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〇05 ノゾキアナの恐怖 変
しおりを挟む俺は今日も、アパートにあるノゾキアナから隣の部屋の彼女を見つめる。
彼女は最高に可愛い。
日課としていつも眺めてるけど、色褪せない美って本当にあるんだな。
歩いている姿も、立っている姿も、すべて可愛い。
居間で食事をしている姿とか、くつろいでいる姿も最高だ。
隣の部屋にあんな美人が越してくるなんて、俺は何てラッキーなんだ。
この部屋にはもとからノゾキアナがあったけど、隣の部屋にいた前の住人のいびきとか、どうでもいい話し声しか伝えてこなかった。
けど、それがこんなにも役に立つものだったなんて。
誰がノゾキアナを作ったのかしらないけど、ありがたく使わせてもらう事にした。
最初に使った時のわずかな罪悪感はすでにもう吹き飛んでいた。
俺はすっかり開き直って、ノゾキアナを使い続けた。
しかし、数日後に異変が起きた。
ノゾキアナで見ていると、その部屋にいる彼女が何かに怯え始めたのだ。
原因は音だった。
彼女は一人暮らしだ。
家族と住んでいるわけではない。
なのに、ガチャガチャとドアノブの音をたてて、その部屋に侵入してきた人間がいたのだ。
部屋の主に声をかけずに無言で入って来たそいつは男だ。
まさかと思い、俺は自分の部屋を飛び出して、彼女の部屋にやってきたその男になぐりかかった。
「彼女の部屋から出ていけ!」
「何を言ってるんだ。この部屋は俺の部屋だぞ!」
「そんな馬鹿な事があるかっ!」
だが、彼は嘘をついていなかった。
その部屋に元々いた女性は、俺達が持ち合っている内に逃げ出して、二度と戻ってこなかったからだ。
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