上 下
12 / 20

〇12 相反する目的 試験期間

しおりを挟む



 ただいまその学生は試験期間真っ最中である。

 試験期間は勉強するもの。

 それが学生達の共通認識だ。

 だけど、大勢の学生はそれと同時に、勉強なんてしたくないとも思っている。

 だからその学生も困っていた。

 その人物には、読みかけの漫画、やりかけのゲームなどがたくさんあったからだ。

 相反する目的が二つ並んだ時、人はどのような行動をとるか。

 やるべき事を優先するか。

 自分のしたい事を優先する。

 などである。

 結果としては。

 誘惑に勝って勉強をこなし、テストで良い点をとって自慢するか。

 誘惑に負けてテスト結果に泣く未来を受け入れるか。

 などになる。

 しかし、その人物はどちらでもなかった。

「俺はどちらかを切り捨てたりしない! どちらもつかみ取る!」

 そういうわけなので、試験勉強を進めながら休憩時間に漫画を読んだり、ゲームをして息抜きすることにした。

しおりを挟む

処理中です...