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第1章
精霊王
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ロゼはバルの手を取り、転移する。
そこはお風呂にしている、レイジュ様の所だ。
ロゼは身体が重かった。生理前だったのだ。だからちょっと感情的にもなった。
ロゼは転移してすぐにバルを残して神木に転移した。
そして神木に自身の魔力を移した。
ちょっとすると身体が軽くなり、靴を脱ぎ棄て、服のまま温泉に入る。バルはほったらかしだ。
ふぅとひと息付く。
『これ、おまいさんが連れてきたもんを紹介しないか』
レイジュ様に怒られた。
そうだった。それよりバルはレイジュ様が見えているのか?
「バル、こちらレイジュ様。世界樹の精霊だよ。仲良くしてくれ」
バルはまたもや思考が止まっている。
見えるのだな。
バルを座らせ、泉の水を飲ませる。なんかまた、ブツブツ言っている。
身体が温かくなったようで落ち着きを取り戻した。
「ロロロロゼ!どどどどどどどどどういうことだ!こここここはここはどこだ!?」
落ち着いてはなかったな。
「バル、レイジュ様にご挨拶して」
はっとして、バルはレイジュ様に向き直る。
「はじめまして、レイジュ様。私は元貴族で今はバルと名乗っております。ロゼの叔父になります」
すっと片足を地面につけ、胸に手をやり、貴族のような挨拶をする。
『そうか、仲良くしてくれ』
レイジュ様はにっこりと笑っている
「は、はい」
バルはかしこまる
「ここはバルが魔獣依頼をしていたときに迷い込んだ場所だ。偶然見つけた。温かい水が湧いているなと思っていたら、こちらのレイジュ様がいなさったのだ」
ロゼはまた白々しく嘘の経緯話す。
精霊が見える事は告白していいのか、まだわからない。
「ここはルクセルボルン王国なのか?」
「…知らない、レイジュ様ここはルクセルボルンなの?」
『違うのぉ。ここはどこの国にも属しておらんな』
「だって。え?聞こえているよね?」
「聞こえている…」
「レ、レイジュ様はその…精霊王ヒース様でよろしいのでしょうか?」
『まぁ、そう呼ばれていたことがあるな』
なんてこった…
「え?精霊王ヒース?あの教会にある像の?えっマジで?」
マジ?
『マジじゃ』
え?
レイジュ様はロゼの口調に似てきた。
「おしえてよ~」
なんでわからなかったんだ!
「そういえば精霊王とか言ってたね。はは。違う精霊王かと思った」
ちがう精霊王ってなんだ!
『どっちでもよいのじゃ』
いいのですか?
「教会の石像と随分違うね」
だから失礼だぞ!お年を召したのだ!
『あれは若い頃じゃな』
神々しいお姿です
「見たことあるの?」
確かに…
『あるの、昔はふらっと遊びに行ったもんじゃ』
なんと!
「また、遊びに行けば?」
なんてこと言うんだ!
『わしが動くと魔素も動く。街中が大変なことになるのぉ』
どういうことだ?
「へ~そうなんだ、それは大変だ。あはは」
あはは、じゃない!なんで精霊王と普通に話せるんだ!
「レイジュ様ってなんか若くなった?はじめて会ったときって、もっとしわしわの爺さんじゃなかった?」
なんてこと言うんだ!おまえは!
『おまいさんの魔力を貰っているからだろう』
魔力を?
「あ~でもそんなにすぐ効果が出るの?」
ど、どういうことだよ
『おまいさんの魔力はおまいさんの身体が支えられないほどの量がある。グラス1杯が普通人間の魔力だとすると、おまいさんの魔力はグラスが…10杯くらいはあるかの』
そ、そんなに…
「すごいね」
なんで他人事なんだ
『あまりに多いから6杯分取っておる』
「意外と取ってる。あははは」
だから、なんで笑えるんだ
『今だけじゃな、もう少ししたら魔力も落ち着くグラス3杯くらいになるの。人よりちょっとだけ多いくらいになるのぉ』
「え?少なくなるの?ここにこれる?」
『それは大丈夫じゃ、魔力切れを起こしたらわしのをやろう』
「ここにはグラス何杯でこれるの?」
『3杯じゃ』
「ギリギリじゃん!」
『ふぉふぉふぉふぉ』
もうなにを言っているのか、わからない。
2人はレイジュ様に別れを告げ、王都の手前に転移する。今日は別の宿を取る。
バルが選んだ宿はちょっといいとこだった。
「ん~ちょっとここ高そうじゃない?もう貴族じゃないんだからこんな贅沢な宿やめなよ」
「え?そうか…馴染みなんだが…」
ちょっと移動してそれなりの宿を探す。
「今日はここにしよう」
「ここを冬の宿にするのか?」
「いや、2,3日だな。色々泊まっていいところを選ぶよ」
色々な集落を見たいし
「え?面倒だろう」
「まだ駅馬車が止まるまで時間がある。ていうかバルはもう家に帰っていいよ」
「え!なんでだよ」
「いや…私はまだ王都に入れないけどバルは入れるだろう」
「いや、まあそうだが…いや、雪が降るまでロゼに付き合う。1人にするのは心配だ。冬の宿が決まったら帰るよ。春になったらまた来る」
「心配って…」
今まで一人だったんだが…あぁめそめそ泣いたのが悪かったか
レイジュ様は私の魔力がグラス3杯に落ち着くって言っていたけど今まで駄々洩れだった魔力が少なくなるってことだ。今いる100体の精霊たちは離れちゃうのかな?
