ザ・ライト文芸(女性向け) 短編まとめ場所

透けてるブランディシュカ

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〇40 その日は幸福な一日

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 学校の帰り道、にこにこしてたら隣を歩いていた友達が聞いてきた。

「なにかいい事あったの?」

 そうそう、そうなの、聞いて聞いて。

 今日は幸福な一日だったの。

 なんていったって、普通。

 不幸な事が一つもおこらなかった。

 普通の時間に家を出て、普通にバスに乗って、普通に学校に到着。

 普通に授業に出て、普通にお昼ご飯を食べて、普通に下校。

 トラブルっぽい事は起きなかったし、誰かからイジワルされる事もなかったし、ドジもしなかった、予想外も出来事もなし。

 それは、ザ・普通。

 なんて普通ってすばらしいんだろう。

「いや、それで満足する人間の方が希少だけどね」

 そんな事ない。

 普通がどれだけすばらしいものなのか、みんな分かってないのよ。

 変に刺激を求めちゃだめだよね。

 もっと堅実な所から手を伸ばさないと。

 みんなは、刺激的な毎日がいいって思うかもしれないけれど。

 当たり前の事が当たり前にできる幸せって、馬鹿にできないものだよ。

「人生何十年生きてるのって言葉だね」

 失礼な。私はまだ華の十代です。

「はいはい」

 はぁ、今日はほんと何もなくてよかったよ。

 だって、私ドジ体質だから。

 普通に過ごしてるだけで不幸な事が起きちゃうし。

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