【モテたい、好感度鑑定の覚醒者】あれ?「ネタ魔法」ってバカにしてたよね??最強と気付いたところでもう遅い。

山形 さい

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序章II

攻撃力測定と面接!

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「はい、次の人ぉ~~」と、ダルそうに試験官のお兄さんは言う。

「はい!」

 おいおい、そんなにダルそうにしないでくれよ。
 俺まで気分が落ちるだろうが。

「じゃぁ、この装置に向かって思いっきり剣を振ってくださいねぇ~~」

 2次試験は、攻撃力を測るというものだ。
 この石でできた縦に長い四角形の物体に向かって、剣を振れば攻撃力が測れるらしい。

 ちなみに、この装置はとても硬く普通の攻撃では壊すことが困難らしい。
 それなら、思いっきり剣を触れるな。

「よし!」

 ふぅぅ~~と、息を吐いた後思いっきり剣を両手で持って振る。

「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!」

 とても手応えがある。
 よし、これなら壊さなくてもヒビぐらい入れられるはずだ。
 足に力を入れて、そのまま振りきる。

「ふぁあ~」と、俺は振りきると同時に仰向けで倒れた。

 はぁはぁ、久しぶりに剣を思いっきり振ったなぁ~~。
 いつもなら、思いっきり振ることができない。
 振ると森が一瞬にして消滅してしまう。って、やべっ! 次の人待たしてるな。
 早く立ち上がらないとだな。

 俺は、汗を拭いて立ち上がると。

 先程の試験官のお兄さんは、顎をアワアワと震わせている。

 ん? そっかぁ~、流石に壊さなくてもすげェ攻撃力でも出たんだろ??

 俺は、ドヤ顔で試験官のお兄さんに声をかけてみることに。

「あの~~、そんなに驚いてどうしたんですか? (ドヤっ!)」

 試験官のお兄さんは、装置のあったところに向かって指を差した。

「装置がどうかしたんですか? あー、攻撃力ですね!! まぁ、僕レベルになるとぉおお……あれ?」

 そこにあった、装置は粉々どころか形が残らず無くなっていた。あれ? 見間違いか? もう一度見てみるが、やはりない。

 うーん、何故ないんだ? って、もしかして……。

「なぁ、君。もう一度、装置持ってくるからやってもらっていいか?」

 先ほどとは違く、少しワクワクした感じで試験官のお兄さんは装置を取りに行く。


■■■


「よし、じゃぁ、もう一度いいかな?」

「は、はい」

 よし、次は俺もしっかり装置を見ておこう。流石に、俺が粉々にしたわけじゃないよな?

「うぉおおおおおおおおおおおお!!」

 緊張してしまったせいか、少し力みすぎてしまった。先程のように綺麗に、剣を振り切ることができなかった。

 あ、ちくしょう……。

 しかし、次の瞬間装置は宙に舞い、バゴーンと大きな音を立てて消えた。
 それと同時に、衝撃波に寄って俺は倒れた。

「いててて」

 頭を打ってしまって、とても痛いため頭を抑えながら立ち上がると、やはり装置が無くなっていた。

「え? あれ? もしかして……うん、そういう事だよね? ……」

 俺は、声を震わせながらそう言う。

 マジかよ。
 いやいやいや、マジかよ? 流石に破壊できると思ってたなかったぞ? 俺の攻撃力エグくねぇか?

「なぁ、君……」と、声を震わせながら試験官のお兄さんは言う。

「はい?」と、俺はドヤ顔で返事をする。

「君ってさぁ? 人間?」

「はい……」

 もっともな意見である。
 まさか、こんなガキが壊すとは思っていなかっただろう。よし、これはシロに後で自慢しよーと。

「いや、お前はもう人間じゃないだろ……この俺でさえ、壊すのに20年かかったんだぞ? それが、あんなガキに!? ありえねェだろ……ぶつぶつぶつ……」

 あー、聞きたくない。

 俺は、その愚痴を聞きたくないあまりに耳を塞いで次の試験に行くことにした。

 えーと、次の試験は面接か。よし! 頑張るぞぉ!

『えいえい』

(おー? って、鑑さん?)

『ギルくん、すごいねぇーー(棒読み)」

(ありがとう。でも、棒読みやめてくれない? ちょっと、傷つくよ?)

