30 / 110
第1章
上映会
しおりを挟む
集落の教会に戻ったロゼとバルは、教会の前で声を潜める。教会内からはなんの音もしない、静かである。
「魔力と精霊が今は、ない状態だから大丈夫だとは思うけど」
バルにジュリエッタを教会に閉じ込めている事を説明をする。
「魔力を奪うことが出来るんだな、ロゼは」
バルはなんだかピリついている。
「出来る、レイジュ様の神木に魔力を移す時に反対のことをした。そしたら神木の魔力を奪えた。人では試したことはないよ」
簡単に出来ることではないが、じっとしていてくれれば出来る
「レイジュ様にも試すなよ」
少し落ち着いてきたかな
「なんか出来そうだなって、レイジュ様にはちゃんと承諾を貰ったよ」
「はあ、精霊王様だぞ!」
「はいはい、で、結界解くけどいい?なにがあるか分からないから油断しないでよ」
「…わかったよ」
結界を解くと同時に扉を開ける。同時に自分とバルに結界を張る。同時に赤い閃光がロゼとバルに浴びせられた。
同時に時を止めたロゼはジュリエッタの方に向かう。
バルは赤い閃光にびっくりしてのけ反っている。
油断するなと言ったのに…
バルを引きずって閃光が当たらない所まで移動させる。
ジュリエッタの方は教会に閉じ込められたのが屈辱だったのか暴れて身なりがボロボロになっていた。赤い閃光はジョリエッタの首に掛かっていたネックレスを引きちぎって投げている。どうやらネックレスに攻撃手段が付与されていたようだ。どうりでゴテゴテに着飾っているなと思ったのだ。
全部取っておこう
ゆっくり時を動かし、ジュリエッタの手と足を身体ごと拘束する。
どこからかまた攻撃をされるか分からないからな。
すごく魔力を使う、私、倒れないかな?
ジュリエッタを氷付けにして転がす、同時に時を動かす。
「「なっどうなっている」」
2人の声がシンクロする。
バルは閃光が通り過ぎ、しりもちを付いて固まっている。
ジュリエッタは床に転がっている。
ロゼは転がっているジュリエッタを見下ろしている。
「バル、扉を閉めてこっちにこい」
バルは、はっとして扉を閉める。ここだけ見れば、ロゼとバルの方が貴婦人に対して暴行を行っている悪人だ。
「どういうことなの!私になにをしたの!」
「私たちに攻撃したので、拘束した。それだけだ」
ロゼが説明をする。
「あなた達がわたくしを襲ったのでしょう!」
「…」
このやり取りが面倒だな…母ではなかった人と話をする気はない
なぜ、攫ったのか!どうしてこんな酷いことをするのか!とか愚問である。この人はしたかったからしたのだろう。意味なんかない。そんな人と言葉を交わした所で虚しいだけだろう。私はこの人に興味がない。
「バルどうする?これ城に持って帰るか?」
「ちょ、ちょっと待て、ちゃんとこの状況を説明しろ!なんでこんな状態になっているのだ!それに城には王様もいる。こんな危険な女を城に戻すなんて…」
「いちいち答えてやる義務はない。それに親切で言っているのに、この女をこのままどうするつもりだ?こっちは捕まえてやったのだ。王様もわかっていて静観されていたみたいだし、なにもしてこなかった王様にも責任あるんじゃないのか?自分の身は見事に守れてはいるが一般人は無視ときた。そちらが静観なさったおかげで一般人が被害を被った。とっとと保護者に渡してくれ」
ロゼはわざと丁寧な言葉を選び皮肉った。王様に責任があるとは思わないが自分が誘惑されていたことは気づいていただろう。その時点でこの女を監視するとか出来なかったのか。まぁいまさらだ。ということでお返しする。
ジュリエッタは床に転がりながら、なにやら叫んでいる。それをロゼが足で背中を踏みつけている。
「王様かバルのお兄さんの所のどちらかにでも連れていけばいいだろう?」
「…わかった。兄さんの所にしてくれ。ロゼ、俺に捕まってくれ誘導する。でも魔力が足りないからロゼの魔力を貸してくれ」
私もあまりないのだが…
「わかった」
城の中にある公爵家の応接間に転移する。
応接室は誰もいなかった。
ジュリエッタを転がし、公爵家族が来るのを待つ。呼ばなくても転移した気配でこちらに来るだろうとバルが言う。ジュリエッタが以前、城から抜け出した為、登録者以外の転移防止と転移を知らせるのような物が付けられたようだ。化学とはこうやって発展していくんだよねぇ。化学じゃないけど、魔法学?魔学?魔術具学?
