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第39話 異国は2回目ですね
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ノーズレクスに船が出ている国「パルドブロム」に向かう。ソレイドホークからパルドブロムは待合馬車なら一ヶ月ほどかかってしまうが、虹の橋を渡れば一分だ。しかし急に虹の橋が現れると注目されてしまうのでもちろんお願いはしない。
カミノアからは「ぶっ飛していけば数分で着くよ」と言われた。今の時期水の中は冷えてしまうので、コートやなんやかんや買い込んだ。完全防備状態でカミノアにお願いをする。しかしぶっ飛ばさなくていいかねというお願いも忘れない。
ルイは濡れないように自分とモナルダとラグ爺の全身に膜を張った。カミノアが憑依している子猫の身体はストンと眠りに付きルイの腕の中で眠っている。少し気を残しているので寝ている状態にしているとカミノアは言った。
そして、物凄いスピードで水の中を駆け抜けた。一時間も掛からず、水中を楽しむこともなくパルドブロムに到着した。
あまり長く乗っていると体調を崩しそうだ。ルイはフラフラになりながらこっそりと湖から出て「パルドブロム」の港を付近を歩き出した。
多くの人はここからノーズレスクに船で向かうようだ。もちろんルイはカミノア特急にお願いをする。そのままノーズレスクに向ってもよかったのだがノーズレスクを知る為一旦、パルドブロムに滞在する事にしたのだ。
パルドブロムはノーズレスクに行くために集まった旅人で国が少し潤っている国のようだ。しかしのんびりとしていて自然も豊富で住むにはいい所のよう気がする。田舎風景が懐かしく思う。
市場には珍しい野菜や果物が並んでいる。ルイはお金を少しパルドブロムの単位ルーに換え市場を散策する事にした。
ルイ御一行は非常に目立った。ルイは肩に青いオウムを乗せ、肩掛けカバンからはウサギが顔を出している。そして子猫が後ろからチョコチョコとついて歩いているのである。目立たない訳はない。
ルイの今の姿はオレンジの髪に緑の瞳にしていた。ちょっと元気のいい感じに見えればいいかと派手めの色にしたのだ。しかし、オレンジに黒、肩には青にカバンにはモゾモゾと動くグレー、色がガチャガチャになってしまった。そもそも旅行にペットを連れて行く人はいないし、住民でも動物を連れて市場に着たりはしないからだ。だからと言って動物禁止と言われる事もなく買い物や買い食いを楽しんだ。
本当にどうでもいいのだが曲がり角を曲がって人目が途絶えた所で薄い青い髪、瞳に変更した。青色コーデにしちょっとだけまとまったように思う。
パルドブロムに一泊して明日ノーズレクスに向かう事にする。
ルイはランチをしながら宿の情報を店員さんに聞き、海の近くに立っている宿に目星を付けた。その宿は明後日の船便でノーズレクスに観光に向かうお客さんでいっぱいだった。一部屋だけキャンセルがあり空いていた。
部屋を借りられた後は宿の周りや小さな庭園を散歩したり部屋で買ったものを整理したり、みんなとまったりした時間を過ごした。しばらくすると部屋の廊下から宿の従業員が夕食の準備が出来ましたと声が聞こえた。ルイはみんな分も貰って来るからと食堂に向かった。
ルイはみんなのご飯も宿の人に言って確保した後、ひとりで夕食を食べていた。そこへルイにふたりの若い女性が話かけて来た。
「さっき、オウムやウサギと子猫を連れて来ていたでしょう?チェックインしている所を見かけたのよ」
「ええ」
「可愛いわね。ここは動物もOKの宿なのね」
「そうみたい。ダメ元で聞いたのだけどよかったわ。でも壊したり傷を付けたりしたら弁償だとも言われたわ」
「私、動物大好きなの。部屋に行ってもいいかしら?」
「え、ええ?」
「ローズ、無理を言ってはダメよ」
「ええぇ?でもぉ…」
ローズと呼ばれている女性はルイをチラチラと見ている。ルイのいいよを待っているのだろう。普段から甘え上手な女の子で自分の願いはすべて叶うと信じて疑わない人なのだろうと推測する。まだ若くルイより年下かもしれない。身なりは裕福な商人の娘といった感じだ。一緒にいる女性はお付きの人だろうか。
「ごめんなさいね。いつも我が儘ばかり言って困らせるの。許してあげてね。この子はローズ、私はいとこのハートよ。さ、もう部屋に戻りましょう、ローズ」
「ああん、ハートぉ」
