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第2章
父と母と…
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ミルことロゼこと、リリスは父母共に王都に向かった。オズの宿にはルキたち御一行に伝言を残して王都の門の前まで転移した。
私の名前はリリス
ちょっと…可愛すぎませんか…
父母が産まれてすぐに付けてくれた名前はリリスだった。
「あなたの誕生日は5月21日生まれよ」と言われた。秋じゃなかったのか。全然違った。新緑が美しい季節だ。
夏が過ぎた頃、姉から奪われたと母は言う。
まだ、少し照れ臭い。私は前世の頃から母がいなかった為、母とどういう風に接していいのかわからない。でも母はそんな私に笑いかける。母は貴族を廃してからジュリエットではなく、リエと名乗っていた。
キースとリエの娘、リリスだ。
父と母は、王都の繁華街でカフェを経営していた。娘を捜すためにルクセルボルン王国に移住をして小さな店を開いたが思ったより繫盛してしまったという。
辛さも寂しさもあり、毎日忙しく働いていたら店が大きくなって王都1番の繫華街に店を持つまでにもなった。今では5店舗を切り盛りしている。イージュレンにも店があるのだとか店の名前は〈リリス〉アイスが有名なカフェだ。
ルキがよく行くって言っていたあのアイス屋は父と母のお店だったのか。値段もけっこうするお店だ。イージュレンの繁華街にあり、若いお嬢さんでいっぱいだった。
1度行ったことがあるよと言うと、涙を浮かべて喜んだ。今はなにを言っても泣いて喜んでくれそうだ。
私はこれから、父と母の家で暮らすことにした。この家から錬金術アカデミーに通えばいいと言ってくれたのだ。馬車で1時間ぐらい掛かる距離だが、転移すれば何の問題もない。
王都の家で父と母に甘やかされて過ごしていたら、ルキから連絡が来た。オズの宿の伝言には『事情が変わって先に王都に行っている。王都に着いたら〈リリス〉のどの店舗でもいいから店員にルキが来たと連絡してほしい』とお願いしていたのだ。父母のことは説明が難しいので会って話すことにしようと思ったのだ。最初は教会を指定しようとしたが「うちの店に伝言を残すようにした方が早いわ」とリエが言うので従った。まさか、あのアイスの店とは思わなかった。
なぜか、キースとリエも一緒に行くとなり、ルキが指定した日付と昼2の音に一緒に向かう。ルキはちょっと怒っていたが親2人を引き連れてきたことにびっくりしたようだ。
「ルキ、先に行って悪かったな。こちらは私の父と母だ。話せば長いのでアイスを食べながら話をしよう。アイスは父と母の奢りだよ。いっぱい食べていいとさ」
「…わ、わかったわ」
ルキは先に王都に行ってしまったロゼを叱ろうとしていた。勝手に王都に入ってしまって約束が違う。ロゼはまだ子供だ大人がきちんと叱らなければならない。と、考えている。しかし保護者だと言う人がすでにいるのにロゼに説教をするなど大きなお世話だ。ただ、保護者と言うのもちょっと信用できない。急にロゼの前に現れて意味がわからない。まったく状況が吞み込めていないがこの冬の出来事を聞かせてもらえるらしい。ロゼは子供だ。私がしっかりしないとと、ルキは意気込む。
3人はそれぞれ挨拶を交わし、〈リリス〉に1部屋ある個室に向かう。
リリスは、ロゼのスズカを破棄し、「リリス」で作り直したもう偽装も偽造もしない。王歴2554年現王4年5月21日生まれの15歳の女の子だ。ルキを待っている間に成人してしまった。特徴は口調が少し男の子っぽい
「ロゼ」の名を捨てるのは少し寂しかった。気に入っていたので「ロゼ」の名で作り直そうと思ったが、父と母はずっと「リリス」を捜していたのだ。もう悲しませたくない、違和感ありまくりの名前だが「リリス」で登録しようと決めた。
色々と偽装も偽造も問題になったが上からのお達しですんなりとリリスのスズカは発行された。バルかしら?
