違いだろ、ほら行くぞ」
「そうかい」

 が……。

 シエラが俺とユウリに前に立つ。

「……えっ、何このイケメン?! ううん、今はそんなこと関係ないわ!」

 イケメンとはユウリのことを言っているのだろう。
 俺から見てもユウリはめちゃくちゃイケメンだから。

 そしてシエラは俺を指差して。

「カナタ、私を弟子にしてくれないかしら?」

 くっそ、こいつめんどくせぇよ。
 あんましつこすぎると嫌われるよ?

「嫌だ、断固禁ずる」
「やっぱり知り合いじゃないか」
「……、制服じゃないのね。今からどこか行くのかしら?」

 勘のいい子娘め。
 いいか、ユウリ。
 何も言うんじゃない……。

「あ~これね、今からダンジョンに行くんだけど……そうだ、君もどうだい?」

 回収が早いなおい!

「そうね、カナタ。あなたのことが気になるし私も行くことにするわ。装備を整えてくるから少し待ってもらってもいいかしら?」
「ああ、いいよ、なあカナタ?」
「お、おう……」

 シエラがいなくなると、ユウリは。

「あの美少女と君はどんな関係なんだい?」とワクワクした表情で聞いてきた。
「どんな関係でもねーよ、それより何しやがるんだよユウリ」
「はは、何か僕は悪いことをしてしまったようだね」
「しっかり反省しやがれ馬鹿野郎」

 こうして俺はユウリとシエラとダンジョンへ行く羽目になってしまった。

 ……シエラがいるなら俺いらなくね?
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