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01 「学校生活」オリ設定 オリ世界観

メイド

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 文化祭でメイド喫茶をした。
 とてもお客さんから大好評だった。

 大勢のお客さん達が来たので、学校内では、私のクラスが一番の売り上げだったかもしれない。

「ふふっ」

 私は今日の盛況ぶりを思い返しながら、お店で出たゴミを片付けていた。

 校舎の裏にある資材置き場に運んでいく。

 ここに言ったんまとめてから、後で処分するらしい。

「これで、最後ね」

 クラスに戻ろうとすると、ごみを持って歩いてきた先生と目が合った。

「あれ、他にも何かありましたか?」
「ああ、隅の方に忘れられてたのがな。ったく、おかげで俺がこんなとこまで来るはめになったじゃねーか」
「大した距離じゃないじゃないですか。それくらい文句言わないでください」


 先生はゴミを指定された場所に置いて一息つく。

「つーか、お前、その服まだ着替えてなかったのか」

 その服、というのは私のメイド服だろう。

「後片づけで汚れるんですから、着替えなくても良いかなって。それに脱ごうとすると、他の子がもうちょっと来ててって言うんです」
「ああ、お前見た目はそれなりに良いからな」
「えっ?」

 先生の口から出た言葉が過ぎて、私は驚きの声を上げた。

「お前はいまいち実感してねぇみてぇだけどな。お前に声かけてくる野郎共は皆、お前の見た目につられて喋りかけてきてきてるようなもんだ」
「そういうものなのかしら」
「ったく」

 そう言われても、私にはそういう事はよく分からなかった。

 私は目の前の人に「先生もそうなんですか」そう聞いてみる。
 すると、「馬鹿いえ」と頭をこづかれた。

「お前、誰でもいいからどっか適当な男子の前に膝ついて「おはようございますご主人さま、本日は私になんなりと申しつけ下さい、何でもします」って、上目遣いで言ってみろ。野郎共、自分が人間である事を瞬時に忘れるぞ」
「なんですか、それ? 人間じゃなくなったら何になるんですか?」
「さあな、狼とかじゃないか」
「特殊能力?」
「違ぇ」

 首をかしげていると、ちょうど良く別の男子生徒がやってきた。

 図ったようなタイミングだ。
 これは、つまり実験してみろという事だろうか。

 私はとりあえず話かけてみた。

「あの、ちょっといいかしら」

 そういって、膝を突こうとしたら、なぜか先生に首をホールドされて止められた。「この、大間抜け優等生がっ!」

 しゃがめない。

 先生は不思議そうにしている男子に向けて、「ああ、何でもない、どっか行っとけ!」不機嫌そうにさっさと用事を済ませるように言って、追い払った。

「お前っ! 本当にやろうとする奴があるか、馬鹿かよ」
「先生がやれって言ったんじゃないですが」
「やったらどうなるかって事ぐらい想像しろよ」
「そもそも分からないから、やろうとしてたんじゃないですか!」

 私達はそんな事を言い合って、肩で息をした。

「他の人が駄目なら、言い出しっぺの先生が実験台になってください」
「は?」
「それなら、良いんでしょう?」
「良いも何も」

 相手の反論を待たずに、私は先生の前に膝をついた。
 スカートが土でよごれてしまうが、少しの間だけだし、後で払えば問題ないだろう。

 これで、……そういえば何て言えば良いんだただろうか。
 あまりしゃべったことのない言葉だったので、忘れてしまった。

「あの、えっとご主人様、良かったら私に何でもしてください?」
「ぶっ!」

 先生がむせた。

「げほげほっ!」
「だ、大丈夫ですか、先生」
「お前、歩く凶器だな」

 この時話した先生の言葉の大半の意味が、私には分からなかった。


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