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第22話 ご教授
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「次は、この問題が・・」
「ああ、その問題のやり方はね」
そのようなやり取りが朝本さんと俺の間で交わされる。
今現在、驚くべきことに、朝本さんが俺の真隣に座って、数学を教えてくれている。俺がわからないところ(ほとんど全部なのだが)、それらを丁寧に教えてくれている。どうやら、朝本さんは数学が得意なようだ。そのため、数学が大の不得意な俺でも、問題のやり方、どうしてこうなるのかといった過程などが少しは理解できている。
それにしても、距離が近い。朝本さんは今、俺とゼロ距離の位置にいる。もし、朝本さんの体が少しでも、俺の方に少しでも傾いたら、朝本さんの腕や胸が当たる距離だ。
その上、朝本さんの服に付着している香水の匂いか、それとも朝本さん本人の匂いなのかはわからないが、ピーチのような甘い非常にいい匂いが鼻の奥の鼻腔をくすぐる。
こんな状況でも、朝本さんの説明はしっかり頭の中に入ってきている。・・多分。
「それにしても・・」
朝本さんはそう言って言葉を切ると、意味深な表情をする。
「どうしたの?」
率直な疑問を投げ掛ける。
「数学苦手なんだね?」
朝本さん事実を告げるように問い掛けてくる。
「う、うん。非常に」
正直に質問に答える。
「ふふっ」
俺の言葉を聞いてすぐに朝本さんは破顔して笑顔を見せた。
俺は理解できず、やや怪訝な顔をする。
「いや、赤森君には苦手なものがないイメージだったから」
朝本さんは俺の表情から忖度をして理由を説明してくれる。
「・・・」
予想外の見解から言葉が出てこない。そのように思われているなど思いもしていなかったからだ。
「それは勘違いだよ。苦手なことはたくさんあるよ」
嬉しい気持ちというか意外というかよくわからない感情を顔に出さずに俺は返答する。
「たしかに、数学すごく苦手だもんね」
朝本さんは満面の笑みを俺に向けながら微笑む。
「でも、大丈夫だから。赤森君がしっかり理解できるように私、頑張るから!」
両手をぐっと握ってガッツポーズをするようなしぐさをする。やる気のある意思表示であろうか。
「う、うん。ありがとう」
朝本さんの熱意に押されたのか、歯切れの悪い言葉を言う。
そして、勉強を教えてもらって何時間かが経過した。最終下校時刻のアナウンスが教室に響き渡り、ご教授が終了する。
俺は、帰りの支度をいち早く終わらせる。
「今日は、ありがとう」
そう述べて、帰路に着くため、教室の後ろの戸から出ようとする。
「ちょっと、待って」
朝本さんに呼び止められる。その呼び止める声にはやや必死さを感じた。
俺は朝本さんのいる方向に視線を向ける。
「一緒に帰ろ・・?」
笑顔でそんなお誘いをしてくる。その際、夕陽の光が朝本さんの顔やさらさらベージュの髪に当たっている。
「う、うん」
誰でもできそうな返事をした後、俺達は同時に教室を出ると、鍵を閉めて職員室に鍵を仕舞いに行った。
その後は、想像に容易いように一緒に朝本さんと下校した。
「ああ、その問題のやり方はね」
そのようなやり取りが朝本さんと俺の間で交わされる。
今現在、驚くべきことに、朝本さんが俺の真隣に座って、数学を教えてくれている。俺がわからないところ(ほとんど全部なのだが)、それらを丁寧に教えてくれている。どうやら、朝本さんは数学が得意なようだ。そのため、数学が大の不得意な俺でも、問題のやり方、どうしてこうなるのかといった過程などが少しは理解できている。
それにしても、距離が近い。朝本さんは今、俺とゼロ距離の位置にいる。もし、朝本さんの体が少しでも、俺の方に少しでも傾いたら、朝本さんの腕や胸が当たる距離だ。
その上、朝本さんの服に付着している香水の匂いか、それとも朝本さん本人の匂いなのかはわからないが、ピーチのような甘い非常にいい匂いが鼻の奥の鼻腔をくすぐる。
こんな状況でも、朝本さんの説明はしっかり頭の中に入ってきている。・・多分。
「それにしても・・」
朝本さんはそう言って言葉を切ると、意味深な表情をする。
「どうしたの?」
率直な疑問を投げ掛ける。
「数学苦手なんだね?」
朝本さん事実を告げるように問い掛けてくる。
「う、うん。非常に」
正直に質問に答える。
「ふふっ」
俺の言葉を聞いてすぐに朝本さんは破顔して笑顔を見せた。
俺は理解できず、やや怪訝な顔をする。
「いや、赤森君には苦手なものがないイメージだったから」
朝本さんは俺の表情から忖度をして理由を説明してくれる。
「・・・」
予想外の見解から言葉が出てこない。そのように思われているなど思いもしていなかったからだ。
「それは勘違いだよ。苦手なことはたくさんあるよ」
嬉しい気持ちというか意外というかよくわからない感情を顔に出さずに俺は返答する。
「たしかに、数学すごく苦手だもんね」
朝本さんは満面の笑みを俺に向けながら微笑む。
「でも、大丈夫だから。赤森君がしっかり理解できるように私、頑張るから!」
両手をぐっと握ってガッツポーズをするようなしぐさをする。やる気のある意思表示であろうか。
「う、うん。ありがとう」
朝本さんの熱意に押されたのか、歯切れの悪い言葉を言う。
そして、勉強を教えてもらって何時間かが経過した。最終下校時刻のアナウンスが教室に響き渡り、ご教授が終了する。
俺は、帰りの支度をいち早く終わらせる。
「今日は、ありがとう」
そう述べて、帰路に着くため、教室の後ろの戸から出ようとする。
「ちょっと、待って」
朝本さんに呼び止められる。その呼び止める声にはやや必死さを感じた。
俺は朝本さんのいる方向に視線を向ける。
「一緒に帰ろ・・?」
笑顔でそんなお誘いをしてくる。その際、夕陽の光が朝本さんの顔やさらさらベージュの髪に当たっている。
「う、うん」
誰でもできそうな返事をした後、俺達は同時に教室を出ると、鍵を閉めて職員室に鍵を仕舞いに行った。
その後は、想像に容易いように一緒に朝本さんと下校した。
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