精霊は、時の、闇の、水の属性 3属性を登録している。学卒は学校に行っていないので、試験を受けた。それに合格すれば学卒扱いだ。最初からそうすればよかった。もちろん受かった。
闇の属性を登録したのは、闇の属性を認知してもらうためだ。悪い事ばかりがおとぎ話になっていて闇の精霊が悪い精霊だと思われている。それは違う。悪い人が使うから悪く見えるのだ。精霊が悪いわけではない。しかし、使い方を間違えるとジュリエッタのように地獄におちるぞよ、ときちんと教育してもらいたい。闇をわかっていれば悪事も未然に防げるかもしれない。
闇事態のいい使い方は今のところ思いつかないが話せるようになった黒ちゃんと一緒に考えたいと思う。と言っても、もうこれからはリリスは瞳を変える必要はない。
紫の瞳の美人だ。
ルキには大まかな事情は打ち明けた。瞳の件やスズカの中身の偽造も父と母の件もこれから一緒に暮らしていくことも。ルキは偽造の件では眉を顰めたが概ね喜んでくれた。これからもいい友人としてお付き合いをしてくれるそうだ。
リリスは父母に連れられて遊び呆けていたら、7月に受けた錬金術アカデミーの試験に落ちてしまった。実技は合格したのだが、筆記の点数が足りなかった。
ルキに遅れて王都に到着したキキから怒られた。しかし、来年また受ければいいとなった。元々錬金術アカデミーは18歳以降の男性が多いのだとか、けっこう実技が難しく何年も留年するものらしい。実技が受かり、筆記で落ちる方が稀らしいのだ。
キキの時代には女性は学年に一人か二人だったそうだが、今では3分の1が女性だ。少しずつ女性の為の門も開かれている。
キキっていくつだろう。今度聞いてみよう。
私の名前はリリス
ちょっと…可愛すぎませんか…
父母が産まれてすぐに付けてくれた名前はリリスだった。
「あなたの誕生日は5月21日生まれよ」と言われた。秋じゃなかったのか。全然違った。新緑が美しい季節だ。
夏が過ぎた頃、姉から奪われたと母は言う。
まだ、少し照れ臭い。私は前世の頃から母がいなかった為、母とどういう風に接していいのかわからない。でも母はそんな私に笑いかける。母は貴族を廃してからジュリエットではなく、リエと名乗っていた。
キースとリエの娘、リリスだ。
父と母は、王都の繁華街でカフェを経営していた。娘を捜すためにルクセルボルン王国に移住をして小さな店を開いたが思ったより繫盛してしまったという。
辛さも寂しさもあり、毎日忙しく働いていたら店が大きくなって王都1番の繫華街に店を持つまでにもなった。今では5店舗を切り盛りしている。イージュレンにも店があるのだとか店の名前は〈リリス〉アイスが有名なカフェだ。
ルキがよく行くって言っていたあのアイス屋は父と母のお店だったのか。値段もけっこうするお店だ。イージュレンの繁華街にあり、若いお嬢さんでいっぱいだった。
1度行ったことがあるよと言うと、涙を浮かべて喜んだ。今はなにを言っても泣いて喜んでくれそうだ。
私はこれから、父と母の家で暮らすことにした。この家から錬金術アカデミーに通えばいいと言ってくれたのだ。馬車で1時間ぐらい掛かる距離だが、転移すれば何の問題もない。
王都の家で父と母に甘やかされて過ごしていたら、ルキから連絡が来た。オズの宿の伝言には『事情が変わって先に王都に行っている。王都に着いたら〈リリス〉のどの店舗でもいいから店員にルキが来たと連絡してほしい』とお願いしていたのだ。父母のことは説明が難しいので会って話すことにしようと思ったのだ。最初は教会を指定しようとしたが「うちの店に伝言を残すようにした方が早いわ」とリエが言うので従った。まさか、あのアイスの店とは思わなかった。
なぜか、キースとリエも一緒に行くとなり、ルキが指定した日付と昼2の音に一緒に向かう。ルキはちょっと怒っていたが親2人を引き連れてきたことにびっくりしたようだ。
「ルキ、先に行って悪かったな。こちらは私の父と母だ。話せば長いのでアイスを食べながら話をしよう。アイスは父と母の奢りだよ。いっぱい食べていいとさ」
「…わ、わかったわ」
ルキは先に王都に行ってしまったロゼを叱ろうとしていた。勝手に王都に入ってしまって約束が違う。ロゼはまだ子供だ大人がきちんと叱らなければならない。と、考えている。しかし保護者だと言う人がすでにいるのにロゼに説教をするなど大きなお世話だ。ただ、保護者と言うのもちょっと信用できない。急にロゼの前に現れて意味がわからない。まったく状況が吞み込めていないがこの冬の出来事を聞かせてもらえるらしい。ロゼは子供だ。私がしっかりしないとと、ルキは意気込む。
3人はそれぞれ挨拶を交わし、〈リリス〉に1部屋ある個室に向かう。
リリスは、ロゼのスズカを破棄し、「リリス」で作り直したもう偽装も偽造もしない。王歴2554年現王4年5月21日生まれの15歳の女の子だ。ルキを待っている間に成人してしまった。特徴は口調が少し男の子っぽい
「ロゼ」の名を捨てるのは少し寂しかった。気に入っていたので「ロゼ」の名で作り直そうと思ったが、父と母はずっと「リリス」を捜していたのだ。もう悲しませたくない、違和感ありまくりの名前だが「リリス」で登録しようと決めた。
色々と偽装も偽造も問題になったが上からのお達しですんなりとリリスのスズカは発行された。バルかしら?
精霊は、時の、闇の、水の属性 3属性を登録している。学卒は学校に行っていないので、試験を受けた。それに合格すれば学卒扱いだ。最初からそうすればよかった。もちろん受かった。
闇の属性を登録したのは、闇の属性を認知してもらうためだ。悪い事ばかりがおとぎ話になっていて闇の精霊が悪い精霊だと思われている。それは違う。悪い人が使うから悪く見えるのだ。精霊が悪いわけではない。しかし、使い方を間違えるとジュリエッタのように地獄におちるぞよ、ときちんと教育してもらいたい。闇をわかっていれば悪事も未然に防げるかもしれない。
闇事態のいい使い方は今のところ思いつかないが話せるようになった黒ちゃんと一緒に考えたいと思う。と言っても、もうこれからはリリスは瞳を変える必要はない。
紫の瞳の美人だ。
ルキには大まかな事情は打ち明けた。瞳の件やスズカの中身の偽造も父と母の件もこれから一緒に暮らしていくことも。ルキは偽造の件では眉を顰めたが概ね喜んでくれた。これからもいい友人としてお付き合いをしてくれるそうだ。
リリスは父母に連れられて遊び呆けていたら、7月に受けた錬金術アカデミーの試験に落ちてしまった。実技は合格したのだが、筆記の点数が足りなかった。
ルキに遅れて王都に到着したキキから怒られた。しかし、来年また受ければいいとなった。元々錬金術アカデミーは18歳以降の男性が多いのだとか、けっこう実技が難しく何年も留年するものらしい。実技が受かり、筆記で落ちる方が稀らしいのだ。
キキの時代には女性は学年に一人か二人だったそうだが、今では3分の1が女性だ。少しずつ女性の為の門も開かれている。
キキっていくつだろう。今度聞いてみよう。
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