ザ・ライト文芸(女性向け) 短編まとめ場所

透けてるブランディシュカ

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〇31  違和感のある人物

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 温泉の脱衣所で服を脱ごうとしたとき、私は何かに違和感を感じた。

 おかしい。

 確かに何かがおかしい。

 けれど、それをはっきり形にする事ができない。

 首をひねって、考えてみるが、特に変な事は見つからない。

 脱衣所にはほかに一人の女性客がいるだけだ。

 景色にもおかしい所はない。

 きちんと清掃されていて、清潔な室内だった。

 私は気のせいだったか、と思いながら服を脱ごうとした。

 しかし、その瞬間なぜか嫌な予感を感じた。

 なぜか強く、服を脱いではいけない、とそう思ったのだ。

 慌てて周囲をきょろきょろ、視線を向けてみるが、もう一人の女性はこちらを見ていなかった。

 ただ歩いて、室内に落ちていたゴミを拾ってゴミ箱に捨てただけだ。

 なんだろう?

 もやもやとした気持ちを抱えていた私は、あちこち視線を向けているうちに気が付いた

 脱衣所にいるもう一人の女性客。

 その女性が、ゴミ箱に足をぶつけた時の声の違和感に。

 私はあわてて脱衣所を出て、お店の人に伝えた。

「男の人が女装して入ってきてるかもしれません」



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