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第8話 終点
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さくらは、相変わらず落下している。
いつまで落下するのかな?もう死んでるのかな?普通もう意識なくなってるよね?なんか神様が出て来て異世界にワープしたりして…
出てこないね…
ブラジルまで行くんじゃないの…
父兄姉、友人、職場の同僚、みんなの反応が見れて面白かったな。普通見れないもんね。父からは謝罪されたし、姉はワザと意地悪してた事がわかった。それは別にいい、私だっていい子ではなかった。イライラして姉に八つ当たりを何度もした。その事について追及しないは姉の優しい所ね。トシちゃんはひどいね。まあ、自分の子じゃないっていうのは事実だけどね。兄が妹の責任を負う必要はないのだが、なんか…いい方ってあるじゃん。まあ、面倒そうにしてはいたけど保証人になってくれたのは有難かったけどね。
そっかぁ、私ってそんなに同僚に嫉まれてたのか…そんな出世組とは知らなかった。主任になる人って結構いるのに…女性でちょっと早かったからかな?
でももう10年以上主任だよ。結局、主任止まりだったと思うけどね。もう20年働いていたから疲れてはいたよね。そりゃあ男性は女性と違って死ぬまで働くというプレッシャーがあるかもしれないが、女性はそれプラス気遣いも必要になってくる。それがまた面倒だよ。それが苦手だったから嫉まれもしたんだろうね。
高校の友達が良子の事を気が付いていたとは意外だった。ま、あからさまではあったからね。なかなか指摘は出来ないよね。あの場で言ってくれてありがとう。私が辛かったと気が付いてくれてありがとう。
シャレで一緒に人間ドック受けた友人は私の死後の様子は見れなかったな。その人は昔のバイトの先輩だ。18歳の頃からの付き合いのある先輩だったのだがここ10数年は疎遠だった。お互い就職をし相手は結婚をしていた。噂では最近離婚したと聞いたが、わざわざ連絡する必要もないので連絡は取らなかった。しかし、ラインが来て久しぶりにやり取りをしている間に、お互いに年を取ったので人間ドックに行こうとなったのだ。
先輩には一応言った方がよかったかな…ラインの返信がなくなればひどく傷つくだろう。でももうすぐ死ぬなんて言いたくなかった。その先輩の事が見えなかったのはきっとまだ知らないから、その先輩は死ぬまで知らないからかもしれない。
そろそろ終点のようだ。光が見える。あの光の先は何だろう。
そして、光の中に吸い込まれていく急に明るくなった先は、神様がいる雲の上でもなく異世界でもなかった。太陽光がまぶしく次第に視界が晴れ、青空が見えた。さくらは雪の中で転がっている。スマホを見ると散歩を出たときからあまり時間は経っていない。
さくらは、ただコケただけの様だった。
白昼夢というのだろうか。
さくらはゆっくりと立ち上がる。おしりにたくさんの雪が付いている。それを払う。さっきまでのは夢だったのだろうか。それとも近未来の出来事なのか。しかし、自分ががんで闘病中というのは現実だ。
連絡してみようか…な
そう思うさくらであった。
終わり
いつまで落下するのかな?もう死んでるのかな?普通もう意識なくなってるよね?なんか神様が出て来て異世界にワープしたりして…
出てこないね…
ブラジルまで行くんじゃないの…
父兄姉、友人、職場の同僚、みんなの反応が見れて面白かったな。普通見れないもんね。父からは謝罪されたし、姉はワザと意地悪してた事がわかった。それは別にいい、私だっていい子ではなかった。イライラして姉に八つ当たりを何度もした。その事について追及しないは姉の優しい所ね。トシちゃんはひどいね。まあ、自分の子じゃないっていうのは事実だけどね。兄が妹の責任を負う必要はないのだが、なんか…いい方ってあるじゃん。まあ、面倒そうにしてはいたけど保証人になってくれたのは有難かったけどね。
そっかぁ、私ってそんなに同僚に嫉まれてたのか…そんな出世組とは知らなかった。主任になる人って結構いるのに…女性でちょっと早かったからかな?
でももう10年以上主任だよ。結局、主任止まりだったと思うけどね。もう20年働いていたから疲れてはいたよね。そりゃあ男性は女性と違って死ぬまで働くというプレッシャーがあるかもしれないが、女性はそれプラス気遣いも必要になってくる。それがまた面倒だよ。それが苦手だったから嫉まれもしたんだろうね。
高校の友達が良子の事を気が付いていたとは意外だった。ま、あからさまではあったからね。なかなか指摘は出来ないよね。あの場で言ってくれてありがとう。私が辛かったと気が付いてくれてありがとう。
シャレで一緒に人間ドック受けた友人は私の死後の様子は見れなかったな。その人は昔のバイトの先輩だ。18歳の頃からの付き合いのある先輩だったのだがここ10数年は疎遠だった。お互い就職をし相手は結婚をしていた。噂では最近離婚したと聞いたが、わざわざ連絡する必要もないので連絡は取らなかった。しかし、ラインが来て久しぶりにやり取りをしている間に、お互いに年を取ったので人間ドックに行こうとなったのだ。
先輩には一応言った方がよかったかな…ラインの返信がなくなればひどく傷つくだろう。でももうすぐ死ぬなんて言いたくなかった。その先輩の事が見えなかったのはきっとまだ知らないから、その先輩は死ぬまで知らないからかもしれない。
そろそろ終点のようだ。光が見える。あの光の先は何だろう。
そして、光の中に吸い込まれていく急に明るくなった先は、神様がいる雲の上でもなく異世界でもなかった。太陽光がまぶしく次第に視界が晴れ、青空が見えた。さくらは雪の中で転がっている。スマホを見ると散歩を出たときからあまり時間は経っていない。
さくらは、ただコケただけの様だった。
白昼夢というのだろうか。
さくらはゆっくりと立ち上がる。おしりにたくさんの雪が付いている。それを払う。さっきまでのは夢だったのだろうか。それとも近未来の出来事なのか。しかし、自分ががんで闘病中というのは現実だ。
連絡してみようか…な
そう思うさくらであった。
終わり
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