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〇04 肩を叩くもの

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 会社からの帰宅途中。
 デスクワークで凝った肩をほぐしながら帰宅する私は……。

 とんとん。

 肩を叩かれた。

 私は振り向く。
 しかし、そこに人影はない。

 肩を叩かれたから、後ろを振り向いた。
 なのに誰もいない。
 気配だけがあった。

 腑に落ちないけれど、いつまでも振り向いたままではいられない。
 だから、前を向こうと思った。

 そしたら、肩を叩かれた。
 もしかして、私が振り向くのにあわせて移動し、前にまわりこんだ?
 私はもう一度振り向く。
 けれど、そこには誰もいない。

 ひょっとしてからかわれている?
 今度は、肩を叩かれる前にいきおいよく振り向いた。
 けれど、そこには誰もいなかった。
 どういう事。

 私は混乱してしまう。

 そうこうしているうちに、肩を叩かれた。
 私は振り向く。

 そんな事が何度もあって、疲れてしまった。

 いい加減にして!
 悪戯ならもうやめて!

 そう叫んだけれど、反応はない。

 私は肩を叩かれても、無視をすることにした。
 そのまま、歩いてく。

 そしたら、うるさい音がひびいてきた。

 一体何事?

 疑問に思っている間に、横合いから急に飛び出してきた何かが私に勢いよくぶつかった。

『ダカラ、ヒキトメタノニ』







 バイクで暴走した少年たちが、帰宅途中の女性会社員に衝突。
 被害者は、意識不明の重体。
 過去に同様の事件が発生。

 警察は、同時間帯に地域の見回りの強化を検討。






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