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〇49 大切なものがいなくなったから悲しむ

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 大切なものがいなくなってしまった。

 かけがえのない存在だった。

 代わりなどきかなかった。

 だから、決して死なせてはならなかった。

 どうしてこんな事になったんだ。

「どうして目を離したんだ。一人で行動させるなとあれほど言っただろう!」

 俺は部下達を叱責する。

 失ったものはもどらない。けれど、無意味だけれどそうせずにはいられなかった。

 昨日とはうってかわって、研究所内は慌ただしい。

 みな、対応に追われていた。

「国の要人の訪問!? 後にしろ!! 記者が押しかけてきている!? 何をしてでも追い払え!」

 生贄が死んだ。

 自分で。

 命を絶った。

 大切な存在だったのに。

 代わりの生贄なんて用意できないのに。

 もうすぐこの世界には、破滅をもたらす邪神が復活する。

 破滅を回避するには、聖なる魔力を体内に宿した生贄を差し出して、邪神に食わせる必要があった。

 そうならないために、大切に育ててきた。

 頑張って、手間暇かけて調整してきた。

 辺境の地までわざわざ足を運び、素質のあるものを見つけて、ここで保護していたと言うのに。

「誰だ! 生贄にする事を喋った奴は! 特殊な病気の治療と伝えろとあれほどいっただろう!!」

 大切な存在はもう戻らない。

 その場に崩れ落ちた。

 もう終わりだ。

 破滅するしかない。

 自分達を助けてくれる、大切な存在はいなくなってしまった。


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