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〇02 記憶喪失になった僕には、彼女とつきあえるようになった理由が分からない

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 記憶喪失になった僕には、以前の僕がどうして彼女と付き合えるようになったのかが、まるで分からない。

 だって僕は、数週間前に事故にあってしまったらしいから。
 それで、今までの記憶が消えてしまったのだ。

 そんな僕には両親とおばあちゃんおじいちゃんと、あとペットが身近にいたらしいけど、驚きなのが彼女だ。

 何と僕には付き合ってる彼女がいたらしい。

 何かと慎重で、弱虫で、びびりであがり症な、この僕に。

 記憶を失う前もそんな性格だったらしいから、なおさら分からないよ。

 どうしてそんな僕に彼女ができたんだろう。

 僕と違って彼女は可愛くて、愛嬌があって、度胸もあって、お淑やかで、多才。

 完璧とまではいかないけど、ひどく魅力的で優秀な人間だった。

 はっきり言って、釣り合う二人じゃないよね。

 どうして、付き合う事になったんだろうな。

 気になった僕は、今度彼女と二人っきりで散歩する時に尋ねてみようと思った。

 場所は、近所にある場所でも良いかな。

 彼女が好きだと言った外車に乗せてあげて、遠くまでドライブデートとしゃれこみたいけど、まだ安静にしてなくちゃいけないし。

 もっとも、その日高台から誰かに突き落とされた僕には、その機会がおとずれなかったんだけどね。


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