ひどい境遇にあっている私を助ける為に未来から娘と息子がやってきたようです

透けてるブランディシュカ

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01 境遇

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 私と母親は庶民だった。

 父は病ではやく倒れてしまったけれど、家族二人で小さな食堂で働きながら細々と暮らしていた。

 いつも貧しかったけれど、笑顔を忘れずに生きていた。
 だから、お金がないその分私達の生活は幸せだった。

 しかし、ある日お忍びで町に出てきた王様に母が見初められて、王族の一員になる事になった。

 それから数年間は華やかな暮らしをしていたけれど、贅沢な生活は長く続かなかった。

 王様には、私の母の他にも女の人がたくさんいたからだ。

 その中には、私と同じように庶民の出の人もいたけれど、大抵は貴族だった。

 そのため、私達はそういった貴族から邪魔者扱いされていた。

 王様の心が母から離れていくにしたがって、その扱いはひどくなる。

 表立って嫌がらせをされる事はなかったけれど、その分嫌がらせの内容は陰湿だった。

 そして、とうとう決定的な出来事が起こってしまった。


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