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〇07 終焉を呼ぶ魔女

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 その魔女は世界の終わりを呼ぶ存在だった。

 だから「魔女が生まれたら殺す」。

 それがその世界の常識だった。

 しかし、その行為をためらった者達がいた。





 その夫婦は、やっと授かったその子供を殺す事ができなかった。

 やがて、世界に害をなす存在になると分かっていても、愛を注がずにはいられなかった。

 だから、魔女となる存在はすくすくと育ち、愛らしい女性になった。

 そのまま、普通の人間として生きていけると思うほど、その女性をとりまく日々は平穏だった。

 しかし、彼女は魔女。

 ある日、その体に秘めた魔の力を暴走させてしまう。

 そして、彼女は大切な人も、住んでいた故郷も失ってしまった。



 危険な魔女。

 恐ろしい魔女。

 やっかいな魔女。

 驚異的な魔女。

 憎むべき魔女。

 忌むべき魔女。

 死すべき魔女。



 世界中の人が、その魔女を討伐しようと、魔女の元へ押し寄せた。

 魔女は死にたくないから、それらをすべて叩きのめす。

 涙をこぼしながら、叩きのめす。

 仲良くしたかったと、叩きのめす。

 ただ生きたかったのにと、叩きのめす。

 そうして、最後の一人を叩きのめしたとき、全ての人類が死滅した。

 魔女の日々に、静寂が訪れた。

 危機はもうない。

 しかし、平穏も、もう訪れない。


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