ロゼがどうでもいいことを考えていると、ようやく3人の男性が転移して現れた。
1人は長身のイケメンだが、残りの2人はバルそっくりである。
三つ子かよ!!
よく見ると違うがそっくりである。
みんな銀髪に紫の瞳だ。もうなんのレア感もない。
「バール、これは…ジュリエッタどういうことだ?」
「だんな様お助け下さい。そこの平民どもがわたくしに不埒なまねを!!」
「ジュリエッタ…」
トールは自分の内側でなにかが変化し始めている事を考える。
「ジュリエッタ夫人…あなたには今、癒の精霊も闇の精霊も付いてはいませんよ」
ロゼが悪魔の如くささやく
ジュリエッタは憮然とする。
トールも息子たちも動かない。誰もわたくしを助けない。誰も魅了できない。
ジュリエッタはガクガクと震え出しうなだれてしまう。
説明が面倒くさいので時ちゃんにお願いして3人にバルと同じように上映してもらう。
3人となるとかなりの魔力を消費する。そろそろ倒れるかな?
なんで私がこんなことせねばならん、被害者ですけど。でも貴族の女に暴行を働いている。わかってもらえねばこちらが罪人だ。はあ、めんどうな!
「魔力と精霊が今は、ない状態だから大丈夫だとは思うけど」
バルにジュリエッタを教会に閉じ込めている事を説明をする。
「魔力を奪うことが出来るんだな、ロゼは」
バルはなんだかピリついている。
「出来る、レイジュ様の神木に魔力を移す時に反対のことをした。そしたら神木の魔力を奪えた。人では試したことはないよ」
簡単に出来ることではないが、じっとしていてくれれば出来る
「レイジュ様にも試すなよ」
少し落ち着いてきたかな
「なんか出来そうだなって、レイジュ様にはちゃんと承諾を貰ったよ」
「はあ、精霊王様だぞ!」
「はいはい、で、結界解くけどいい?なにがあるか分からないから油断しないでよ」
「…わかったよ」
結界を解くと同時に扉を開ける。同時に自分とバルに結界を張る。同時に赤い閃光がロゼとバルに浴びせられた。
同時に時を止めたロゼはジュリエッタの方に向かう。
バルは赤い閃光にびっくりしてのけ反っている。
油断するなと言ったのに…
バルを引きずって閃光が当たらない所まで移動させる。
ジュリエッタの方は教会に閉じ込められたのが屈辱だったのか暴れて身なりがボロボロになっていた。赤い閃光はジョリエッタの首に掛かっていたネックレスを引きちぎって投げている。どうやらネックレスに攻撃手段が付与されていたようだ。どうりでゴテゴテに着飾っているなと思ったのだ。
全部取っておこう
ゆっくり時を動かし、ジュリエッタの手と足を身体ごと拘束する。
どこからかまた攻撃をされるか分からないからな。
すごく魔力を使う、私、倒れないかな?
