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第3章
17歳
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王様の渋い声がリリスの耳をくすぐる。
リリスは顔を上げ、背の高い王様の顔を至近距離で見てしまう。紫の瞳に惚れそうになる。いや負けない。白ちゃん頑張れ。リリスの白ちゃんは数体が1体になり王様の白ちゃんより大きな光放ち王様の白ちゃんを退けた。王様の目が一瞬大きく見開かれた。
ははーん。王様、精霊が見えてるな…
その話がしたいのかも。いいだろう付き合おう。色々と文句もいいたいし
リリスはにっこりと笑顔になり、頷いた。
無事に謁見、食事会は終わり帰路に着いた。少々緊張はしたもののお互いにどんな面をしているのか確認が出来た事だろう。また話がしたいと言っていたのでバルを通じてなにかアクションがあるだろう。しかしまずは1級を合格することが先決だ。
1級の試験内容は2級の総合と論文だ。入学当初から最終試験は論文提出となっていたので3級を合格した者たちは論文のテーマを徐々に明確にしていた。2級の試験勉強をしつつ、レポートをまとめてそれを論文として提出する。元々アカデミーとはいえ資格を得たいと思う者ばかりのプロ集団だ。入る前からテーマのような物はあるのだ。
春になり、リリスが17歳の誕生日を迎える頃、1級の試験が行われた。試験といっても論文に重きを置いているので内容はそんなに難解ではない。論文の多くの内容は「将来どのようなポーションを作製したい」だとか、「今のポーションをより正確に作製するためにはどのようにすべきか」など、ポーションを追究するものだったりする。いい論文には興味を持っている国やどこかしらの機関から研究費が出されるかもしれない。
リリスは【視覚探索と時間探索に関わる時間的調節過程による比較】というタイトルの論文を提出し、優秀賞を獲得した。獲得したのは4人の中でリリスだけだった。
まずアカデミーに入る前と後の自分の作製したポーションの違い、そしてアカデミー前と今現在でわかったキキ教授との作製過程の違いなどの内容を発表した。着眼点が素晴らしいとの、お言葉を頂いた。優秀賞は1級を受けるすべての中から数名選ばれる。今回はリリスを含め3名に収まった。
リリスたち4人は無事に1級を合格し、錬金術アカデミーを卒業した。1級が受かった者は付与の学科に行くことが出来るが費用がまた別に掛かる。学費が払えない者や魔力がそこまで多くない者は1級で卒業して行く。それでも錬金1級に合格すれば就職にも困らない。
当然、魔力も金銭面にも困っていない4人は揃って付与学科に進む。セリアは父王に早く公務に戻るよう言われていたが、なんとか付与学科に通わせてほしいと頼み込んだのだそうだ。これでまた3ヶ月間、4人で一緒に学ぶことが出来た。
付与はうすーくキキからイージュレンの時に学んではいた。なのでそんなに難しい内容でもなかったが、付与の規定が殊更多く、それらを破りルール違反をすると国外追放や罪に問われる事があるのでそちらの方が重要のようだ。
商売をするにしても国に提出物が多くあまり好き勝手に付与は出来ないようだ。
無断で人に害するような付与を行ってはならない。
それらを売ってはならない。他多数…
など色々あるが、これジュリエッタ以降とかじゃないよね?ジュリエッタはほとんど犯していたような…
真夏の8月には、付与学科が終了し最後に試験がある。実技と規定がメインだがその試験に落ちても2回目で合格できれば付与の国家資格は貰える。キキの頃は1回目で不合格になっていたが、付与実技は魔力によるものが大きいので1回で合格するのは大変難しいとの事で、近年ルールが変更になったようだ。
リリス含め4人は1発合格となり、国家資格を得た。付与資格を得て成績が良かった者には超高級の資格を得るために王宮に入ることが出来る。しかし、それは形だけで王宮に取り込まれるだけなので辞退した。
そしてこの夏、リリスノートが売られるようになった。
「貴族言語辞典」通称リリスノート。
リリスノートでは恥ずかしいのでお堅い如何にも的なネーミングで発売してもらったのに結局はリリスノートでないと通じなかった。
まぁリリスが表に出ていないからOKとしよう。協力者セリアとも入れて貰っている。きっと後でこれが効いてくるに違いない。