腕を取られローズはハートに引っ張られ後ろ髪を引かれながら食堂を出た。いくら女の子でも初めてあった人を宿の部屋に招くことは躊躇した。女のひとり旅は危険なのだ。あの女の子たちのバックに悪の組織とかが付いていないという確証はない。攫われて売られても自己責任なのである。
ルイは神獣をこれでもかって言うほど連れているので平気ではあるが。
カミノアからは「ぶっ飛していけば数分で着くよ」と言われた。今の時期水の中は冷えてしまうので、コートやなんやかんや買い込んだ。完全防備状態でカミノアにお願いをする。しかしぶっ飛ばさなくていいかねというお願いも忘れない。
ルイは濡れないように自分とモナルダとラグ爺の全身に膜を張った。カミノアが憑依している子猫の身体はストンと眠りに付きルイの腕の中で眠っている。少し気を残しているので寝ている状態にしているとカミノアは言った。
そして、物凄いスピードで水の中を駆け抜けた。一時間も掛からず、水中を楽しむこともなくパルドブロムに到着した。
あまり長く乗っていると体調を崩しそうだ。ルイはフラフラになりながらこっそりと湖から出て「パルドブロム」の港を付近を歩き出した。
多くの人はここからノーズレスクに船で向かうようだ。もちろんルイはカミノア特急にお願いをする。そのままノーズレスクに向ってもよかったのだがノーズレスクを知る為一旦、パルドブロムに滞在する事にしたのだ。
パルドブロムはノーズレスクに行くために集まった旅人で国が少し潤っている国のようだ。しかしのんびりとしていて自然も豊富で住むにはいい所のよう気がする。田舎風景が懐かしく思う。
市場には珍しい野菜や果物が並んでいる。ルイはお金を少しパルドブロムの単位ルーに換え市場を散策する事にした。
ルイ御一行は非常に目立った。ルイは肩に青いオウムを乗せ、肩掛けカバンからはウサギが顔を出している。そして子猫が後ろからチョコチョコとついて歩いているのである。目立たない訳はない。
ルイの今の姿はオレンジの髪に緑の瞳にしていた。ちょっと元気のいい感じに見えればいいかと派手めの色にしたのだ。しかし、オレンジに黒、肩には青にカバンにはモゾモゾと動くグレー、色がガチャガチャになってしまった。そもそも旅行にペットを連れて行く人はいないし、住民でも動物を連れて市場に着たりはしないからだ。だからと言って動物禁止と言われる事もなく買い物や買い食いを楽しんだ。
本当にどうでもいいのだが曲がり角を曲がって人目が途絶えた所で薄い青い髪、瞳に変更した。青色コーデにしちょっとだけまとまったように思う。
パルドブロムに一泊して明日ノーズレクスに向かう事にする。
ルイはランチをしながら宿の情報を店員さんに聞き、海の近くに立っている宿に目星を付けた。その宿は明後日の船便でノーズレクスに観光に向かうお客さんでいっぱいだった。一部屋だけキャンセルがあり空いていた。
部屋を借りられた後は宿の周りや小さな庭園を散歩したり部屋で買ったものを整理したり、みんなとまったりした時間を過ごした。しばらくすると部屋の廊下から宿の従業員が夕食の準備が出来ましたと声が聞こえた。ルイはみんな分も貰って来るからと食堂に向かった。
ルイはみんなのご飯も宿の人に言って確保した後、ひとりで夕食を食べていた。そこへルイにふたりの若い女性が話かけて来た。
「さっき、オウムやウサギと子猫を連れて来ていたでしょう?チェックインしている所を見かけたのよ」
「ええ」
「可愛いわね。ここは動物もOKの宿なのね」
「そうみたい。ダメ元で聞いたのだけどよかったわ。でも壊したり傷を付けたりしたら弁償だとも言われたわ」
「私、動物大好きなの。部屋に行ってもいいかしら?」
「え、ええ?」
「ローズ、無理を言ってはダメよ」
「ええぇ?でもぉ…」
ローズと呼ばれている女性はルイをチラチラと見ている。ルイのいいよを待っているのだろう。普段から甘え上手な女の子で自分の願いはすべて叶うと信じて疑わない人なのだろうと推測する。まだ若くルイより年下かもしれない。身なりは裕福な商人の娘といった感じだ。一緒にいる女性はお付きの人だろうか。
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「ああん、ハートぉ」
腕を取られローズはハートに引っ張られ後ろ髪を引かれながら食堂を出た。いくら女の子でも初めてあった人を宿の部屋に招くことは躊躇した。女のひとり旅は危険なのだ。あの女の子たちのバックに悪の組織とかが付いていないという確証はない。攫われて売られても自己責任なのである。
ルイは神獣をこれでもかって言うほど連れているので平気ではあるが。
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