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第三章
24 代償
しおりを挟む逃げたあいつをおいかけて、黒幕をいぶりだした。
ステラ「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ステラの口から絶叫がほとばしる。
あいつの彼氏だった人間は死んだ。
たった今命を落とした。
ステラを洗脳していた人間は、正義の名のもとに追い詰められ、下手に逃走しようとしたから捌かれたのだ。
ステラ「いや、いや、そんなの嘘よ。死なないで、お願い。私を一人にしないで」
取り乱すステラの様子は、悲しいほどに哀れだった。
たった一人、誰もいない世界に取り残されたかのように。
迷子になった幼子の様に、ただ心細げで悲しげで、頼りなかった。
ステラ「貴方がいてくれなかったら、私は誰を信じればいいの。誰も、信じられない。この世界には、私の敵しかいないのに。ねぇ、お願い、私を一人にしないでよ……」
ツヴァイ「ステラ」
俺は泣き叫ぶステラを抱きしめる。
ツヴァイ「俺がいるだろ。頼れよ。お前は一人じゃない」
ステラの方が言葉に反応して動く。
だが、その後に紡ぎ出された言葉は、俺の予想した言葉ではなかった。
ステラ「あぁ、あああああああああ!」
のどが裂けんばかりの絶叫。
心が壊れると思った。
ツヴァイ「ステラード!」
このままだとステラは死ぬ。
俺はやむなく、フェイトを自白させるための薬の一つを使った。
ステラ「――フェイト、生きてたの?」
正気に戻ったステラが声にしたのは、つい先ほど死んだ人間の言葉だった。
ステラ「そうよね。死ぬわけない。彼が私を残して死ぬわけないわ。だって、約束してくれたもの。ねぇ、そうでしょう」
ツヴァイ「お前」
ステラは心から安心したような表情で、俺に笑いかける。
ステラ「ずっと一緒って、ね?」
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