ジュリエッタを氷付けにして転がす、同時に時を動かす。
「「なっどうなっている」」
2人の声がシンクロする。
バルは閃光が通り過ぎ、しりもちを付いて固まっている。
ジュリエッタは床に転がっている。
ロゼは転がっているジュリエッタを見下ろしている。
「バル、扉を閉めてこっちにこい」
バルは、はっとして扉を閉める。ここだけ見れば、ロゼとバルの方が貴婦人に対して暴行を行っている悪人だ。
「どういうことなの!私になにをしたの!」
「私たちに攻撃したので、拘束した。それだけだ」
ロゼが説明をする。
「あなた達がわたくしを襲ったのでしょう!」
「…」
このやり取りが面倒だな…母ではなかった人と話をする気はない
なぜ、攫ったのか!どうしてこんな酷いことをするのか!とか愚問である。この人はしたかったからしたのだろう。意味なんかない。そんな人と言葉を交わした所で虚しいだけだろう。私はこの人に興味がない。
「バルどうする?これ城に持って帰るか?」
「ちょ、ちょっと待て、ちゃんとこの状況を説明しろ!なんでこんな状態になっているのだ!それに城には王様もいる。こんな危険な女を城に戻すなんて…」
「いちいち答えてやる義務はない。それに親切で言っているのに、この女をこのままどうするつもりだ?こっちは捕まえてやったのだ。王様もわかっていて静観されていたみたいだし、なにもしてこなかった王様にも責任あるんじゃないのか?自分の身は見事に守れてはいるが一般人は無視ときた。そちらが静観なさったおかげで一般人が被害を被った。とっとと保護者に渡してくれ」
ロゼはわざと丁寧な言葉を選び皮肉った。王様に責任があるとは思わないが自分が誘惑されていたことは気づいていただろう。その時点でこの女を監視するとか出来なかったのか。まぁいまさらだ。ということでお返しする。
ジュリエッタは床に転がりながら、なにやら叫んでいる。それをロゼが足で背中を踏みつけている。
「王様かバルのお兄さんの所のどちらかにでも連れていけばいいだろう?」
「…わかった。兄さんの所にしてくれ。ロゼ、俺に捕まってくれ誘導する。でも魔力が足りないからロゼの魔力を貸してくれ」
私もあまりないのだが…
「わかった」
城の中にある公爵家の応接間に転移する。
応接室は誰もいなかった。
ジュリエッタを転がし、公爵家族が来るのを待つ。呼ばなくても転移した気配でこちらに来るだろうとバルが言う。ジュリエッタが以前、城から抜け出した為、登録者以外の転移防止と転移を知らせるのような物が付けられたようだ。化学とはこうやって発展していくんだよねぇ。化学じゃないけど、魔法学?魔学?魔術具学?
ロゼがどうでもいいことを考えていると、ようやく3人の男性が転移して現れた。
1人は長身のイケメンだが、残りの2人はバルそっくりである。
三つ子かよ!!
よく見ると違うがそっくりである。
みんな銀髪に紫の瞳だ。もうなんのレア感もない。
「バール、これは…ジュリエッタどういうことだ?」
「だんな様お助け下さい。そこの平民どもがわたくしに不埒なまねを!!」
「ジュリエッタ…」
トールは自分の内側でなにかが変化し始めている事を考える。
「ジュリエッタ夫人…あなたには今、癒の精霊も闇の精霊も付いてはいませんよ」
ロゼが悪魔の如くささやく
ジュリエッタは憮然とする。
トールも息子たちも動かない。誰もわたくしを助けない。誰も魅了できない。
ジュリエッタはガクガクと震え出しうなだれてしまう。
説明が面倒くさいので時ちゃんにお願いして3人にバルと同じように上映してもらう。
3人となるとかなりの魔力を消費する。そろそろ倒れるかな?
なんで私がこんなことせねばならん、被害者ですけど。でも貴族の女に暴行を働いている。わかってもらえねばこちらが罪人だ。はあ、めんどうな!
322
お気に入りに追加
5,493
あなたにおすすめの小説
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
自重をやめた転生者は、異世界を楽しむ
饕餮
ファンタジー
書籍発売中!
詳しくは近況ノートをご覧ください。
桐渕 有里沙ことアリサは16歳。天使のせいで異世界に転生した元日本人。
お詫びにとたくさんのスキルと、とても珍しい黒いにゃんこスライムをもらい、にゃんすらを相棒にしてその世界を旅することに。
途中で魔馬と魔鳥を助けて懐かれ、従魔契約をし、旅を続ける。
自重しないでものを作ったり、テンプレに出会ったり……。
旅を続けるうちにとある村にたどり着き、スキルを使って村の一番奥に家を建てた。
訳アリの住人たちが住む村と、そこでの暮らしはアリサに合っていたようで、人間嫌いのアリサは徐々に心を開いていく。
リュミエール世界をのんびりと冒険したり旅をしたりダンジョンに潜ったりする、スローライフ。かもしれないお話。
★最初は旅しかしていませんが、その道中でもいろいろ作ります。
★本人は自重しません。
★たまに残酷表現がありますので、苦手な方はご注意ください。
表紙は巴月のんさんに依頼し、有償で作っていただきました。
黒い猫耳の丸いものは作中に出てくる神獣・にゃんすらことにゃんこスライムです。
★カクヨムでも連載しています。カクヨム先行。
実家から絶縁されたので好きに生きたいと思います
榎夜
ファンタジー
婚約者が妹に奪われた挙句、家から絶縁されました。
なので、これからは自分自身の為に生きてもいいですよね?
【ご報告】
書籍化のお話を頂きまして、31日で非公開とさせていただきますm(_ _)m
発売日等は現在調整中です。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。