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第3章
純白のドレス
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ふたりは婚姻の儀を済ませ、正式に夫婦となった。印を交わすだけなので時間は掛からない。あっけないものだ。スズカにも記載される。そしてその夜には披露宴パーティーが行われる。すべてリエが率先して進めてくれたのでリリスはなにもしていない。邸にはたくさんの料理とお酒に、果実のジュース、甘いお菓子、音楽隊の音色、ビュッフェ方式でパーティーは行われる。
リリスは真っ赤な花嫁衣裳を着て家族の前に姿を表す。
「リリス、おめでとう。とってもキレイよ」
「おめでとう、リリス」
父と母から祝辞を貰う。
バルからは「キレイだ…」と言って貰えた。
招待した人もほとんど来てくれた。ジンも来てくれた。ジンとはプロポーズを受けたが3日後に断っている。
「リリス、おめでとう。今日はリリスがどんな奴を選んだのか見に来たんだよ」
「ありがとう、ジン。バルは素敵な人よ」
「リリスは、必ず俺が守るよ」
ハズやマナ、ルキ夫妻にカヤ夫妻、ポポス夫妻に孫、セドとパートナー、キキ、オズは料理長として参加している。他にもリエの知り合いや、キースの同僚など招待をして一緒にお別れ会の要素も入れたのだ。バルからはご両親とディルイ夫妻が来てくれた。ディルイの妻はバルの元婚約者になる。少人数のつもりがけっこうな人数になってしまった。
それに意外な所からムカイとパートナーが来てくれた。ムカイは数年前に王都の冒険者ギルドに移っていた。ムカイからはルキの披露宴パーティーの時に王都に移ったと聞いていたが、ニールの飯屋でときどき会っていた時にはパートナーの話はしていなかった。
「アミ?あのアパートにいた?ムカイと結婚したのね」
「ええ、私…ちょっと色々あって男性不信というか、人間不信みたいになって…。色々と噂されて…それで王都に。その時にムカイも一緒に行ってくれるって言うから、ふふ」
ムカイは照れくさそうにしている。ムカイがパートナーの話をしなかったのはアミが人間不信から改善されていなかったからだろう。アミは少しずつ王都での生活や仕事が落ち着いてきたので今回パーティーに参加してくれたようだ。人間不信にさせたのはジョセフだろう。なんか申し訳ない。
パーティーの中盤になる頃、リリスは席を外した。しばらくしてバルも席を外す。そして、バルにエスコートされながら再登場するのだ。憧れの純白のドレスに身を包んで。
リリスは注目されるのが苦手だ。でも披露宴というのは最初で最後のなにもない女の子が主役になれる日だ。前世からそう思っていたし、今でもそう思っている。なので今日は精一杯に主役にならせて貰う。
ゆっくりと来賓客の前に現れたバル夫妻。楽しい音楽隊のメロディーがゆっくりとしたメロディーに変わる。純白のドレスを着た花嫁を演出する。
本当はキースにエスコートをされて登場し、バルに渡すとかしたかったが、「なぜだい?」と言われ説明が出来なかった。なので最初からバルのエスコートなのだ。
曲調が急に変わり、来賓客たちはなにが始まるのかとしんとなった所で純白の花嫁の登場に驚いた。赤が主流の花嫁が真っ白な下着のような装いをしているからだ。
しかし、リリスの肌の露出もない。下着に見えるかもと思い露出は控えたのだ。首元からデコルテまで細やかなレース、胸元から身体のラインに合わせ、マーメイドドレスに仕上げた。身長が高いリリスに裾の広いドレスは似合わない。そして、薄い透けるようなベール。やはり白いベールは女の子の憧れ、ドレスより長いベールをリエに持ってもらいゆっくり移動する。ケーキカットなどない、カメラもないので撮影会で写真を撮ることもない、ただ見て貰うだけなのだが。
