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第2章
それぞれの思い
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『めずらしいのぉ一人かえ?』
それは、運命の日の数日前。
「はい、レイジュ様。今日はリリスがキキの手伝いで1日留守にしています。レイジュ様とリリス抜きでお話がしたくて参りました」
リエは神妙な面持ちでレイジュ様に話掛ける。
『…気が付いているのか』
「リリスもなんとなくわかっています」
『…そうか』
「私が変わりに伐れるものなら、伐りたいのです」
リエは声を震わせ、涙ぐんだ。
『お主の魔力も豊富だのぉ、以前であればお主でも伐る事が出来ただろうが…この世界樹は魔素を含み過ぎた。ちょっとやそっとでは伐れん…そこに現れたのがリリスなのだ。あんな豊富な魔力を持っている人間をわしは見たことがない。これは神が与えてくれた最後の望みなのだと思うた』
「神…?神はヒース様では…」
「わしか?それは人間が勝手に言っているだけだの。わしはただの世界樹の精霊だ。精霊たちの親かの、そのぐらいのものなのじゃ」
「リリスは耐えられるのですか?」
『リリスの力でもギリギリかもしれんのぉ…あの剣では…世界樹は伐れるがリリスの命まで助かるとは思えん。むかしの…あの剣があれば…』
「あの剣とは…?」
『昔の剣じゃ、精霊なしの剣なのじゃが今からではもう間に合わん』
「そんな…世界樹がなくなれば、困ることになると世界が終わることもわかります。でも…リリスは私のたった一人の子なんです。死なせたくない。やっと戻って来てくれたのに…」
『わかっておる。リエや、古木の根っこに魔石がある』
リエはレイジュ様の言う根っこの部分にある小さな直径2㎝ほどの魔石を見つける。
「これは…」
『それはわしの魔石の一部じゃ』
「一部…」
透明なつるりとした魔石
『リリスは死ぬ。魔力を使い果たし死ぬであろう。その前に、倒れたその直後にそれをリリスの口に入れるのだ…世界樹の生命がリリスに宿り、魔力が一気に戻り再び蘇る』
「それは…」
『心配はいらん。魔力が一気に戻るだけじゃ。不老不死になったりバケモンになったりはせんよ。その魔石は暇にしておった何千年もの間、わしは自分の魔石を分離することに成功したのじゃ。朽ち果ててしまった後の世界のために…それがあるからと言ってどうなるかわからんがの…』
「では、ではこれがあればリリスは助かるのですね!」
リエは小さな魔石を両手に包みギュッと握りしめた。
『たぶんのぉ』
リエはドキドキしながらリリスが世界樹を伐る様子を見守っている。その日、バルが持ってきた剣は、レイジュ様が求めていた剣だった。レイジュ様はリエを見る。
『求めていた剣が現れた。それでもリリスは限界を迎えるであろう。リリスが倒れた時には口ではなく肌に充てるがよい。口に含めば魔力暴走が起きる。肌に充てるのだ』
リエの頭に中にレイジュ様の声が響く。リエはレイジュ様を見つめ頷く。
リエは倒れたリリスにレイジュ様の魔石を素肌に充てた。青白くなっていたリリスの顔にほのかな赤みが差した。リエはそのまま転移し、リリスをベッドに寝かせ胸元にレイジュ様の魔石を置いた。連れ戻したキースには事の経緯を説明をし、リリスを見守ってもらうことにした。リエも限界が訪れリリスの隣で眠りについた。
夢をみた。
リリス、おまいさんには謝らねばならん、わしはおまいさんを…見殺しにするつもりであった。早くと急かしていたのはおまいさんが成長するにつれ魔力が安定をしてしまうと思ったからじゃ。そうなればこの古木は伐れんと思うた。
もう5000年放置しているこの世界樹は、おまいさんのその豊富な魔力でも足りず、おまいさんは永遠に眠りから覚めない。そうなる可能性があった。そうなることがわかっていて黙っていたのだ。世界樹の為、この世の為、おまいさんを犠牲にしようとしていたのじゃ。
リエにはわしの魔石の一部をおまいさんの口に含めば魔力は甦り死ぬことはなくなると言うたが、確証なんぞなかった。
世界樹をあのままにし、魔獣が増えスタンピードが起こり、世界中の人間が死に絶え、朽ち果てた世界樹からはなん百年も臭気をまき散らす、しかしそれもいずれ沈下する。そして、世界樹がない世界が訪れる。伐るも伐らないも人が選択するもので正解はない。しかし、わしはリリスの豊富な魔力に賭けた。うまくいったからいいようなものの失敗していたかもしれない。本当にすまんかった。
そして、古木を伐ってくれて、ありがとう。
リリスは目を覚ました。リエは泣きながらリリスに抱き着いた。もう目覚めないのかと思ったと泣きじゃくっていた。
コロンとなにか身体から落ちた。レイジュ様の小さな魔石だった。空になっている。レイジュ様が分けてくれた命だ。
眠っていた時に夢を見た。レイジュ様はずいぶんと謝っていた。