8体の契約した精霊はどうなるのだろう。
バルがいたからあまり、詳しくは聞けなかった。バルが家に戻ったらレイジュ様の所にいるつもりだからその時に聞こう。
そこはお風呂にしている、レイジュ様の所だ。
ロゼは身体が重かった。生理前だったのだ。だからちょっと感情的にもなった。
ロゼは転移してすぐにバルを残して神木に転移した。
そして神木に自身の魔力を移した。
ちょっとすると身体が軽くなり、靴を脱ぎ棄て、服のまま温泉に入る。バルはほったらかしだ。
ふぅとひと息付く。
『これ、おまいさんが連れてきたもんを紹介しないか』
レイジュ様に怒られた。
そうだった。それよりバルはレイジュ様が見えているのか?
「バル、こちらレイジュ様。世界樹の精霊だよ。仲良くしてくれ」
バルはまたもや思考が止まっている。
見えるのだな。
バルを座らせ、泉の水を飲ませる。なんかまた、ブツブツ言っている。
身体が温かくなったようで落ち着きを取り戻した。
「ロロロロゼ!どどどどどどどどどういうことだ!こここここはここはどこだ!?」
落ち着いてはなかったな。
「バル、レイジュ様にご挨拶して」
はっとして、バルはレイジュ様に向き直る。
「はじめまして、レイジュ様。私は元貴族で今はバルと名乗っております。ロゼの叔父になります」
すっと片足を地面につけ、胸に手をやり、貴族のような挨拶をする。
『そうか、仲良くしてくれ』
レイジュ様はにっこりと笑っている
「は、はい」
バルはかしこまる
「ここはバルが魔獣依頼をしていたときに迷い込んだ場所だ。偶然見つけた。温かい水が湧いているなと思っていたら、こちらのレイジュ様がいなさったのだ」
ロゼはまた白々しく嘘の経緯話す。
精霊が見える事は告白していいのか、まだわからない。
「ここはルクセルボルン王国なのか?」
「…知らない、レイジュ様ここはルクセルボルンなの?」
『違うのぉ。ここはどこの国にも属しておらんな』
「だって。え?聞こえているよね?」
「聞こえている…」
「レ、レイジュ様はその…精霊王ヒース様でよろしいのでしょうか?」
『まぁ、そう呼ばれていたことがあるな』
なんてこった…
「え?精霊王ヒース?あの教会にある像の?えっマジで?」
マジ?
『マジじゃ』
え?
レイジュ様はロゼの口調に似てきた。
「おしえてよ~」
なんでわからなかったんだ!
「そういえば精霊王とか言ってたね。はは。違う精霊王かと思った」
ちがう精霊王ってなんだ!
『どっちでもよいのじゃ』
いいのですか?
「教会の石像と随分違うね」
だから失礼だぞ!お年を召したのだ!
『あれは若い頃じゃな』
神々しいお姿です
「見たことあるの?」
確かに…
『あるの、昔はふらっと遊びに行ったもんじゃ』
なんと!
「また、遊びに行けば?」
なんてこと言うんだ!
『わしが動くと魔素も動く。街中が大変なことになるのぉ』
どういうことだ?
「へ~そうなんだ、それは大変だ。あはは」
あはは、じゃない!なんで精霊王と普通に話せるんだ!
「レイジュ様ってなんか若くなった?はじめて会ったときって、もっとしわしわの爺さんじゃなかった?」
なんてこと言うんだ!おまえは!
『おまいさんの魔力を貰っているからだろう』
魔力を?
「あ~でもそんなにすぐ効果が出るの?」
ど、どういうことだよ
『おまいさんの魔力はおまいさんの身体が支えられないほどの量がある。グラス1杯が普通人間の魔力だとすると、おまいさんの魔力はグラスが…10杯くらいはあるかの』
そ、そんなに…
「すごいね」
なんで他人事なんだ
『あまりに多いから6杯分取っておる』
「意外と取ってる。あははは」
だから、なんで笑えるんだ
『今だけじゃな、もう少ししたら魔力も落ち着くグラス3杯くらいになるの。人よりちょっとだけ多いくらいになるのぉ』
「え?少なくなるの?ここにこれる?」
『それは大丈夫じゃ、魔力切れを起こしたらわしのをやろう』
「ここにはグラス何杯でこれるの?」
『3杯じゃ』
「ギリギリじゃん!」
『ふぉふぉふぉふぉ』
もうなにを言っているのか、わからない。
2人はレイジュ様に別れを告げ、王都の手前に転移する。今日は別の宿を取る。
バルが選んだ宿はちょっといいとこだった。
「ん~ちょっとここ高そうじゃない?もう貴族じゃないんだからこんな贅沢な宿やめなよ」
「え?そうか…馴染みなんだが…」
ちょっと移動してそれなりの宿を探す。
「今日はここにしよう」
「ここを冬の宿にするのか?」
「いや、2,3日だな。色々泊まっていいところを選ぶよ」
色々な集落を見たいし
「え?面倒だろう」
「まだ駅馬車が止まるまで時間がある。ていうかバルはもう家に帰っていいよ」
「え!なんでだよ」
「いや…私はまだ王都に入れないけどバルは入れるだろう」
「いや、まあそうだが…いや、雪が降るまでロゼに付き合う。1人にするのは心配だ。冬の宿が決まったら帰るよ。春になったらまた来る」
「心配って…」
今まで一人だったんだが…あぁめそめそ泣いたのが悪かったか
レイジュ様は私の魔力がグラス3杯に落ち着くって言っていたけど今まで駄々洩れだった魔力が少なくなるってことだ。今いる100体の精霊たちは離れちゃうのかな?
8体の契約した精霊はどうなるのだろう。
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