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第1章

時の精霊

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ジュリエッタに付いている精霊たちを、とりあえずみんな連れて行く。

「ジュリエッタはあなた達が見えているのよね?」
『見えてるけどあなたみたいに話はしないよ』

 話さないの?
 ああ、さっきの事はそれか。なんか色々あるのね。

 みんな私の魔力美味しくない?

『『美味しい~』』

 後でジュリエッタの所に戻ってもいいから、とりあえず私と一緒に来てくれない?
『いまだけ?』
 そう、
『ん~』
 お願い。ジュリエッタのことちょっと聞きたいし、ね
ロゼは手を合わせて精霊たちにお願いをする。
『わかった~』
 ジュリエッタの契約している精霊にも一度契約を解消してもらう。そして精霊全員一緒に来て貰える事になった。教会の前に転移する。
バルを連れてレイジュ様の所に転移する。

「なんだ、どうしたんだ?義姉上との話は終わったのか?」
バルはレイジュ様の所に無理やり連れて来られた事に驚いている。
「逃げてきた」
「は?」
「まだ貸し切りの時間はあるだろ?」
「それは、時間はほとんど過ぎてないが…」
「母には教会で待ってもらっている」

 ロゼはジュリエッタの精霊はもちろんの事、魔力もほぼ抜き去り、教会に結界を施して逃がさないようにして閉じ込めている。

「ちょっと落ち着いて考えたい。少ししたら声を掛ける」
 バルにもまだ説明出来ない
「俺は義姉上の所にいようか?あれでも公爵夫人だ。一人には出来ない」
「俺は送らないぞ」
 ロゼはバルに見えないように神木の裏に行く
「え…」
 また「俺」に戻っている。最近は私と言っていたのに、どうしたというのだ。何か言われたのか。様子を見るしかないのだな、俺はなにも出来ない…

 一人では集落に戻ることはバルには出来ない。距離があり過ぎる。

 俺はグラス何杯の魔力があるのだろうか?








 ミルが見つかった?まぁすいぶん掛ったのね。相変わらず無能ですこと。
まぁいいわ。さぁ早くわたくしの前に差し出しなさい。
は?わたくしが王都の外の集落に行けと?なんということ…わたくしは公爵夫人だという事を忘れているのではなくて…はぁ仕方がないわね。

 あの子は相当な精霊付きのはず。闇をたくさん持っていてくれたらいいのに
今すぐにでも、明日にでも会いたいわ。仕方がないのでこのわたくしが出向いてあげましょう。


 まあ、何ということでしょう。この娘がわたくしと同じ王家の血を引くものだと言うの?まるで華がないわ。ローズ系の似合わない安物のドレスなど着てなんとも田舎くさい普通の子。すごいのは精霊の数だけね。

 まぁ、闇を8体も持っているのはうれしい誤算ね。
全部頂くわ。さぁわたくしに差し出しなさい!



 どういうことなの!急に消えたわ。転移したのかしら。転移する前には微妙な波動が出ているから分かるはずなのに、急に消えた。
 わたくしの美しさ力強さを感じて、口も聞けなかった貧相なジュリエットの娘。ずっと私が連れ去ったと言って抗議していたけど、魔力も精霊の数も私にはかなわない貧弱でうるさいジュリエット。このわたくしに逆らえるはずないのに

 訳が分からないわ。仕方がないわね。城に戻って出直しましょう

 転移できない…どういうこと?

 はっ精霊が1体もいない!!そんなバカな!
 教会の扉も開かない。
 なんだか、身体が重い…魔力が感じられない

「誰かいないの!ここを開けなさい!わたくしを誰だと思っているの!わたくしはジョニラトール・ディ・ロイス公爵の妻よ!こんなこと許されなくってよ」
 なぜ?聞こえないの? なぜ…

 ドンドン 扉を叩く、ジュリエッタ

 その扉は固く閉じ、声が外に漏れることもない強力な結界





 しばらく、絶望してもらう

 ロゼは精霊たちに今までの話を聞くことにする。
自分の本当の親のこと、ジュリエッタとジョセフの関係。
ちょっと、気が高まっていることもあり、ロゼは下着姿になり泉に入る。

 ジュリエッタに付いていた時ちゃんにお願いをし、ジュリエッタの記憶を見せてもらう。話を聞くより早い

 時の精霊は時代の背景を記憶しているというより、主人の記憶を抜粋して見せていたようだ。なのでロゼの時ちゃんも遠い未来のその主人に、ロゼの記憶を覗かれてしまうという事だ。

 絶対に見せるなと約束をさせねば

 ジュリエッタの時ちゃんとおでことおでこを合わせ、ジュリエッタの半生を見せてもらう。さながら上映会だ。そこにはジュリエッタの感情と嫉妬が入り混じった記憶が映し出された。恵まれた環境で育ったジュリエッタは誰に嫉妬していたのか。

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