レイジュ様はあの精霊なしの剣をリリスに見立て世界樹の伐採を本人に伝授していたのだ。
まぁね、そんな気はしていた。リエがいたから生きてはいるが、いなければその場に倒れ死んでいただろう。レイジュ様は精霊の神だ。人一人のことより世界樹の存命を望むだろう。それは仕方ないことだ。レイジュ様と出会った頃は親もいなかった。丁度よい人材ではあっただろうと思う。
バルが持ってきたあの剣…あれがなければどうなっていたか分からない。バルが居てくれてよかった。でなければあの剣にはたどり着かなかった。国王にまで話を通すなど並大抵のことではなかっただろう。根気よく話を通してくれたのだ。
父の剣で練習している時のレイジュ様の様子は冷めたものだった。たぶん私の死が見えていたのかもしれない。しかし、誰かがやらなければ、のちに全員死ぬだけだ。神は時に、非道な選択をすることもあるだろ。一人とこの世の住人を天秤に掛ければ、誰しもこの世の住人を取るだろう。
練習を始めた頃からけっこう大変だと思っていた。それはそうだ。世界樹なのだからそう簡単には行かない。でも自分はこんなに魔力がある。レイジュ様も大丈夫だと言っている。ただ世界樹を伐る事は可能だが私が生き残れるとは言ってはいない。私も聞かなかった。
世界樹の魔力が剣に吸い取られている時、自分の魔力を神木に移してしまったのも後悔した。ますます大変になったのではないかと思っていた。しかしレイジュ様から伝えられたことは、魔素の臭気がこの古木に充満していたがリリスの魔力で軽くなっていたと、ではもっとたくさん移せばよかったのかと思ったが、それではおまいさんの魔力が戻らなくなると言う。ジョセフと同じようにあまり故意に抜き過ぎると魔力が戻りにくくなるという事か。だからレイジュ様は魔力を移すことを進めなかった。すべては世界樹を守るため。
私の魔力が少なくなって世界樹が伐れなくなったら困るもんね
リリスは、はあと溜息を吐く。
少し複雑な思いをするリリスだが、レイジュ様のあのやさしく楽しい話をしてくれていたことすべてが偽りではなかったはずだ。結局、レイジュ様のあの魔石で生きている。イチかバチかではあったが助かった。
レイジュ様もう気にしないで。5000年1人で世界を守ってきたのだから。ゆっくりと眠ってほしい。
こちらこそ今までありがとうございました。レイジュ様
泉の底から引き上げた剣は空の魔石の剣になっていた。これは私だ。この剣がなければ今頃は私が空の死人になっていた。「ありがとう」リリスは剣を抱きしめる。
剣も返納して、すべて終わった。
それは、運命の日の数日前。
「はい、レイジュ様。今日はリリスがキキの手伝いで1日留守にしています。レイジュ様とリリス抜きでお話がしたくて参りました」
リエは神妙な面持ちでレイジュ様に話掛ける。
『…気が付いているのか』
「リリスもなんとなくわかっています」
『…そうか』
「私が変わりに伐れるものなら、伐りたいのです」
リエは声を震わせ、涙ぐんだ。
『お主の魔力も豊富だのぉ、以前であればお主でも伐る事が出来ただろうが…この世界樹は魔素を含み過ぎた。ちょっとやそっとでは伐れん…そこに現れたのがリリスなのだ。あんな豊富な魔力を持っている人間をわしは見たことがない。これは神が与えてくれた最後の望みなのだと思うた』
「神…?神はヒース様では…」
「わしか?それは人間が勝手に言っているだけだの。わしはただの世界樹の精霊だ。精霊たちの親かの、そのぐらいのものなのじゃ」
「リリスは耐えられるのですか?」
『リリスの力でもギリギリかもしれんのぉ…あの剣では…世界樹は伐れるがリリスの命まで助かるとは思えん。むかしの…あの剣があれば…』
「あの剣とは…?」
『昔の剣じゃ、精霊なしの剣なのじゃが今からではもう間に合わん』
「そんな…世界樹がなくなれば、困ることになると世界が終わることもわかります。でも…リリスは私のたった一人の子なんです。死なせたくない。やっと戻って来てくれたのに…」
『わかっておる。リエや、古木の根っこに魔石がある』
リエはレイジュ様の言う根っこの部分にある小さな直径2㎝ほどの魔石を見つける。
「これは…」
『それはわしの魔石の一部じゃ』
「一部…」
透明なつるりとした魔石
『リリスは死ぬ。魔力を使い果たし死ぬであろう。その前に、倒れたその直後にそれをリリスの口に入れるのだ…世界樹の生命がリリスに宿り、魔力が一気に戻り再び蘇る』
「それは…」
『心配はいらん。魔力が一気に戻るだけじゃ。不老不死になったりバケモンになったりはせんよ。その魔石は暇にしておった何千年もの間、わしは自分の魔石を分離することに成功したのじゃ。朽ち果ててしまった後の世界のために…それがあるからと言ってどうなるかわからんがの…』
「では、ではこれがあればリリスは助かるのですね!」
リエは小さな魔石を両手に包みギュッと握りしめた。
『たぶんのぉ』
