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第3章
アカデミー
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リリスは体調が戻ると勉強を再開した。1度勉強した所などは若いからなのか問題はなかったが、技能では少し手が震える。正確さが鈍って来ていた。寝てばかりいたので体力が落ちたのかもしれない。
邸の料理人の上品な食事もいいのだが、なんか食べた気がしないと思っていたリリスはイージュレンで食べていた、ただ焼いただけの肉を自分で調理をしてショーユをぶっかけた雑な料理をたらふく食べた。そんな雑な食事をしたり、筋トレをなんとなくしていたら体力も戻って来た。周囲は驚いていたがそんなリリスをリエはさすがキースの子ね、と言って喜んだ。
7月になり、錬金術アカデミーの受験だ。技能も筆記もうまくいき、去年受けていたこともあって緊張もせず試験に臨めた。今回は文句なし合格だ。
試験も終わり少しゆっくりする時間が出来た。以前から行ってみたかったルキのお店にリエと行くことにした。リリスは束の間の休息を楽しんだ。
ルキのお店は「食器専門店ルトヤ」という。ルキとカヤという意味らしい。可愛い食器たちが並んでいる。備前焼かな有田焼というのだろうか、有名所を思ってみるもリリスは食器は好きだが詳しくない。今度お茶わんやどんぶりを作ってもらおうか。あっ醤油さしも!とか思っている。
カヤは結婚し、親と一緒に飯屋をしている。婿殿が弟子になって頑張っているのだとか。もちろんカヤの本業は食器作りだ。
カヤは久しぶり会ったロゼにポーッとなっている。
「カヤ…そのなんか悪かったね」
カヤとは何度か会っていたが男の恰好をしていたときだけだ。とりあえず、謝る。
「ううん、いいの。私が勝手に好きになっちゃっただけだから。それにイージュレンでロゼのガウチョパンツ姿はもうみんなの憧れだったもの。でも今はすごくキレイになってびっくりしてる」
太い肉を何日も食べていたら以前の女性らしいボディーラインに戻っていた。
「そう?ありがとう」
カヤはのんびりしていて乙女だ。ルキとは正反対だなと思う。でもこの子が食器の革命児なんだよね。最初はルキが無理やりとは行かないまでも、引っ張ているのかと思っていたが、カヤの方がこういう食器を作りたいと言ってきたのだとか。それをルキが付き合って焼きをしていたのだという。そして製法を男から譲れと言われても断っていたのはカヤの方だった。それをルキに言わせていたのだ。なかなかの策士だ。
侮れないぜ、カヤ。
カヤの飯屋で照り焼きチキンを食べ終わった所で、旦那を紹介するとカヤに言われた。厨房から出てきたのはニールだった。
はじめましてと言われてしまった。もう忘れてしまったか?
「ニールでしょ?ニールが結婚するって言ってたのはカヤの事だったんだな」
ニールは「え?」という顔をした。
「ロゼだよ。7階に住んでたロゼだよ。久しぶり。王都に来てたのか。セドとキシにも会ってる?元気?」
リリスは、長く伸びた銀髪に紫の筋が通り、それをハーフアップにし、紫の瞳をして涼しげな白地に水色の細いストライプ柄のワンピースを着ている。
もうそれはそれはちょっと背の高い可愛い、口調が変なだけの女の子だ。
「え?ロゼ?ロゼってあのロゼ?…」
ぽかんと口が半開きになってなんともまぬけ面だ。ニールは料理の修行に専念していた為、ロゼが女性だったことも知らなかったようだ。
弟のように可愛がっていたやんちゃ坊主が今ではりっぱな貴婦人になりニールは驚きを隠せない。ルキとカヤも笑っている。
セドやキシは、たまに店の来るのだとか。元気そうだ。キースに2人の事は聞いたが知らないと言われた。部隊が変わると分からないようだ。セドは第1部隊、キシは第2部隊に所属しているらしい。第1部隊は花形部隊と言われている。
セドすごいじゃないか。
父キースとも外出を楽しんだり、みんなでちょっと豪華なレストランでご飯を食べに行ったり、楽しく夏は過ぎて行った。
リリスは現在中級ポーションを作れる中級錬金術師だ。腕は普通よりやや上くらいの実力。キキとの差は今の所はなんなのか分からない。
錬金術アカデミーに行けば分かるのだろうか?