なぜ、なにも言わないの?普通こういう時ははわあ、キレイとか素敵な花嫁さんね、とか言わない?あ、ダメだったか…やはり受け入れられないか…心が折れそうだ。やっぱりハレンチに見えるのだろうか。
笑顔が引きつる。
「リリス、大丈夫だ。そのまま堂々と笑顔でいてくれ、大丈夫だから」
なにが?この状態のなにが大丈夫なのか
バルは笑顔で励ましてくれる。
そして、ゆっくりと歩いて来賓客の中央に着いた
「…なんて、…」
ルキが開口一番に話し掛ける。
「真っ白なドレスなんて…白のお衣装なんて初めて見たわ、リリス。素敵よ」
ルキは口元を抑えながら近づいて来る。その言葉につられ女性陣が次々と近寄って来た。
「ありがとう、ルキ」
「白いお衣装は外国では花嫁の色なのだそうよ。だからリリスも白のドレスを着てみたいって、初めて我が儘を言ってくれたから、頑張ったわ」
リエが白のドレスの経緯を説明する。そうすると、ようやく男性陣もほっとしたようにそういうドレスもあるのかと安心したようだった。
「な、大丈夫だっただろう。俺はこの姿を見た時から心を奪われている。だから大丈夫だと思ったんだよ」
バルは前日にその純白のドレスを着たリリスを見ていた。その時から純白のドレスのリリスに釘付けのようだ。
「リリス、素敵な夜をありがとう。その白いドレスでとても幸せな気分になったわ。どこかの国に落ち着いたら絶対に知らせてね。その国にお店を出すわ。絶対に遊びに行くから!」
「わかったわ、ルキ。相変わらず商売っ気が多いんだから」
「リリス、本当に素敵。私も結婚したら白のドレスを着るわ。どこの仕立て屋さん?これは売れるわ」
「ありがとう、マナ。マナの披露宴パーティーの時は帰って来るわ。ぜひ、知らせてね」
ひとりひとりにお見送りをしてたくさんの称賛と祝辞を頂き、無事ふたりの披露宴パーティーは終わりを迎えた。
男性からは、なかなか白いドレスは受け入れがたかったようだが、女性たちからはすぐに受け入れられ、マナ辺りが全面的に商売にしそうだ。しばらくはリエのお抱えの仕立て屋さんが繁盛しそうだ。
リリスは真っ赤な花嫁衣裳を着て家族の前に姿を表す。
「リリス、おめでとう。とってもキレイよ」
「おめでとう、リリス」
父と母から祝辞を貰う。
バルからは「キレイだ…」と言って貰えた。
招待した人もほとんど来てくれた。ジンも来てくれた。ジンとはプロポーズを受けたが3日後に断っている。
「リリス、おめでとう。今日はリリスがどんな奴を選んだのか見に来たんだよ」
「ありがとう、ジン。バルは素敵な人よ」
「リリスは、必ず俺が守るよ」
ハズやマナ、ルキ夫妻にカヤ夫妻、ポポス夫妻に孫、セドとパートナー、キキ、オズは料理長として参加している。他にもリエの知り合いや、キースの同僚など招待をして一緒にお別れ会の要素も入れたのだ。バルからはご両親とディルイ夫妻が来てくれた。ディルイの妻はバルの元婚約者になる。少人数のつもりがけっこうな人数になってしまった。
それに意外な所からムカイとパートナーが来てくれた。ムカイは数年前に王都の冒険者ギルドに移っていた。ムカイからはルキの披露宴パーティーの時に王都に移ったと聞いていたが、ニールの飯屋でときどき会っていた時にはパートナーの話はしていなかった。
「アミ?あのアパートにいた?ムカイと結婚したのね」
「ええ、私…ちょっと色々あって男性不信というか、人間不信みたいになって…。色々と噂されて…それで王都に。その時にムカイも一緒に行ってくれるって言うから、ふふ」
ムカイは照れくさそうにしている。ムカイがパートナーの話をしなかったのはアミが人間不信から改善されていなかったからだろう。アミは少しずつ王都での生活や仕事が落ち着いてきたので今回パーティーに参加してくれたようだ。人間不信にさせたのはジョセフだろう。なんか申し訳ない。
