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第3章
神の御業
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リリスは「ポポス」で仕事をしている。相変わらず大きな仕事は来ない。高級1級付与錬金術師の看板があっても所詮元王族、たかが小娘と見くびられているようだ。
なんなら、その称号も王族パワーで取得したものではないかと言い出す輩もいるほどだ。しかし、結局は実績と信用に勝ものはないのだ。
リリスはいつも通り「ポポス」で中級ポーションを作っていた。中級ポーションには実績と信用があるのだ。大通りにある街中のポーション屋からよく発注されている。地道にしていくしかないだろう。
せっせと作業を行っていると店内に女性客が現れた。ここに来る人たちは大抵、貧しい人たちばかりだ。街中で買うと割高のリリ印の中級ポーションだが、この路地裏にある薄気味悪い店にまで買いに来てくれる人には基本のポーションと同じ値段で売っていた。
「ここの青の中級ポーションはよく効くし安いから有難いわ」
青の中級ポーションはひどい頭痛・めまい場合など、体調不良から来るものによく効くとされている。
「ありがとう。それより、サラ。最近頻繁に来るようになったじゃないか…誰か具合の悪い人でもいるかい?」
キキのお母さんのククが店番をしている。サラとは常連さんのようだが、最近よく中級ポーションを買いに来ていた。
「…夫が最近ねぇ。ずっとお腹をさすっているのよ。ここのポーションを飲むと1週間くらいは調子がいいらしいんだけど…」
安いと言っても青のポーションは30ベニーほどする。庶民には少々高い。
「ねぇサラ、一度旦那さんを連れて来てもらえない?もしかしたら高級の方が効くかもしれないわ」
作業場から聞こえてきた話にリリスは提案をする。
「あら、こんにちはリリス。でもうちは高級なんて…」
「内容によっては10銀貨1枚でいいわよ。お得意様だから分割でもいいし」
「10銀貨1枚なら…なんとかなるかしら…」
今度連れて来ると約束してサラは青の中級ポーション購入して帰った。
「リリス、勝手に値段交渉するな。大変な病気だったらどうすんだ」
ポポスはリリスを叱る。
「でも私も高級の仕事をしたいのよ。それには実績が必要よ。それに貧しい人たちからはそんなにお金は取れないわ。近所の貧しい人たちには10銀貨1枚で、ちょっと金持ちにはそれなりに値段を上げたらいいじゃない?」
「な、…人によって金額を変えるって言うかい?!」
ククはびっくりしている。
「ダメ?」
症状なんてわかるはずないから大丈夫だと思うけど…
「…んんっそれはいいが…」
いいのか?
「金持ちが来るとは限らんだろう」
「それは実績と口コミになるわね。病気が治ったらみんな嬉しくて言いふらすでしょ?値段は交渉次第ってことにしてもらわないと困るけど」
ん~とリリスが腕組みをする。
「まあ、いいじゃないの。もうここはリリスのお店のような物なんだから好きにしたらいいわ」
ククは笑いながら応戦してくれた。
もうここは私のお店なのか…?
「いいが…ちゃんと報告しろよ。一人で突っ走るんじゃないぞ」
「はーい」
ポポスの承諾が貰えた。
リリスは高級の材料を確認する。ある程度は揃っている。サラの夫がいつ来ても対応できそうだ。
3日後、サラは仕事が休みだという旦那を連れてきた。サラの夫はカインと言った。歳は40くらいだろうかまだまだ働き盛りだ。顔色も悪くお腹に手をやっている。ポーションを購入してまだ3日だがもう痛いのだろうか?
「ちょっと見せてもらえる?」
カインに店の椅子に座らせお腹を出してもらい触らせてもらう。
リリスは指先に魔力を込める。魔力を通じてカインの内部の様子が感じ取れた。白ちゃんがカインの近くにふわふわと近寄って行く。そして白ちゃんに目をやると光っている。
『おなかがただれてるね』
ただれてるとこれから先どうなるの?
『穴が開く』
なるほど、胃かな?ひどさで言うとレベルでどのくらい?
『ん~レベル7くらいかな』
え?!そんなに悪いの?
