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序章I

ハニースライムとぉ〜ばつ

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「そのままよ、ギルちゃん!」

「はい、お母さん!!」

 ハニースライムには、羽と黄色と黒のラインが交互に入っていた。

 僕は、ハニースライムの背後に立ち剣で切り裂く。「ぎゅ~~!」と、声を上げながらハニースライムは倒れた。

 仕方ないことだ、仕方ないことだ。と、僕は自分の心の中に言い聞かせる。
 ほんとに仕方ないことだ。自分が強くなるために。
 
「その調子ね! 魔力レベルの方はどうかしら?」

「うーんとね……、3って書いてある」

「よーし、その調子で頑張るぞー!!」

「おー?」

 お母さんも、ハニースライムを倒すのにノリノリのようだ。
 1匹狩るだけで、魔力レベルが3になるなんて……おいしすぎる!

 それから、僕は毎日お父さんとの、剣術の鍛錬とお母さんとの、ハニースライム狩りが始まった。
 それは雨の日も、僕が朝寝坊した日も………ほんとに、「毎日面倒を見てくれてありがとう」という気持ちでいっぱいだ。
 いつか、恩返ししなければ………。

 魔力レベルが80に達した頃には、もう一日中好感度鑑定を、使っても魔力が切れることは無くなった。
 ちなみに、両親の好感度は共に100だった。
 愛されてるなぁ~~。と言うものの、今のところなんも好感度鑑定が役に立つのかわからない。

 あれ? 心配になってきたぞーーもしかして、え? もしかして、このままじゃ、ザコじゃん……。
 そんなことを考えると、気づけば僕はさらに熱心に修行をすることにした。

 そんなある日………。

「なんで、シロさんがいるんですか?」

「それはね、今日から一緒に修行してくれる仲間だそうよ」

 ふふふと、心なしにお母さんは喜んでいる。

 僕は、というと……。

「え、なんですか? なんか僕しました?」

 シロさんは、こちらをジーっと睨んでいる。

 あれ? 僕は何かしたか? うーん、思い当たることがない……え? まじで、ないのだが………。

「僕は………」

「バッカじゃないの? 別に、ギルに何もされてないから! 変なこと考えないでちょうだい!」

 え!? 何々……なんで、心が読めてるの!? 
 てか、かなり機嫌が悪そうだ。僕は、『好感度鑑定』をしてみる。
 頭には………えっ!! 80、80だとォオオ! え? 嘘だよな?

 もう一度鑑定してみる。
 やはり、80だった。これだけは言える、80はとても高いはずだと。
 色々な人を鑑定してきたが、皆40などだった。それの2倍とは。
 でも、だったら何故こんなに、機嫌が悪いのだ? 

 あー、多分好感度鑑定が狂ってるんだな。それしかない。

「こらこら、2人共! 仲良く仲良く……」

「「はーい!」」

「それで、だけどシロちゃんはどんな魔法を習得したのかな?」

「わたしは、ですね……」

 シロさんは、手を前にだす。
 すると、勢いよくそこに何かの力が集まり、次の瞬間。勢いよく、水でできた槍が飛ぶ。
 その槍は、木に刺さり貫通せずに水に戻った。

 僕は、目が飛び出るほどに驚く。なんなんだ、この魔法は!

「こんな感じに、魔力を纏った水を操ることができる魔法です」

「なるほどね! わかったわ! とりあえず、シロちゃんは魔力増加と回復魔法を覚えた方が良さそうね」

「なんで、回復魔法ですか?」

「それはね、男の子と体の筋肉のつき方が違う分、攻撃系魔法だけじゃ、だめなのよ。そこで、回復魔法ってことよ!」

 ということは……僕は、攻撃でも回復でもない魔法使ってる時点でヤバくないか? 

「じゃぁ、今日からよろしくお願いします!!」

「ええ! 喜んで!」

 こうして、1人仲間が増えてまた、修行が始まった。

 シロさんは、僕とは違い僕が剣術の修行をしている時も、魔力増加等の修行をしているようだ。

 しかし、僕はただ、魔力が増加しただけでなんも好感度鑑定は、強くならなかった。
 お母さん曰く、「日頃ずっと好感度鑑定を使っていれば、強くなる」と言われたのだがーー全く強くならない。

 え? これ、マジで大丈夫? 気づくと14となっていた。 
 あと、2年で『勇秀兵学園』という所に入学試験することになっているが、このままじゃやばい!

 そして、僕の魔法がある日覚醒するのだった。

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