『わかったわかった。次の試験は……面接ね! 頑張ってきてね! 件は任せてね!』

(ああ、頼りにしてるよ)


■■■


「えー、では今から面接を行う」

 俺の担当する人は、黒髪ロングの肌白いクール系お姉さんだった。
 そして、とても胸がデカい!! 男で興奮しない人はいないだろう。居たらあれだ、そいつは男じゃない。

「お願いします」

 俺は、お姉さんが座っている長いテーブルの真正面にポツンとあるパイプ椅子に座る。

「じゃぁ、まず最初に……君ってすごい逸材ね!!」と、お姉さんはテーブルを叩き椅子から立ち上がり、顔を近づける。

 ち、近い……なぁ。

「え、え、はいそうです。て、照れるなぁ……」

「まずは、これから見てほしいの!」と、お姉さんは指を鳴らす。

 すると、一枚の紙がヒラヒラと宙に舞いながら現れた。
 魔法だろう。

「よっ!」と、その紙をお姉さんはチョキの手で掴む。

「これなんだが、君、えーと、ギル? ギルはすごいな。オーラ満点だ!」

 なるほどそう言うことか。ということは……。

 一応、好感度を鑑定してみると82とかなり高い。かなり、期待されているようだ。

「ん? なんだ、驚かないのか?」

「はい、まぁ。それより、こんなの見せちゃっていいんですか?」

 これは多分、関係者しか見てはいけない紙な気がする。
 いや、多分ダメだろ……。流石にまずくないのか?

「ハハハ、面白いな君は。もちろん、見せてはいけないが……」

「ははは……」

 俺は、苦笑いをする。
 ここは、素直に笑っていいところかわからないためである。

「まぁ、そんなところだ。わたし的に君の面接の評価はマックスの5点にするつもりだ」

「えっ!? まじですか!?」

 これは、素直に驚いた。
 なんせ、面接満点なんて今まで見たことないとお父さんから聞いたことがあるからだ。

「そうだな、まぁ、一度念のために面接をするが変なことがない限りは、満点にするつもりだ」

「変なこと?」

 お姉さんは腕と膝を組んで話し出した。

「そうだ、例えばだが君が普通以下の魔法のみしか使えないとか……」

 ぎくッ! マジかよ……それ俺やん!! まぁ、そんなのは想定してた範囲だし、なんて事ないな。

「マジですか……俺、『好感度鑑定』しか使えないんですけど……」

 お姉さんはそれを聞いた瞬間に、開いた口が閉じないまま止まってしまった。

「えっ! 本当に言っているのか?」

「はい、本当ですが……」

「さっきのやつは、取り消しとしよう。ここまで頑張ってきてあれだが、うん君はよく頑張ったな!」

 お姉さんは、そう清々しい顔をして言った。

「ちょっ! 待ってください!!」

 よし! 今こそ使う時だ。

(鑑さん、あのお姉さんは何すれば好感度上がりそう?)

『そうねぇ……ざっと見た感じ、【好感度倍増】スキルを使って、「可愛いですね」が効果的ね!!』

 【好感度倍増】とは、名前の通り一時的に好感度の増え方が倍になるスキルだ。しかし、このスキルは1日一回までらしい。

(えっ!? チョロ、そんな簡単なので本当に大丈夫か?)

『ええ、それが一番効果的だね』

(わかった。ありがとよ)

『どういたしましてー』

 よし、やってみよう。
 まずは、好感度鑑定をしておこう。うーんと、27……倍以上下がってるじゃねェーか!! どんな嫌われようだよ!! まぁ、いいや。よし! やるとしよう。

 俺は、目に写る紋章をお姉さんに合わせて、【好感度倍増】を使う。

 そして、「お姉さんって、なんか綺麗ですよね! 清楚って言うか? お嫁に欲しいぐらいです……」

 鑑さんに言われた通りにしてみることに。

 すると、お姉さんの顔はどんどんとりんごのように赤くなっていく。

 お!? これは、効果があったか!?

「そ、そうかしら? あ、あ、ありがとね! わたし、そんなこと生まれて初めてだわ……うん、好き……」

 お姉さんの目は、ハートの形になっていた。

 ふふふ、ちょろい。

 好感度鑑定を使ってみると92と、明らかに高くなっている。いや、高すぎだろ!! 

「ねぇ、わたしのおっぱい揉む??」と、俺の手を掴み乳に誘導してくる。

 マジですか……。

(おい、やりすぎだろ!!)

『めちゃくちゃ効いたみたいね! なんせ、この人は生徒から【黒鬼】と呼ばれてるらしくて結構傷ついてるらしいわよ』

(マジかよ、可哀想に。でも、流石に一言で変わりすぎだろ!! 待て、お前なんかしただろ?)

『プークスクス、しらな~~い!』

(鑑さんてめェー!!)

 すると、むにゅっとプリン? いや、マシュマロのように柔らかい物体に手がついた。

 あ、これは……俺は、恐る恐るお姉さんの方を向くと乳でした……あ、やっベェ。

 俺は、急いで手をどかして「ありがとうございましたー!!」と、言って面接の部屋を抜けた。

 きっと、面接は満点だろうーーでも、あのお姉さんともう2度と会いたくない。と思ってしまった。


 
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