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〇69 アニマ世界の侵略者

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 今はもう亡き世界。

 アニマというその世界では、魂を汚染する生物。蝕吟グールがはびこっていた。

 そんな世界にいるピネスという少女とフレンダという少女がいた。

 ピネスは、毎日聖なる力を発揮して、蝕吟を討伐していた。

 しかし、蝕吟は増え続けるばかりだった。

 ピネスは友人であり、神官でもあるフレンダに尋ねる。

 この蝕吟は一体どこからやってくるのか、と。

 しかしフレンダには答えられない。

 神官である彼女は、様々な事を見通す事ができたが、蝕吟の事だけは分からなかったのだ。

 やがて、アニマ世界の全てが、蝕吟に侵されていった。

 世界中の人々の魂が蝕まれていく。

 世界の滅亡も秒読みかと思った時、ピネスは小さな箱舟を見つけた。

 それは、顔も知らない誰かが作った物。

 箱庭の表面には、「ザックス」「ドライン」と書かれていた。

 ピネスは、名前しか知らないその人達に礼を言い、フレンダを連れてきた。

 アニマ世界はもうじき駄目になる。

 だからピネスは、友達であるフレンダだけでもこの世界から脱出してほしいと言った。

 しかしフレンダは首を振った。

 やがて、この世界からあふれた蝕吟は、別の世界にも影響を及ぼす。

 ならば、逃げても無駄だと。

 フレンダは最後まで友人と共に、運命に抗う事を誓った。

 やがて彼女達も遠からず力尽きたが、誰も操縦していない箱舟が動き出した。

 その箱舟は、かつて人であった残骸を拾い集めて、ボロボロの船体を動かし、アニマ世界を脱出した。

 そしてやがて船は、終わりのない惨劇が満ちる世界へとたどり着いた。

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