リエはドキドキしながらリリスが世界樹を伐る様子を見守っている。その日、バルが持ってきた剣は、レイジュ様が求めていた剣だった。レイジュ様はリエを見る。
『求めていた剣が現れた。それでもリリスは限界を迎えるであろう。リリスが倒れた時には口ではなく肌に充てるがよい。口に含めば魔力暴走が起きる。肌に充てるのだ』
リエの頭に中にレイジュ様の声が響く。リエはレイジュ様を見つめ頷く。
リエは倒れたリリスにレイジュ様の魔石を素肌に充てた。青白くなっていたリリスの顔にほのかな赤みが差した。リエはそのまま転移し、リリスをベッドに寝かせ胸元にレイジュ様の魔石を置いた。連れ戻したキースには事の経緯を説明をし、リリスを見守ってもらうことにした。リエも限界が訪れリリスの隣で眠りについた。
夢をみた。
リリス、おまいさんには謝らねばならん、わしはおまいさんを…見殺しにするつもりであった。早くと急かしていたのはおまいさんが成長するにつれ魔力が安定をしてしまうと思ったからじゃ。そうなればこの古木は伐れんと思うた。
もう5000年放置しているこの世界樹は、おまいさんのその豊富な魔力でも足りず、おまいさんは永遠に眠りから覚めない。そうなる可能性があった。そうなることがわかっていて黙っていたのだ。世界樹の為、この世の為、おまいさんを犠牲にしようとしていたのじゃ。
リエにはわしの魔石の一部をおまいさんの口に含めば魔力は甦り死ぬことはなくなると言うたが、確証なんぞなかった。
世界樹をあのままにし、魔獣が増えスタンピードが起こり、世界中の人間が死に絶え、朽ち果てた世界樹からはなん百年も臭気をまき散らす、しかしそれもいずれ沈下する。そして、世界樹がない世界が訪れる。伐るも伐らないも人が選択するもので正解はない。しかし、わしはリリスの豊富な魔力に賭けた。うまくいったからいいようなものの失敗していたかもしれない。本当にすまんかった。
そして、古木を伐ってくれて、ありがとう。
リリスは目を覚ました。リエは泣きながらリリスに抱き着いた。もう目覚めないのかと思ったと泣きじゃくっていた。
コロンとなにか身体から落ちた。レイジュ様の小さな魔石だった。空になっている。レイジュ様が分けてくれた命だ。
眠っていた時に夢を見た。レイジュ様はずいぶんと謝っていた。
レイジュ様はあの精霊なしの剣をリリスに見立て世界樹の伐採を本人に伝授していたのだ。
まぁね、そんな気はしていた。リエがいたから生きてはいるが、いなければその場に倒れ死んでいただろう。レイジュ様は精霊の神だ。人一人のことより世界樹の存命を望むだろう。それは仕方ないことだ。レイジュ様と出会った頃は親もいなかった。丁度よい人材ではあっただろうと思う。
バルが持ってきたあの剣…あれがなければどうなっていたか分からない。バルが居てくれてよかった。でなければあの剣にはたどり着かなかった。国王にまで話を通すなど並大抵のことではなかっただろう。根気よく話を通してくれたのだ。
父の剣で練習している時のレイジュ様の様子は冷めたものだった。たぶん私の死が見えていたのかもしれない。しかし、誰かがやらなければ、のちに全員死ぬだけだ。神は時に、非道な選択をすることもあるだろ。一人とこの世の住人を天秤に掛ければ、誰しもこの世の住人を取るだろう。
練習を始めた頃からけっこう大変だと思っていた。それはそうだ。世界樹なのだからそう簡単には行かない。でも自分はこんなに魔力がある。レイジュ様も大丈夫だと言っている。ただ世界樹を伐る事は可能だが私が生き残れるとは言ってはいない。私も聞かなかった。
世界樹の魔力が剣に吸い取られている時、自分の魔力を神木に移してしまったのも後悔した。ますます大変になったのではないかと思っていた。しかしレイジュ様から伝えられたことは、魔素の臭気がこの古木に充満していたがリリスの魔力で軽くなっていたと、ではもっとたくさん移せばよかったのかと思ったが、それではおまいさんの魔力が戻らなくなると言う。ジョセフと同じようにあまり故意に抜き過ぎると魔力が戻りにくくなるという事か。だからレイジュ様は魔力を移すことを進めなかった。すべては世界樹を守るため。
私の魔力が少なくなって世界樹が伐れなくなったら困るもんね
リリスは、はあと溜息を吐く。
少し複雑な思いをするリリスだが、レイジュ様のあのやさしく楽しい話をしてくれていたことすべてが偽りではなかったはずだ。結局、レイジュ様のあの魔石で生きている。イチかバチかではあったが助かった。
レイジュ様もう気にしないで。5000年1人で世界を守ってきたのだから。ゆっくりと眠ってほしい。
こちらこそ今までありがとうございました。レイジュ様
泉の底から引き上げた剣は空の魔石の剣になっていた。これは私だ。この剣がなければ今頃は私が空の死人になっていた。「ありがとう」リリスは剣を抱きしめる。
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