上 下
11 / 11

第11話

しおりを挟む
 肌の水気を拭い、バスローブを羽織ろうと思ったが、ベッドの近くのハンガーから外してくるのを忘れていた。とりあえず、髪を乾かそうとドライヤーを手に取る。
 こうやってゆっくりと髪を乾かすのも久しぶりだ。洗面所から出ると、亮がベッドに寝転がってスマートフォン、しかも社用の方を眺めていた。バスローブはいっかとその横に裸のまま滑り込み横顔を眺める。
 嫌々といいながらも、休日にしっかり業務連絡を確認する、仕事向きの顔をした亮の顔はいつもより少しかっこいい。
 しばらく待ってスマートフォンを置いた亮の頬に軽く口づけた。
 亮は私に覆いかぶさって「しよか」と小さくいった。私は小さく頷く。
 舌が耳や首筋をゆっくり這う。久々のするぞって感じの雰囲気に少しばかり置いていかれている気がした。いざとなって怖気づいてるみたい。
 目があって恥ずかしくて目を閉じた。唇が触れあい、伸びてきた舌が唇を舐める。口を開いて招き入れれば、ゆっくりと絡みあう。
 すごくすごく時間をかけて、亮は私に愛撫をした。
 身体の隅から隅まで舌を這わしていくのに、敏感なところにはなかなか触れてくれない。
 ゆっくりと焦らされるような思いをするのも時間があるからこそなんだけれど、早く進めて欲しいという気持ちが湧いてくる。さっさと終わらせたくはないのに。
「あっ……、んぅっ」
 よほど焦がれていたのか乳首に絡まる舌に声が止まらない。
 亮が舌を離すと、私は起き上がって大きくなっているモノに触れた。
「んぅっ」
 切なげに声を漏らす亮の乳首に舌を這わせる。
 つんと立つ小さな乳首に吸いついて、舌をまとわりつかせる。指先で玉袋から棒の先まで撫で上げる。
 ビクビク反応しながら汁を垂らすその棒が、早くキスをしてとせがんでいるようで、私は乳首から下って先端にキスをする。
「あぁっ」
 暴れる棒の根元を掴んで、唇についた汁と先端から溢れる汁を舌を出して舐めとる。
 口に含んで少しずつ奥までくわえこんでいく。亮は私の左右の乳首を摘まんでこねくり回す。
 そこから伝わる快感が、すでに溢れんばかりの蜜をしたたらせている蜜壺に、さらに蜜を溢れさせていく。
 触られていないのに腰が動いた。ずっとおあずけされていたから、こんなに淫らに腰を振ってしまうのだろうか。
 ベッドが濡れてしまうことも気にせず、唾液はながれるままにジュボジュボとフェラを続ける。腰を振り出した亮は、私の陰部に触れようと手を伸ばした。
 背中を丸めて腰を近づける。ヌルヌルになっているそこから卑猥な音が漏れる。
「溢れてる……。そんなに興奮してるの?」
 恥ずかしくて何も答えられなかった。
「僕はすごく興奮してるよ」
 そういうと亮はそこから手を離して、私をころんと転がした。
 上に覆いかぶさる亮。目の前には唾液と我慢汁で光るモノが揺れている。
 ジュルルルルっ……。
「ひゃぁっ」
 いきなり割れ目を吸われて変な声が出てしまう。お返しとばかりに揺れる棒にむしゃぶりついた。
 そこからはお互いに、イキそうになれば愛撫を弱めることを繰り返し、少しでもこの互いを気持ちよくする時間を長くしようとしていたがついに限界がきた。
 上で舐めていた亮が口を離して向きを変え、私の足を大きく開いてその間に膝をつく。
「入れていい?」
 生ではしないかなと思っていただけに驚きつつも、大きく頷き手を伸ばした。
 棒に手を添えて穴に狙いを定めた後、私の手を取って体を倒し肘をつく亮。指が絡みあい、私の中にゆっくり入ってくるモノを感じた。
 久しぶりに受け入れた亮のモノで中がいっぱいになる。
「三人目ができたら嬉しいよな」
 亮が呟いてからゆっくりと動き出した。亮も同じ気持ちだったのが嬉しかったけど、中が気持ちよすぎて何もいえなかった。
「ゆり、愛してる……」
「うん……」
「中、すごく気持ちいいよ」
「あっ、あぁっ。気持ちいっ」
 たくさんの愛の言葉を降らしながら、亮はじんわりくちゅくちゅと腰を動かす。
 昔のような激しさはないけど、今の方が気持ちよく、長く深く繋がれているような気がする。
 じわじわと大きくなっていく快感をこらえることができなくなってきた。
「あっ、イキそうっ……イクイクッ」
 亮に腰を押し付けて、指を絡ませながらつなぐ手を強く握った。
「あっ、あぁっ……、はぁっはぁ……」
 荒くなった息が苦しい。体をまだ快感の波が押し寄せてくる。
「ごめん、止まれない」
 亮がそういってピストン運動を早くする。
「ゆり……」
 顔が近づき、開かれた唇が迫ってくる。激しく舌を絡ませあいながら、亮は私の中に子どもの種をまいた。

 久しぶりに子どもたちを気にすることもなく、たくさん愛し合って、求められて私は改めて思う。
 結局私は一人の女なのだ。女として求められることがこんなに幸せに感じるなら、そう認めるしかない。
 子どもが生まれ、母親として子を守り、育てていくことが最優先事項になり、それは今も変わらないけれども、それ以前に私は亮の妻であった。その前は、ただ亮の彼女であり女であった。
 女を捨てたわけでは決してない。
 それでも、過ぎてく日々に忙殺されて、ただ母親であって亮は子育てのパートナーだった。
 でもたまにはこうして、何もかも一旦横によけておいて、最初の関係のように戻るのも大事だと実感する。親としてだけではなく、互いが必要だと強く思う。
 私と亮は元から親であったわけじゃなく、出会ってから段階を踏んでここまできた男と女であり、夫婦であり、親であるのだから。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

おもらしの想い出

吉野のりこ
大衆娯楽
高校生にもなって、おもらし、そんな想い出の連続です。

先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…

ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。 しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。 気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…

人妻の日常

Rollman
恋愛
人妻の日常は危険がいっぱい

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

夜の公園、誰かが喘いでる

ヘロディア
恋愛
塾の居残りに引っかかった主人公。 しかし、帰り道に近道をしたところ、夜の公園から喘ぎ声が聞こえてきて…

処理中です...