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第3話 ストーカーそして決闘へ
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……。
後ろを振り向く。
「おい」
「ひぇっ!?」と足を止め、慌てて柱に隠れるシエラ。
バレバレなんだが。
「なんだよずっとついてきて鬱陶しい──ッ!」
校舎から出て、寮へと向かう途中、ずっとシエラの気配が感じていた。
先ほどの反応からいってこれは完全にストーカーというやつだ。
女子寮は男子寮の真反対側にあるため勘違いではない。
ストーカーは普通男が女にするものだと思っていた、反対もあるんだな。
「出てこい」
「……」と柱から姿を見せるシエラ。
そしてシエラは後ろ髪を払い。
「あら、偶然ね?」
「舐めてんのか」
「……」
くっそ、まさか後をついてくるとは思っていなかった。
このままついてこられてもムカつくだけだ。
こいつがついてくる理由はわかっている。
めんどくさいがしょうがない。
「決闘か?」
「他に何があると思うの?」
だろうな。
「もしやらないで無視したら」
「その時はあなたの部屋までついてくわ!」
腰に手をやり、えっへん! 、とするシエラ。
何がえっへんだ、このやろう。
「はあ、わかった。じゃあ体育館でいいか?」
「ええ、いいわ。カナタと一戦できるならどこでもね!」
めちゃくちゃめんどくさいがこのままストーカーを続けられても困る。
しょうがない付き合ってやるとしよう。
○
ということで、俺とシエラは体育館へとやってきた。
体育館にはいくつもの魔法でどんな攻撃も傷がつかないいわば決闘用の部屋があり俺とシエラはその一室へと入った。
俺はブレザーを脱ぎ、床に置かれたスクールバッグの上に投げ捨て、腕まくりをする。
「……武器がないようだが魔法だけか?」
「ええ、その通りよ。杖とかは使わない派だわ」
魔法の杖を使えば魔法の威力が上がるのだが、その分手が嵩張り行動に支障がでることがある。
「そうか」と木刀を抜き右手で掴む。
「最後の確認だけれど朝のアレはあなたで間違いないのよね?」
「三人相手のアレだろ……間違いない」
「そのランクでアレをと疑いがたくさんあるわ。だから女だからって手加減はしないでちょうだい」
「はいはい」
つまりだボコボコにしてもいいということだろう。
その綺麗な白くて可愛らしい顔をボコボコに叩いて人前では立たない顔にしてやる。
……いや、それはさすがにやばいな。
女を殴ることには少し抵抗がある。
間違いなく男ならやっていただろうが、それはやめておくとしよう。
「じゃあ行くわよ!」
「ああいいぜ」
「「スタート」」
同時にかけ声を言い、決闘が始まった。
D-、なかなか侮れないランクである。
まずは相手の動きや属性、魔法などを確かめた方が良さそうだ。
だから俺は剣を構え、相手の動きをひたすら待つ。
「……どうやらお互い考えていることは同じようね!」
だが向こうも動きを見せない。
「そうみたいだな、早くこいよ」
「そっちこそね!」
俺が魔法を使えないことを知れば相手はきっと遠距離からしか攻撃してこないで近距離にならないように意識することになるだろう、それは避けなきゃな。
「まあいいわ、こうしていても何も始まらないわよね」
シエラは右手人差し指と親指をピンと伸ばしそれ以外はグッと握り、人差し指をこちらに向ける。
……なんだ?
後ろから熱風を感じる。
まさか──ッ!!
俺の馬鹿野郎、前ばかり意識しやがって!
慌てて後ろを振り向くと三つの手のひらサイズの炎の球ができていた。
いつのまに。
「ファイヤーバレット!!」
シエラがそう言ったと同時に三つの炎の球が俺に向かって飛んできた。
「ガチかよ!!」
後ろを振り向く。
「おい」
「ひぇっ!?」と足を止め、慌てて柱に隠れるシエラ。
バレバレなんだが。
「なんだよずっとついてきて鬱陶しい──ッ!」
校舎から出て、寮へと向かう途中、ずっとシエラの気配が感じていた。
先ほどの反応からいってこれは完全にストーカーというやつだ。
女子寮は男子寮の真反対側にあるため勘違いではない。
ストーカーは普通男が女にするものだと思っていた、反対もあるんだな。
「出てこい」
「……」と柱から姿を見せるシエラ。
そしてシエラは後ろ髪を払い。
「あら、偶然ね?」
「舐めてんのか」
「……」
くっそ、まさか後をついてくるとは思っていなかった。
このままついてこられてもムカつくだけだ。
こいつがついてくる理由はわかっている。
めんどくさいがしょうがない。
「決闘か?」
「他に何があると思うの?」
だろうな。
「もしやらないで無視したら」
「その時はあなたの部屋までついてくわ!」
腰に手をやり、えっへん! 、とするシエラ。
何がえっへんだ、このやろう。
「はあ、わかった。じゃあ体育館でいいか?」
「ええ、いいわ。カナタと一戦できるならどこでもね!」
めちゃくちゃめんどくさいがこのままストーカーを続けられても困る。
しょうがない付き合ってやるとしよう。
○
ということで、俺とシエラは体育館へとやってきた。
体育館にはいくつもの魔法でどんな攻撃も傷がつかないいわば決闘用の部屋があり俺とシエラはその一室へと入った。
俺はブレザーを脱ぎ、床に置かれたスクールバッグの上に投げ捨て、腕まくりをする。
「……武器がないようだが魔法だけか?」
「ええ、その通りよ。杖とかは使わない派だわ」
魔法の杖を使えば魔法の威力が上がるのだが、その分手が嵩張り行動に支障がでることがある。
「そうか」と木刀を抜き右手で掴む。
「最後の確認だけれど朝のアレはあなたで間違いないのよね?」
「三人相手のアレだろ……間違いない」
「そのランクでアレをと疑いがたくさんあるわ。だから女だからって手加減はしないでちょうだい」
「はいはい」
つまりだボコボコにしてもいいということだろう。
その綺麗な白くて可愛らしい顔をボコボコに叩いて人前では立たない顔にしてやる。
……いや、それはさすがにやばいな。
女を殴ることには少し抵抗がある。
間違いなく男ならやっていただろうが、それはやめておくとしよう。
「じゃあ行くわよ!」
「ああいいぜ」
「「スタート」」
同時にかけ声を言い、決闘が始まった。
D-、なかなか侮れないランクである。
まずは相手の動きや属性、魔法などを確かめた方が良さそうだ。
だから俺は剣を構え、相手の動きをひたすら待つ。
「……どうやらお互い考えていることは同じようね!」
だが向こうも動きを見せない。
「そうみたいだな、早くこいよ」
「そっちこそね!」
俺が魔法を使えないことを知れば相手はきっと遠距離からしか攻撃してこないで近距離にならないように意識することになるだろう、それは避けなきゃな。
「まあいいわ、こうしていても何も始まらないわよね」
シエラは右手人差し指と親指をピンと伸ばしそれ以外はグッと握り、人差し指をこちらに向ける。
……なんだ?
後ろから熱風を感じる。
まさか──ッ!!
俺の馬鹿野郎、前ばかり意識しやがって!
慌てて後ろを振り向くと三つの手のひらサイズの炎の球ができていた。
いつのまに。
「ファイヤーバレット!!」
シエラがそう言ったと同時に三つの炎の球が俺に向かって飛んできた。
「ガチかよ!!」
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