ひどい境遇にあっている私を助ける為に未来から娘と息子がやってきたようです

透けてるブランディシュカ

文字の大きさ
上 下
3 / 8

03 娘と息子

しおりを挟む


 置き去りにされた場所がどこか分からない。
 詳しい現在地が分からないという最悪の事態の中、私はとにかく人のいる所に向かうしかなかった。
 どうか行く先が自分のいた国でありますように。

 そう祈りながら歩いたけれど、現実は非情だった。

 私が近づいた村は、敵国の村だったのだ。

 私は村から離れようとした、けれどすぐに村人に見つかってしまった。
 幸いにも私を見つけた人は無力なただの村人だったため、すぐに追いかけてくるような事はなかった。
 けれど、自警団の人間や兵士達に知らせがいったら、すぐに身の危険にさらされる事になるだろう。

 私はできるだけ遠くへ逃げなければならなかった。

 しかし、庶民の暮らしを捨てたせいで体力が落ちていた私は、碌に走れなかった。

 焦りばかりが募る中、とうとう誰かに追いつかれてしまった。

 私は懸命に抵抗した。
 騙された挙句に、こんな所で終わりなんて耐えられなかったからだ。

 けれど相手は自警団の人間でも兵士でもなかったようだ。
 よく見ると、子供だった。

 私を助けれくれた二人、その少女と少年は。驚きの一言を伝えてきた。
 彼らはどうやら、私の未来の娘と息子だというらしい。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

時渡りの姫巫女

真麻一花
恋愛
リィナは村の祭りで、主役である「姫巫女」役に選ばれた。舞の相手は騎士として活躍しているヴォルフ。  あこがれの彼との舞を喜んでいたのもつかの間、リィナは本物の姫巫女へと祭り上げられ神殿に囚われる事となる。  嘆く彼女に救いの手を差し伸べたのは、出会ったばかりの騎士、ヴォルフだった。 (表紙絵は、りょおさんからいただきました)

【短編】国王陛下は王子のフリを見て我がフリを反省した

宇水涼麻
ファンタジー
国王は、悪い噂のある息子たちを謁見の間に呼び出した。そして、目の前で繰り広げられているバカップルぶりに、自分の過去を思い出していた。 国王は自分の過去を反省しながら、息子たちへ対応していく。 N番煎じの婚約破棄希望話です。

旅の道連れ、さようなら【短編】

キョウキョウ
ファンタジー
突然、パーティーからの除名処分を言い渡された。しかし俺には、その言葉がよく理解できなかった。 いつの間に、俺はパーティーの一員に加えられていたのか。

断罪されそうになった侯爵令嬢、頭のおかしい友人のおかげで冤罪だと証明されるが二重の意味で周囲から同情される。

あの時削ぎ落とした欲
恋愛
学園の卒業パーティで婚約者のお気に入りを苛めたと身に覚えの無いことで断罪されかける侯爵令嬢エリス。 その断罪劇に乱入してきたのはエリスの友人である男爵令嬢ニナだった。彼女の片手には骨付き肉が握られていた。

聖女は聞いてしまった

夕景あき
ファンタジー
「道具に心は不要だ」 父である国王に、そう言われて育った聖女。 彼女の周囲には、彼女を心を持つ人間として扱う人は、ほとんどいなくなっていた。 聖女自身も、自分の心の動きを無視して、聖女という治癒道具になりきり何も考えず、言われた事をただやり、ただ生きているだけの日々を過ごしていた。 そんな日々が10年過ぎた後、勇者と賢者と魔法使いと共に聖女は魔王討伐の旅に出ることになる。 旅の中で心をとり戻し、勇者に恋をする聖女。 しかし、勇者の本音を聞いてしまった聖女は絶望するのだった·····。 ネガティブ思考系聖女の恋愛ストーリー! ※ハッピーエンドなので、安心してお読みください!

婚約破棄された私と、仲の良い友人達のお茶会

もふっとしたクリームパン
ファンタジー
国名や主人公たちの名前も決まってないふわっとした世界観です。書きたいとこだけ書きました。一応、ざまぁものですが、厳しいざまぁではないです。誰も不幸にはなりませんのであしからず。本編は女主人公視点です。*前編+中編+後編の三話と、メモ書き+おまけ、で完結。*カクヨム様にも投稿してます。

私だけが赤の他人

有沢真尋
恋愛
 私は母の不倫により、愛人との間に生まれた不義の子だ。  この家で、私だけが赤の他人。そんな私に、家族は優しくしてくれるけれど……。 (他サイトにも公開しています)

処理中です...