合格はしたが首位合格ではない。一応はトップクラスではあるようだ。
最初の9.10.11月は3級で、12.13.1.2月が2級、3.4.5月が1級だ。1級に合格すれば卒業して高級錬金術師になれる。6.7.8月は付与師になるための授業だ。それに合格すると高級付与錬金術師の称号が手に入る。
9月になり授業が始まる。入学式やクラスで自己紹介とかクラス対抗とかのお遊戯会はない。1日目から普通に授業だ。朝3の音から昼1の音まで、ランチタイムを挟み、昼2の音から昼3の音までだ。1日ざっと4・5時間くらいの授業だ。
ランチタイムが長すぎるが、この世界ではこんな感じなのだろう。
入学したのは500弱名ほど、3級の試験で約半分が落ちるのだとか。人数制限があるわけではないので頑張れば残れるわけだが内容が難しいのだろうか?500人の生徒を半分に分け、大きな講堂で授業をする。
錬金の書物は6万ほどあり、それを大事な部分のみ凝縮させたメメス文書という錬金術の教科書の様な書物に基づいて高級の授業は進む。
属性で分けて授業を行うのかと思ったがそうではなかった。
高級はまず3級の取得を目指す、店を出すにせよ看板に高級3級など謳い文句が効いてくるらしい。
3級の内容は薬学、魔法薬学、ポーションの仕組み、結構ムズイ。
なにこれ?ザリをバカに出来ない。のんびりしてたら落ちるなこりゃ…
邸の料理人の上品な食事もいいのだが、なんか食べた気がしないと思っていたリリスはイージュレンで食べていた、ただ焼いただけの肉を自分で調理をしてショーユをぶっかけた雑な料理をたらふく食べた。そんな雑な食事をしたり、筋トレをなんとなくしていたら体力も戻って来た。周囲は驚いていたがそんなリリスをリエはさすがキースの子ね、と言って喜んだ。
7月になり、錬金術アカデミーの受験だ。技能も筆記もうまくいき、去年受けていたこともあって緊張もせず試験に臨めた。今回は文句なし合格だ。
試験も終わり少しゆっくりする時間が出来た。以前から行ってみたかったルキのお店にリエと行くことにした。リリスは束の間の休息を楽しんだ。
ルキのお店は「食器専門店ルトヤ」という。ルキとカヤという意味らしい。可愛い食器たちが並んでいる。備前焼かな有田焼というのだろうか、有名所を思ってみるもリリスは食器は好きだが詳しくない。今度お茶わんやどんぶりを作ってもらおうか。あっ醤油さしも!とか思っている。
カヤは結婚し、親と一緒に飯屋をしている。婿殿が弟子になって頑張っているのだとか。もちろんカヤの本業は食器作りだ。
カヤは久しぶり会ったロゼにポーッとなっている。
「カヤ…そのなんか悪かったね」
カヤとは何度か会っていたが男の恰好をしていたときだけだ。とりあえず、謝る。
「ううん、いいの。私が勝手に好きになっちゃっただけだから。それにイージュレンでロゼのガウチョパンツ姿はもうみんなの憧れだったもの。でも今はすごくキレイになってびっくりしてる」
太い肉を何日も食べていたら以前の女性らしいボディーラインに戻っていた。
「そう?ありがとう」
カヤはのんびりしていて乙女だ。ルキとは正反対だなと思う。でもこの子が食器の革命児なんだよね。最初はルキが無理やりとは行かないまでも、引っ張ているのかと思っていたが、カヤの方がこういう食器を作りたいと言ってきたのだとか。それをルキが付き合って焼きをしていたのだという。そして製法を男から譲れと言われても断っていたのはカヤの方だった。それをルキに言わせていたのだ。なかなかの策士だ。
侮れないぜ、カヤ。
カヤの飯屋で照り焼きチキンを食べ終わった所で、旦那を紹介するとカヤに言われた。厨房から出てきたのはニールだった。
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「ニールでしょ?ニールが結婚するって言ってたのはカヤの事だったんだな」
ニールは「え?」という顔をした。
「ロゼだよ。7階に住んでたロゼだよ。久しぶり。王都に来てたのか。セドとキシにも会ってる?元気?」
リリスは、長く伸びた銀髪に紫の筋が通り、それをハーフアップにし、紫の瞳をして涼しげな白地に水色の細いストライプ柄のワンピースを着ている。
もうそれはそれはちょっと背の高い可愛い、口調が変なだけの女の子だ。
「え?ロゼ?ロゼってあのロゼ?…」
ぽかんと口が半開きになってなんともまぬけ面だ。ニールは料理の修行に専念していた為、ロゼが女性だったことも知らなかったようだ。
弟のように可愛がっていたやんちゃ坊主が今ではりっぱな貴婦人になりニールは驚きを隠せない。ルキとカヤも笑っている。
セドやキシは、たまに店の来るのだとか。元気そうだ。キースに2人の事は聞いたが知らないと言われた。部隊が変わると分からないようだ。セドは第1部隊、キシは第2部隊に所属しているらしい。第1部隊は花形部隊と言われている。
セドすごいじゃないか。
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