5 / 5
01 「学校生活」オリ設定 オリ世界観
男は狼
しおりを挟む私は今目隠しをされて、椅子にくくりつけられて、分厚いカーテンで仕切られた部屋に閉じ込められているようです。
これだけ聞けば、事件発生の匂いしかしないけど、今日のこれは少しだけ事情が違う。
私の目の前にいるのは友人のニオの言う、ドエスで鬼畜で変態とかいう人間らしい。
「よぉ、優等生、これでお前の中にある絶滅危惧種の危機感は働くそうになったか?」
「そうは、言われましても」
私の中には戸惑いの感情しかない。
先生は私の事を思って、これをしてくれているらしいのだが今いち何を伝えたいのか分からなかった。
なぜこんな事になったのだろう。
ふしぎでたまらなかった。
文化祭でメイドを極めようとした私の態度が先生の気に障ったらしいが、どこがどうかは分からなかった。
「俺の得意技、知ってるか。ショック療法だ。曲がったもんを治す為なら、ある程度ひどい事はする。そういう人間だ。どうだ、怖いか」
「いえ、そんなには。無理がありますよ、他の人達ならともかく先生にこんな事されても。そのあんまり怖くないです」
「怖がれよな、はぁぁ。大丈夫か、こいつ。これから生きてけるか? 野郎どもに黙らさたりして身ぐるみはがされても知らんぞ」
そんな呆れた声をされてもこちらも困る。
何でだか、分からないが先生は私に怖がってほしいらしい。
だが私には先生を怖がるという気持ちがまるで湧かなかった。
「なあ?」
先生の息が耳にかかった。
「んっ」
くすぐったさに身をよじる。
「俺はお前を好きにできるんだぞ。お前はそれに碌に抵抗できない。これでもか?」
「ふぁ、先生は怖く、ないです」
「そうかよ」
くすぐったく感じていた息が離れた。
「なら、これはどうだ」
先生のおおきくて固い手が体をそっとなでた。
腰あたりだろうか。
「人に無遠慮に体を触られて嫌な気持ちにならないか」
「ん、ん、そんな事、ないです」
詳しく言うとちょっとくすぐったいが。
「こっちは」
「ひゃんっ」
ふとともを触られて変な声が出た。
くすぐったいとは別の感覚が背筋を駆け抜けていって、頭がぼうっとしそうになる。
視界が閉ざされているせいか、いつもより肌が感じやすくなっているのかもしれない。
手つきが昇って来る。
ふともものつけねに向かって。
スカート越しに伝わって来て、何故だかか体がぞくぞくしてきた。
声が震えそうになる。
「そ、それ以上は」
「嫌なのか?」
「だめ、です」
手が止まった。
安堵するような気配が伝わって来る。
「でも、あの別に怖いとかじゃなくって、変な感じがしたから。先生の事が嫌いになったわけじゃないですから」
「はぁー」
長い溜息を疲れた。
先生はそのまま何も言わずに、部屋を去ってしまった。
「え、あの、待ってください」
このまま放置?
信じれらないが、先生はそのまま部屋を出て行ってしまったようだ。
何か怒らせてしまったのかもしれれない。
早めに機嫌を直して、戻ってきてくれればいいのだが。
そう思っていたら、窓が動く気配。
誰かが部屋に入って来る。
「誰?」
声をかけても返事がない。
「誰なの」
誰か分からないその人物は近づいてきて、私の近くになった。
「貴方は?」
返答はやはりなかった。
正体不明の誰かがこの部屋の中にいる。
それを考えると、なぜだか先程までまったく考えなかった恐怖が、心に湧き上がって来た。
怖い。
とても怖かった。
正面に立った誰かが乱暴にこちらの肩を掴んできた。
「いや、離して!」
私は碌に抵抗もできない。
気配が近づいてくる。
「助け、むぐっ」
声を出そうとしたら、口をふさがれてパニックになりかけた。
頭に手をそえられて何をされるのかと思って、恐怖に視界が濡れてきた頃に、それが外された。
目隠しだ。
先生のか顔が目の前にあった。
「ったく、これで少しは懲り」
「せ、せんせぇーっ!」
「うおっ、おっ、お前っ」
私は何も考えずに泣きじゃくっていた。
「そ、そんなにだだったか。や、やり過ぎちまったか、俺。まじかよ」
「ひっく、ぐすっ。怖かったんですから。ばかっ。うっ、ぐす」
椅子から解放されたら、子供の様に先生にしがみついて大泣きしてしまう。
「わ、悪かった。だから、おい、泣くな。ばか野郎」
「ばかは先生です、ひどいです、すっごく怖かったんですから。ひぐっ」
「悪かったっていってんだろ、あーもう」
頭をなでられたり、背中をささすられたり、面倒を見られっぱなしで普段とはまったく逆だった。
後でそんな光景をニオに見られて「ステラちゃんが変態鬼畜ドエス教師に襲われてるー!」と叫ばれるのだが、その時はまだ知らない事だった。
0
お気に入りに追加
7
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

シチュボ(女性向け)
身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。
アドリブ、改変、なんでもOKです。
他人を害することだけはお止め下さい。
使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。
Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ

俺を襲ったのは優等生だった
加藤 忍
恋愛
四月に高校生になった宮村裕二はある日購買の帰りに何気なく屋上に向かった。屋上には誰もおらず、街の風景だけが一望出来た。友達と昼を共にする約束をしていた裕二が扉に向かおうとするとその付近に倒れている人を見かける。近くとそれは入学式の際に見た優等生だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる