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第15話
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確かに、一度陛下に献上して国のために弓矢にして貰った方が世のためだろう。しかしわざわざペガサスのウィリーから自分にと言われたものを人に渡してしまうのは嫌だった。
私の我儘だろうか…
「姉さま、気にしないで貰ってください。えっと、ここだけの話なんだけど、レモンナスをウィリーに食べて貰ってすごく上機嫌でね。その時に抜け落ちていた羽根を素材として使わせてほしいとお願いしたんです。もちろんお金儲けじゃなくて、数百年に一度起こるかもしれないスタンピード対策用にって。そしたら、ウィリーも納得してくれて、今度陛下に報告する予定なんです。でもこの間、父様に叱られたばかりだったから、報告するまでは言わないでおこうと思っていたのです。僕は姉さまの言う事も一理あると思っていたので、ウィリーに頼みました。でもまだ誰にも行ってない事だから秘密にしてくださいよ!」
「そ、そうか…」
父も兄もなにか納得したようだ。
「しかし、飾りはやめた方がいい。業突く張りの貴族に目を付けられてしまう。危険な目に合うかもしれないよ」
確かに…
「お守りとして持っておくわ」
「それがいい」
父はため息交じりに言った。
▼
▼
茶会の次の日には兄のベゴニアに泉はどこだと、数人の部下を引き連れてやって来た。マリアには少し森に行くといい、兄の一行に泉を案内する事になった。
「兄さまにしては手際が良いですね」
と、部下に聞こえないよう小声で話をした。
「天然の魔法水なんてどんなに探しても発見できるものではないよ。もし本当に天然の魔法水ならば陛下から爵位を頂けるかもしれない大発見なんだぞ」
「そういうものでしたか…」
そして、しばらく森の中を歩いている中、兄から話しかけられた。
「本当は散歩ではないんだろう?」
父の手前そう言った事はバレているようだ。
「父様に女中をしていると言わないでくれてありがとう。父様に知られてしまったら泣かれてしまうわ」
「連れ戻されてしまうだろうな」
「冬に備えて薪を拾いに歩いていたの。城用ではなく自分の部屋用ね。兄さま達の部屋には魔道熱伝導式の暖炉が導入なれているでしょうけど、私のような女中は自分で火をくべるのよ。薪も買うと高いし…」
「…」
「すいぶんと奥に来てしまって、帰ろうとしていた所に違和感があって…」
「違和感?」
「ええ、何かモヤモヤと重い空気というか…何か「うっ」て、なるような感覚がするの。そういう時って大抵魔素が多い場所なの。それか魔素が詰まった魔石があるとかね、だから今回も何かお金になりそうなものが落ちているんじゃないかと思って…」
魔石を拾ってお金に換えた事があるが、城が管理している森のモノなのでちょっと黒に近いがウィスタリアは気にしない。
「…今回も?お金になりそうって。お金に苦労をしたことなんてないだろう?」
「女中の給金って知ってる?」
「お前が侍女を首になってもメイドを首になっても辞めないと言ったんだろう?家に戻ればよかったんじゃないのか?」
「兄さま、そんなんじゃないのよ。私なりに独り立ちしたかったの。でもお金がないのは別問題よ」
「そうか…」
「で、行ってみたら泉が湧いていたのよ」
「その…モヤモヤが気になるな…ウィスタリアは魔素が多い場所が分かるって言っている事になるが…」
「どうかしら、たまたまかもしれないし、そうでもないのかもしれない」
「…それはギフトではないかな?魔素が分かるギフト…」
「あら、私にもギフトが?それは嬉しいけど…どういう時に役に立つのかしら?」
ギフトがどのようなものがあるのかはよく分かっていはいない。父は鑑定、兄は植物特価、弟はテイムと分かりやすいギフトもあるが、ギフト持ちでもどんな事で役立たせるようになるかは本人次第だ。
ギフトは全員が貰えるわけでもない。母や妹などはない。しかしウィスタリアもないと思われていた。母や妹にも隠れたギフトがあるのかもしれない。
私の我儘だろうか…
「姉さま、気にしないで貰ってください。えっと、ここだけの話なんだけど、レモンナスをウィリーに食べて貰ってすごく上機嫌でね。その時に抜け落ちていた羽根を素材として使わせてほしいとお願いしたんです。もちろんお金儲けじゃなくて、数百年に一度起こるかもしれないスタンピード対策用にって。そしたら、ウィリーも納得してくれて、今度陛下に報告する予定なんです。でもこの間、父様に叱られたばかりだったから、報告するまでは言わないでおこうと思っていたのです。僕は姉さまの言う事も一理あると思っていたので、ウィリーに頼みました。でもまだ誰にも行ってない事だから秘密にしてくださいよ!」
「そ、そうか…」
父も兄もなにか納得したようだ。
「しかし、飾りはやめた方がいい。業突く張りの貴族に目を付けられてしまう。危険な目に合うかもしれないよ」
確かに…
「お守りとして持っておくわ」
「それがいい」
父はため息交じりに言った。
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茶会の次の日には兄のベゴニアに泉はどこだと、数人の部下を引き連れてやって来た。マリアには少し森に行くといい、兄の一行に泉を案内する事になった。
「兄さまにしては手際が良いですね」
と、部下に聞こえないよう小声で話をした。
「天然の魔法水なんてどんなに探しても発見できるものではないよ。もし本当に天然の魔法水ならば陛下から爵位を頂けるかもしれない大発見なんだぞ」
「そういうものでしたか…」
そして、しばらく森の中を歩いている中、兄から話しかけられた。
「本当は散歩ではないんだろう?」
父の手前そう言った事はバレているようだ。
「父様に女中をしていると言わないでくれてありがとう。父様に知られてしまったら泣かれてしまうわ」
「連れ戻されてしまうだろうな」
「冬に備えて薪を拾いに歩いていたの。城用ではなく自分の部屋用ね。兄さま達の部屋には魔道熱伝導式の暖炉が導入なれているでしょうけど、私のような女中は自分で火をくべるのよ。薪も買うと高いし…」
「…」
「すいぶんと奥に来てしまって、帰ろうとしていた所に違和感があって…」
「違和感?」
「ええ、何かモヤモヤと重い空気というか…何か「うっ」て、なるような感覚がするの。そういう時って大抵魔素が多い場所なの。それか魔素が詰まった魔石があるとかね、だから今回も何かお金になりそうなものが落ちているんじゃないかと思って…」
魔石を拾ってお金に換えた事があるが、城が管理している森のモノなのでちょっと黒に近いがウィスタリアは気にしない。
「…今回も?お金になりそうって。お金に苦労をしたことなんてないだろう?」
「女中の給金って知ってる?」
「お前が侍女を首になってもメイドを首になっても辞めないと言ったんだろう?家に戻ればよかったんじゃないのか?」
「兄さま、そんなんじゃないのよ。私なりに独り立ちしたかったの。でもお金がないのは別問題よ」
「そうか…」
「で、行ってみたら泉が湧いていたのよ」
「その…モヤモヤが気になるな…ウィスタリアは魔素が多い場所が分かるって言っている事になるが…」
「どうかしら、たまたまかもしれないし、そうでもないのかもしれない」
「…それはギフトではないかな?魔素が分かるギフト…」
「あら、私にもギフトが?それは嬉しいけど…どういう時に役に立つのかしら?」
ギフトがどのようなものがあるのかはよく分かっていはいない。父は鑑定、兄は植物特価、弟はテイムと分かりやすいギフトもあるが、ギフト持ちでもどんな事で役立たせるようになるかは本人次第だ。
ギフトは全員が貰えるわけでもない。母や妹などはない。しかしウィスタリアもないと思われていた。母や妹にも隠れたギフトがあるのかもしれない。
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