錬金術アカデミーを卒業し、高級1級付与錬金術師になったリリスであったが暇になってしまった。
「久しぶりね、リリス。アカデミーを卒業したのね。おめでとう」
久しぶり会ったルキはメイクもばっちりで流行りのドレスを着こなしキレイになっていた。
「ありがとう、ルキ。なんだか…雰囲気が変わった?元々キレイだったけど、垢抜けた感じ。なにかいい事でもあったの?」
「え?い、いやだわ。リリスそんな事ないわよ。ふふふ」
「なによ?おしえて?」
「ふふっルキは、婚約したのよ!」
「えっ!?」
「ちょっとカヤったら!自分で言うから!」
「婚約ってお相手の方がいるのよね?えーー知らなかった!」
「まあ、ふふ、リリスが知らないのは仕方がないのよ。リリスがアカデミーで忙しい時に親しくなった人だから…」
「そっか、おめでとう。私も嬉しいわ」
お相手の方がいると知らされなかったのは、少々ショックではあるが自分が勉強で忙しくしていた時期なら仕方ない。気を遣ってくれたのだろう。
リリスとルキ、カヤで「リリス」でランチをしている。その中で出てきたサプライズだった。カヤの飯屋に通っているうちにお相手の方と親しくなったというのだ。カヤが言うには恋愛小説のような恋物語があったのだという。
「そんなのないわよ!カヤが面白おかしく言っているだけよぉ」
照れているルキが可愛い。こんな一面もあるんだなと思う。
「リリスも知っている人よ。ニールの知り合いって言えばわかるかしら?」
カヤの夫ニールは元冒険者でリリスとは同じアパートだった。カヤが得意げにフフンと笑っている。
「え?ニールの知り合い?って…」
「もう!カヤったら…えっと、キシよ」
照れくさそうにルキは返事をした。
「えーーっ!?キシ!?本当!?」
顔を赤らめコクンと頷くルキ
「二重で驚いちゃった。うん、でも、二重で嬉しい!おめでとうルキ」
ルキに抱き着くリリス。昔、冒険者をしていた頃を懐かしむ。ひとりでいたあの頃、ニールやキシなどは生意気だったロゼに兄のように優しくしてくれた人たちだ。裏切りもあったが、今でも悪い思い出だがいい思い出でもある。2人は仕事があるので長めのランチを得て帰って行った。
今度ゆっくり馴れ初めを聞きたい。セドはまた一人残されていじけてないかな。
キシやセドにはリリスの事は秘密にしているらしい。驚く顔が今から楽しみだねとルキたちと話をした。
リリスは顔を上げ、背の高い王様の顔を至近距離で見てしまう。紫の瞳に惚れそうになる。いや負けない。白ちゃん頑張れ。リリスの白ちゃんは数体が1体になり王様の白ちゃんより大きな光放ち王様の白ちゃんを退けた。王様の目が一瞬大きく見開かれた。
ははーん。王様、精霊が見えてるな…
その話がしたいのかも。いいだろう付き合おう。色々と文句もいいたいし
リリスはにっこりと笑顔になり、頷いた。
無事に謁見、食事会は終わり帰路に着いた。少々緊張はしたもののお互いにどんな面をしているのか確認が出来た事だろう。また話がしたいと言っていたのでバルを通じてなにかアクションがあるだろう。しかしまずは1級を合格することが先決だ。
1級の試験内容は2級の総合と論文だ。入学当初から最終試験は論文提出となっていたので3級を合格した者たちは論文のテーマを徐々に明確にしていた。2級の試験勉強をしつつ、レポートをまとめてそれを論文として提出する。元々アカデミーとはいえ資格を得たいと思う者ばかりのプロ集団だ。入る前からテーマのような物はあるのだ。
春になり、リリスが17歳の誕生日を迎える頃、1級の試験が行われた。試験といっても論文に重きを置いているので内容はそんなに難解ではない。論文の多くの内容は「将来どのようなポーションを作製したい」だとか、「今のポーションをより正確に作製するためにはどのようにすべきか」など、ポーションを追究するものだったりする。いい論文には興味を持っている国やどこかしらの機関から研究費が出されるかもしれない。
リリスは【視覚探索と時間探索に関わる時間的調節過程による比較】というタイトルの論文を提出し、優秀賞を獲得した。獲得したのは4人の中でリリスだけだった。
まずアカデミーに入る前と後の自分の作製したポーションの違い、そしてアカデミー前と今現在でわかったキキ教授との作製過程の違いなどの内容を発表した。着眼点が素晴らしいとの、お言葉を頂いた。優秀賞は1級を受けるすべての中から数名選ばれる。今回はリリスを含め3名に収まった。
