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〇05 狙われ過ぎる勇者様

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 俺は勇者。
 しかし、俺はひと月前までは、平凡な村人でした。

 色々あって聖剣を引っこ抜いてしまった為、劇的なジョブチェンジ。
 僭越ながら勇者というものをやらせていただいています。

 だけど、この勇者というお仕事がもう大変。
 朝から晩まで、敵対勢力に狙われるではありませんか。

 夜は眠るものなのにまったく眠れません。

 話が少しそれますが、この世界は人間と魔族と、妖精と鬼族と、ドワーフとエルフと、悪魔と天使と、死霊と生霊と、その他ものもろで争い合っているため、超世界大戦が起こっています。
 あまりにも各自争い過ぎているため、「もう誰が誰の敵だか分かんねぇっ」「なら、いっそ全員敵だ!」状態です。

 そんなとんでもない世界の中で、伝承にあった「争いの火を鎮めし者」、すなわち勇者として選ばれてしまった俺は、とんでもない目にあるのが必然という事ですね。

 はぁ。

 勇者ライフは大変ですよ。

 まず、手始めに各勢力に襲撃されます。
 その次に、毒を盛られたり、不意打ちされたり、騙されたりもします。
 さらには、トラップをくらわされたりも。

 目の前で子供が転んでも、すぐにかけつけてはいけません。
 闇組織に教育された刺客かもしれませんから。

 宿屋で休んでいるからといって、リラックスしていてはいけません。
 大金を握らされた従業員が寝込みを襲ってくるかもしれませんから。

 味方だからと言って、時刻の兵士や騎士などに安易に背中を見せてはいけません。
 弱みを握られていたり、操られているかもしれません。

 そんな難易度ナイトメアな日常を送っている俺の夢見は、まさにナイトメア。

 混迷極めた今のこの世界で、勇者程大変な職業ってないだろうな。


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