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坂を下る途中、真理恵は歩道に立てられた幟を見つけ、小さく微笑んだ。
その幟には本日近所の神社で開催される小規模なお祭りの案内が印刷されていた。
小白と祭りに行く約束をしていたマリエは子供のように喜んだ。
通勤中、会社に行くのが全く苦にならない。行きたくないとか疲れているとかそんなことはまるで感じなかった。こんなことは生まれて初めてだった。
真理恵が会社の最寄りの駅で降りるとそれを見つけたシングルマザーの松下が話しかけてきた。
「おはようございます。なんだか楽しそうですね」
「あら。分かるかしら? なんていうかその、こういうことって初めてなの。なにも問題を気にせずに楽しいことだけが待ってるっていうのが」
「ええー。いいなあ。それってすごく幸せってことですよね」
「幸せ……。ええ。そうね。そうかもしれない」
真理恵は松下の言葉に納得した。自分は今幸せなのだと思うと少し照れてしまう。
それから会社に着くまで真理恵は今日小白とお祭りに行くことを松下に話した。楽しい予定がある。それだけで今日は一日気持ちよく生きられる気がした。
その幟には本日近所の神社で開催される小規模なお祭りの案内が印刷されていた。
小白と祭りに行く約束をしていたマリエは子供のように喜んだ。
通勤中、会社に行くのが全く苦にならない。行きたくないとか疲れているとかそんなことはまるで感じなかった。こんなことは生まれて初めてだった。
真理恵が会社の最寄りの駅で降りるとそれを見つけたシングルマザーの松下が話しかけてきた。
「おはようございます。なんだか楽しそうですね」
「あら。分かるかしら? なんていうかその、こういうことって初めてなの。なにも問題を気にせずに楽しいことだけが待ってるっていうのが」
「ええー。いいなあ。それってすごく幸せってことですよね」
「幸せ……。ええ。そうね。そうかもしれない」
真理恵は松下の言葉に納得した。自分は今幸せなのだと思うと少し照れてしまう。
それから会社に着くまで真理恵は今日小白とお祭りに行くことを松下に話した。楽しい予定がある。それだけで今日は一日気持ちよく生きられる気がした。
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