リリスたち4人は無事に1級を合格し、錬金術アカデミーを卒業した。1級が受かった者は付与の学科に行くことが出来るが費用がまた別に掛かる。学費が払えない者や魔力がそこまで多くない者は1級で卒業して行く。それでも錬金1級に合格すれば就職にも困らない。
当然、魔力も金銭面にも困っていない4人は揃って付与学科に進む。セリアは父王に早く公務に戻るよう言われていたが、なんとか付与学科に通わせてほしいと頼み込んだのだそうだ。これでまた3ヶ月間、4人で一緒に学ぶことが出来た。
付与はうすーくキキからイージュレンの時に学んではいた。なのでそんなに難しい内容でもなかったが、付与の規定が殊更多く、それらを破りルール違反をすると国外追放や罪に問われる事があるのでそちらの方が重要のようだ。
商売をするにしても国に提出物が多くあまり好き勝手に付与は出来ないようだ。
無断で人に害するような付与を行ってはならない。
それらを売ってはならない。他多数…
など色々あるが、これジュリエッタ以降とかじゃないよね?ジュリエッタはほとんど犯していたような…
真夏の8月には、付与学科が終了し最後に試験がある。実技と規定がメインだがその試験に落ちても2回目で合格できれば付与の国家資格は貰える。キキの頃は1回目で不合格になっていたが、付与実技は魔力によるものが大きいので1回で合格するのは大変難しいとの事で、近年ルールが変更になったようだ。
リリス含め4人は1発合格となり、国家資格を得た。付与資格を得て成績が良かった者には超高級の資格を得るために王宮に入ることが出来る。しかし、それは形だけで王宮に取り込まれるだけなので辞退した。
そしてこの夏、リリスノートが売られるようになった。
「貴族言語辞典」通称リリスノート。
リリスノートでは恥ずかしいのでお堅い如何にも的なネーミングで発売してもらったのに結局はリリスノートでないと通じなかった。
まぁリリスが表に出ていないからOKとしよう。協力者セリアとも入れて貰っている。きっと後でこれが効いてくるに違いない。
錬金術アカデミーを卒業し、高級1級付与錬金術師になったリリスであったが暇になってしまった。
「久しぶりね、リリス。アカデミーを卒業したのね。おめでとう」
久しぶり会ったルキはメイクもばっちりで流行りのドレスを着こなしキレイになっていた。
「ありがとう、ルキ。なんだか…雰囲気が変わった?元々キレイだったけど、垢抜けた感じ。なにかいい事でもあったの?」
「え?い、いやだわ。リリスそんな事ないわよ。ふふふ」
「なによ?おしえて?」
「ふふっルキは、婚約したのよ!」
「えっ!?」
「ちょっとカヤったら!自分で言うから!」
「婚約ってお相手の方がいるのよね?えーー知らなかった!」
「まあ、ふふ、リリスが知らないのは仕方がないのよ。リリスがアカデミーで忙しい時に親しくなった人だから…」
「そっか、おめでとう。私も嬉しいわ」
お相手の方がいると知らされなかったのは、少々ショックではあるが自分が勉強で忙しくしていた時期なら仕方ない。気を遣ってくれたのだろう。
リリスとルキ、カヤで「リリス」でランチをしている。その中で出てきたサプライズだった。カヤの飯屋に通っているうちにお相手の方と親しくなったというのだ。カヤが言うには恋愛小説のような恋物語があったのだという。
「そんなのないわよ!カヤが面白おかしく言っているだけよぉ」
照れているルキが可愛い。こんな一面もあるんだなと思う。
「リリスも知っている人よ。ニールの知り合いって言えばわかるかしら?」
カヤの夫ニールは元冒険者でリリスとは同じアパートだった。カヤが得意げにフフンと笑っている。
「え?ニールの知り合い?って…」
「もう!カヤったら…えっと、キシよ」
照れくさそうにルキは返事をした。
「えーーっ!?キシ!?本当!?」
顔を赤らめコクンと頷くルキ
「二重で驚いちゃった。うん、でも、二重で嬉しい!おめでとうルキ」
ルキに抱き着くリリス。昔、冒険者をしていた頃を懐かしむ。ひとりでいたあの頃、ニールやキシなどは生意気だったロゼに兄のように優しくしてくれた人たちだ。裏切りもあったが、今でも悪い思い出だがいい思い出でもある。2人は仕事があるので長めのランチを得て帰って行った。
今度ゆっくり馴れ初めを聞きたい。セドはまた一人残されていじけてないかな。
キシやセドにはリリスの事は秘密にしているらしい。驚く顔が今から楽しみだねとルキたちと話をした。
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