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12.素直な心《1》
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「ミリー今いいかい?」
遠慮がちな声…
(…お義父様だわ…)
机にいると変に思われるだろうと急いでベッドへ戻り返事をする
「はっ、はい…大丈夫です…」
ガチャ
「ミリー…噴水に落ちたと聞いたよ。おてんばさんだね。大丈夫かい?」
キャラメル色の髪に青い瞳の長身イケおじが心配そうな顔をしている。
このイケおじこそが私の現在の父であり、このルビリア公爵家の現当主である、ウォルト・ルビリアだ。
お母様と少しだけ歳は離れているが、長身でイケメン、陛下の側近となると引く手あまたな気がするが、なぜ母と結婚したのだろうか…
(ってそんなこと考えてる場合じゃなかった…)
「…メイは?メイは…大丈夫なのでしょうか?」
驚く顔を見せるお義父様。
だが、すぐに表情を戻し、
「…メイは少し熱が出ているが、部屋でぐっすり寝ているよ。なぜ、そのようなことを聞くのかい?」
その時、過去の私を思い返す…
(確かあの時…)
ーーーーーーーーーーーーーー
『お義父様!メイったら酷いのよ!走ってきて私を突き飛ばしたのです!!』
『そうかい…そのようなことがあったのだね…』
ーーーーーーーーーーーーー
あの時…確かにお義父様は微笑んでいたけど
前世の記憶のおかげで今なら分かる。
あの顔は完全に嘘を見抜いている顔だ…
そりゃそうだ。たかだか10歳の嘘なんて全部お見通しだろう…
(たぶん…事情を知ってる上で私を試していたのだわ…)
お義父様は困ったような何か見透かしているようなそんな顔で私を見つめている
…私には使命がある。
そして何より、前世の記憶が強い今…
(いじめ!!!!だめ!!!!絶対!!!!)
「お義父様…私…」
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