『あと半月くらいで穴が開くかな。リリスの魔力ならポーションでなくてもすぐ治せるよ?』
いや、待って。とりあえずポーションを作ってそれで治ったとしよう。手をかざしただけで治るなんて神の御業だよ。
「カイン、お腹の上が方の腫れているみたい。カイン用のポーションを明日までに作っておくから明日また来てくれる?10銀貨1枚でいいから」
胃とかいっても通じないので、雑に説明をする。
「そうかい。確かに腹が張っていると思ったんだよ。ありがとな、10銀貨1枚でいいのかい?安すぎないかい?」
「ちゃんと治ったと思ったら宣伝しといて。ああ値段は言わないでね」
「ははは、わかったよ、じゃまた明日来るから」
白ちゃんと数日前に打合せをしていた。リリスは医者ではないので病状がよくわからない。白ちゃんは魔力を通じてその人の内部が感じ取れるのだそうだ。それもリリスに伝わる。感じ取れたとしてそれがどんな風に悪いのか分からない。そこで1~10のレベルで身体の中のひどさを表すように白ちゃんに頼んでいたのだ。10がMAXで軽いのが1だ。カインはレベル7。
結構悪いな。
なんなら、その称号も王族パワーで取得したものではないかと言い出す輩もいるほどだ。しかし、結局は実績と信用に勝ものはないのだ。
リリスはいつも通り「ポポス」で中級ポーションを作っていた。中級ポーションには実績と信用があるのだ。大通りにある街中のポーション屋からよく発注されている。地道にしていくしかないだろう。
せっせと作業を行っていると店内に女性客が現れた。ここに来る人たちは大抵、貧しい人たちばかりだ。街中で買うと割高のリリ印の中級ポーションだが、この路地裏にある薄気味悪い店にまで買いに来てくれる人には基本のポーションと同じ値段で売っていた。
「ここの青の中級ポーションはよく効くし安いから有難いわ」
青の中級ポーションはひどい頭痛・めまい場合など、体調不良から来るものによく効くとされている。
「ありがとう。それより、サラ。最近頻繁に来るようになったじゃないか…誰か具合の悪い人でもいるかい?」
キキのお母さんのククが店番をしている。サラとは常連さんのようだが、最近よく中級ポーションを買いに来ていた。
「…夫が最近ねぇ。ずっとお腹をさすっているのよ。ここのポーションを飲むと1週間くらいは調子がいいらしいんだけど…」
安いと言っても青のポーションは30ベニーほどする。庶民には少々高い。
「ねぇサラ、一度旦那さんを連れて来てもらえない?もしかしたら高級の方が効くかもしれないわ」
作業場から聞こえてきた話にリリスは提案をする。
「あら、こんにちはリリス。でもうちは高級なんて…」
「内容によっては10銀貨1枚でいいわよ。お得意様だから分割でもいいし」
「10銀貨1枚なら…なんとかなるかしら…」
今度連れて来ると約束してサラは青の中級ポーション購入して帰った。
「リリス、勝手に値段交渉するな。大変な病気だったらどうすんだ」
ポポスはリリスを叱る。
「でも私も高級の仕事をしたいのよ。それには実績が必要よ。それに貧しい人たちからはそんなにお金は取れないわ。近所の貧しい人たちには10銀貨1枚で、ちょっと金持ちにはそれなりに値段を上げたらいいじゃない?」
「な、…人によって金額を変えるって言うかい?!」
ククはびっくりしている。
「ダメ?」
症状なんてわかるはずないから大丈夫だと思うけど…
「…んんっそれはいいが…」
いいのか?
「金持ちが来るとは限らんだろう」
「それは実績と口コミになるわね。病気が治ったらみんな嬉しくて言いふらすでしょ?値段は交渉次第ってことにしてもらわないと困るけど」
ん~とリリスが腕組みをする。
「まあ、いいじゃないの。もうここはリリスのお店のような物なんだから好きにしたらいいわ」
ククは笑いながら応戦してくれた。
もうここは私のお店なのか…?
「いいが…ちゃんと報告しろよ。一人で突っ走るんじゃないぞ」
「はーい」
ポポスの承諾が貰えた。
リリスは高級の材料を確認する。ある程度は揃っている。サラの夫がいつ来ても対応できそうだ。
3日後、サラは仕事が休みだという旦那を連れてきた。サラの夫はカインと言った。歳は40くらいだろうかまだまだ働き盛りだ。顔色も悪くお腹に手をやっている。ポーションを購入してまだ3日だがもう痛いのだろうか?
「ちょっと見せてもらえる?」
カインに店の椅子に座らせお腹を出してもらい触らせてもらう。
リリスは指先に魔力を込める。魔力を通じてカインの内部の様子が感じ取れた。白ちゃんがカインの近くにふわふわと近寄って行く。そして白ちゃんに目をやると光っている。
『おなかがただれてるね』
ただれてるとこれから先どうなるの?
『穴が開く』
なるほど、胃かな?ひどさで言うとレベルでどのくらい?
『ん~レベル7くらいかな』
え?!そんなに悪いの?
『あと半月くらいで穴が開くかな。リリスの魔力ならポーションでなくてもすぐ治せるよ?』
いや、待って。とりあえずポーションを作ってそれで治ったとしよう。手をかざしただけで治るなんて神の御業だよ。
「カイン、お腹の上が方の腫れているみたい。カイン用のポーションを明日までに作っておくから明日また来てくれる?10銀貨1枚でいいから」
胃とかいっても通じないので、雑に説明をする。
「そうかい。確かに腹が張っていると思ったんだよ。ありがとな、10銀貨1枚でいいのかい?安すぎないかい?」
「ちゃんと治ったと思ったら宣伝しといて。ああ値段は言わないでね」
「ははは、わかったよ、じゃまた明日来るから」
白ちゃんと数日前に打合せをしていた。リリスは医者ではないので病状がよくわからない。白ちゃんは魔力を通じてその人の内部が感じ取れるのだそうだ。それもリリスに伝わる。感じ取れたとしてそれがどんな風に悪いのか分からない。そこで1~10のレベルで身体の中のひどさを表すように白ちゃんに頼んでいたのだ。10がMAXで軽いのが1だ。カインはレベル7。
結構悪いな。
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