パーティーの中盤になる頃、リリスは席を外した。しばらくしてバルも席を外す。そして、バルにエスコートされながら再登場するのだ。憧れの純白のドレスに身を包んで。
リリスは注目されるのが苦手だ。でも披露宴というのは最初で最後のなにもない女の子が主役になれる日だ。前世からそう思っていたし、今でもそう思っている。なので今日は精一杯に主役にならせて貰う。
ゆっくりと来賓客の前に現れたバル夫妻。楽しい音楽隊のメロディーがゆっくりとしたメロディーに変わる。純白のドレスを着た花嫁を演出する。
本当はキースにエスコートをされて登場し、バルに渡すとかしたかったが、「なぜだい?」と言われ説明が出来なかった。なので最初からバルのエスコートなのだ。
曲調が急に変わり、来賓客たちはなにが始まるのかとしんとなった所で純白の花嫁の登場に驚いた。赤が主流の花嫁が真っ白な下着のような装いをしているからだ。
しかし、リリスの肌の露出もない。下着に見えるかもと思い露出は控えたのだ。首元からデコルテまで細やかなレース、胸元から身体のラインに合わせ、マーメイドドレスに仕上げた。身長が高いリリスに裾の広いドレスは似合わない。そして、薄い透けるようなベール。やはり白いベールは女の子の憧れ、ドレスより長いベールをリエに持ってもらいゆっくり移動する。ケーキカットなどない、カメラもないので撮影会で写真を撮ることもない、ただ見て貰うだけなのだが。
なぜ、なにも言わないの?普通こういう時ははわあ、キレイとか素敵な花嫁さんね、とか言わない?あ、ダメだったか…やはり受け入れられないか…心が折れそうだ。やっぱりハレンチに見えるのだろうか。
笑顔が引きつる。
「リリス、大丈夫だ。そのまま堂々と笑顔でいてくれ、大丈夫だから」
なにが?この状態のなにが大丈夫なのか
バルは笑顔で励ましてくれる。
そして、ゆっくりと歩いて来賓客の中央に着いた
「…なんて、…」
ルキが開口一番に話し掛ける。
「真っ白なドレスなんて…白のお衣装なんて初めて見たわ、リリス。素敵よ」
ルキは口元を抑えながら近づいて来る。その言葉につられ女性陣が次々と近寄って来た。
「ありがとう、ルキ」
「白いお衣装は外国では花嫁の色なのだそうよ。だからリリスも白のドレスを着てみたいって、初めて我が儘を言ってくれたから、頑張ったわ」
リエが白のドレスの経緯を説明する。そうすると、ようやく男性陣もほっとしたようにそういうドレスもあるのかと安心したようだった。
「な、大丈夫だっただろう。俺はこの姿を見た時から心を奪われている。だから大丈夫だと思ったんだよ」
バルは前日にその純白のドレスを着たリリスを見ていた。その時から純白のドレスのリリスに釘付けのようだ。
「リリス、素敵な夜をありがとう。その白いドレスでとても幸せな気分になったわ。どこかの国に落ち着いたら絶対に知らせてね。その国にお店を出すわ。絶対に遊びに行くから!」
「わかったわ、ルキ。相変わらず商売っ気が多いんだから」
「リリス、本当に素敵。私も結婚したら白のドレスを着るわ。どこの仕立て屋さん?これは売れるわ」
「ありがとう、マナ。マナの披露宴パーティーの時は帰って来るわ。ぜひ、知らせてね」
ひとりひとりにお見送りをしてたくさんの称賛と祝辞を頂き、無事ふたりの披露宴パーティーは終わりを迎えた。
男性からは、なかなか白いドレスは受け入れがたかったようだが、女性たちからはすぐに受け入れられ、マナ辺りが全面的に商売にしそうだ。しばらくはリエのお抱えの仕立て屋さんが繁盛しそうだ。
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