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〇04 道化少年は立ち止まれない

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 道化少年は笑えない。

 ずっと滑稽なフリをしていたから、笑えない。

 偽物ばかりの笑いをしてきたから、笑えない。

 笑い方すら忘れてしまったから、笑えない。

 始めは誰かを救いたかった。

 次は誰かを励ましたかった。

 安全をあげたくて、幸せになってほしかった。

 だからずっとずっと、道化のふりをしていた。

 けれど、誰も笑えない。

 道化少年も笑えない。

 一人で、滑稽に舞台の上を、くるりくるり。

 誰もいない客席を眺めながら、くるりくるり。

 ずっとずっと、くるりくるり。

 道化のやめ方すら忘れてしまって、くるりくるり。

 くるりくるり。


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