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〇15 押し入れの奥のネズミR2
しおりを挟むとある子供の家には、ネズミがいた。
そのネズミは、すばしっこく走って、体が灰色だった。
だから、その家の子供は、それをネズミと考えた。
他の人が見たら、それはネズミではなかったが、子供には分からなかった。
ネズミと子供はすぐに仲良くなった。
なぜなら、四六時中ずっと、家の押し入れの中で、一緒に過ごしていたから。
子供は、そのネズミを仲のいい家族のようなものだと考えていた。
ネズミもそう思っているのか、よく子供になついた。
家族は大切にしなければならない。
そう思った子供は、自分の食事であるパンを、弟か妹のように思っているネズミに分け与えた。
パンは一日一つしかなかったけれど、子供はネズミを大切に思っていたので、お腹が鳴りやまなくなってもあげ続けた。
そんな事をしていたためか、子供は空腹のせいで動けなくなっていた。
子供は押し入れの中で、数日間ぐったりしていたが、ある日押し入れの扉にネズミが体当たりするようになった。
どんどん、とうるさい音がなったので、押し入れの外で生活していた大人が異変に気づいた。
その大人は、子供に「押し入れの中から出てくるな」と言っている。
大人は、大きな声で何かを言いながら押し入れの扉を開けたが、飛び出したネズミに追いかけられてどこかへと逃げていった。
倒れていた子供が目覚めると、近くにはいくつかのパンが転がっていた。
押し入れの扉が空いていたので、子供はネズミを探すために、ひさしぶりに家の中を自由に歩いた。
しかし、どんなに歩いても大人もネズミもみつからなかった。
家の中にあったのは、絵の具をぶちまけたような赤い水たまりだけだった。
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