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Case.01 影者
東都 南地区α- 同日 午後一時五十分
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普段の色とは違う前髪が視界に映るたびに違和感を覚える。一日二日程の髪染めは幾度とやっているが、バックミラーに写る自分の姿に毎回見慣れない。
一時停止を示す信号に則りブレーキを踏み、疾斗は硬直したように前を見続ける高遠へ視線を移す。
突然現れた自分に警戒するのは仕方ない事だが、車に乗ってからもこの様子の彼女に、一体どう接すればいいものか。
「…あ、の」
微妙な空気感のまま沈黙が流れる中、先に声を出したのは高遠だった。
「どうした」
「私、どこに連れて行かれるんでしょう…?」
「……人を誘拐犯みたいに言うな。姫築のいる小学校に行くだけだ」
「学校ですか?」
「あぁ。この時間帯は体育らしい」
座席の隙間に立てかけ入れていた紙束を取り出し、実兄から預けられていた時間割表を高遠へ渡してアクセルを踏み込む。
「私も知らなかったのに…」
「仕事である以上、どんな些細なものでも必要と思えば手に入れる。何かあった時に役立つかもしれないからな」
ミラー越しに依頼人の様子を見れば、姫築と時間があう日を確認しているのか、自身の時間割と紙面を見比べて何かを考えている。
集中する彼女を邪魔しないよう、少年の通う小学校へと車を走らせ、駐車場へ停車する。
「おい」
「ひゃいっ?!」
車が停まったことにすら気付いていなかったのか、驚いたと同時にドアの窓へ頭をぶつけた娘は、シートベルトもそのままに前のめりに丸まる。
「いったぁ……」
「……大丈夫、か?」
跳ね上がるほど吃驚されたことに疾斗も驚き、一拍おいて声を掛ければ、体勢を変えずに後頭部をさすりながら頷く。
ゆっくりと身体を起こしてベルトを外すのを確認し、車を降りて助手席のドアを開けば、高遠が礼を言いながら降りた。
高く張られたフェンスの向こう側、ドッジボールをしている生徒達と指導する教師の姿が見える。
楽しげな声に惹かれるように高遠はフェンス傍まで向かい、玩具を追う仔猫のように首を揺らして探す姿に苦笑し、子供があまり得意でない疾斗は遠巻きに眺めて姫築の姿を探す。
先天性の網膜不全により右目の見えない自分が、細々散々と動く数十人の人間から一人を見つけることは簡単なことではなく、諦めて煙草を銜えた。
(カメラ…と言うことは見つけたか)
運動会を応援する親の如く一頻りはしゃぎ、撮影に満足したのか楽しげに携帯を見ながらこちらへと戻って来る。
「気は済んだか?」
「はい!ありがとうございます、元気そうで良かったぁ…」
(……まるでしばらく見てなかったような言いようだな)
胸に手を当てて安堵した高遠が、端末の写真フォルダを開いて楽しげに話題を振ってくる。
普段であれば付き合うことはないが、店で出会った時とは明らかに違う生き生きとした様子に違和感を覚え、頷きながら話を聞く。
──聞き始めてから数十分後。
「……悪いが、そろそろ質問させてもらえないか?」
「はっ?!す、すみません、長々と聞いていただいて…」
過熱しきった話が更に延長される前に途切り、頭を深く下ろす娘の顔を上げさせる。
しかしその表情は、話を聞いてもらえたことへの満足感もあってか柔かなものだった。
「それで、聞きたいことっていうのは…?」
「そこまで緊張するような質問じゃない、再確認のようなものだ」
「……と、言いますと…」
フィルターだけが残った煙草を簡易灰皿へと捨て、高遠の表情と声の僅かな変化も逃さぬようにまっすぐと見る。
「今回の依頼、従姉であるお前自身が起こしている行動と思って良いのかの確認だ」
「っ!!も、ももちろんです、何言ってるんですか新堂さん私自身に決まってるじゃないですか、冗談がお好きなんですね!!」
「…俺が冗談を言うタイプに見えるのか、お前には」
「み、見えないから私もびっくりしているんです!だいたい、そのほかに依頼してくることなんてあるんですか!?」
「時にはある。何かしらの理由をつけておいて代替えを立てられることが」
「私みたいな人に代替えを頼んでくる方なんているわけないじゃないですか!」
あからさまな挙動不審とまくし立てに少々引きつつ、言葉を連ねながら言動の裏側に虚偽がないかを目視で探す。
質問内容に逆上して興奮状態にあるためか、耳まで赤く染めて言葉の羅列を延々と投げつけてくる。その文章の中身に何かを隠している様子はなく、疾斗は彼女の背中をそっと叩いた。
「わかった、すまなかった。だからその大声でまくし立てるのは止めてくれ…」
周りの視線が痛いんでな。
添えた一言に口撃をピタリとやめた娘が辺りを見回す。
通りがかりの人間達が不審がっていたのは気づいてはいたが、今の大声が更に人気を集めていたらしく、何処かへ連絡しようとする人物の姿もあった。
「あ、あ…す、すみませんすみません!!」
湯気でも出るのではないかと思えるほどに紅潮した高遠が何度も頭を下げて車の方へと走り出す。
「あの女の子、小学生撮ってたわよね…」
「警察連絡した方がいいんじゃないかしら……」
(治安が良すぎるのも面倒だな)
遠隔キーで車の鍵を開けつつ、右目を軽く閉じながら周囲へ軽く頭を下げる。
しかし、一部始終を見ていた者達にとってはその行動さえも不信感を募らせる要因になったらしく、ざわつきは波紋のように広まり始めた。
「……何にでも疑いを掛けるのも大概にしろよ?」
動くな
低く言葉を落とし、右眼を開いて頭を上げた瞬間、その場の時間が止まった。
──────────
「あの…すみませんでした……」
運転席に戻ると同時、高遠が悄気た仔犬のように項垂れながらか細く謝罪をこぼす。
興奮のしやすさに釘を刺しつつ、エンジンをかけてナビゲーションシステムに彼女のバイト先である喫茶店へ向かうよう入力してアクセルを踏んだ。
「α地区は治安がいい。ただその分、大した事じゃなくとも大事にされることも多い。次は気をつけろ」
「…警察に、呼ばれちゃうんでしょうか」
「今日は無い。そうならないようにしてきたからな」
「…ありがとうございます」
礼を言い胸を撫で下ろした娘は、携帯を眺め始める。画面には先ほど撮影した少年の姿が写っているのだろう、その顔は朗らかなものだった。
「そういえば、どうして新堂さんは大学にきたんです…?」
「依頼してきた割に連絡がないから、こっちから行っただけだ」
「連絡して良いなんて言ってくれなかったじゃないですか!」
「連絡してくるな、とも言ってないが」
「それは、そうですけど…」
一時停止を示す信号に則りブレーキを踏み、疾斗は硬直したように前を見続ける高遠へ視線を移す。
突然現れた自分に警戒するのは仕方ない事だが、車に乗ってからもこの様子の彼女に、一体どう接すればいいものか。
「…あ、の」
微妙な空気感のまま沈黙が流れる中、先に声を出したのは高遠だった。
「どうした」
「私、どこに連れて行かれるんでしょう…?」
「……人を誘拐犯みたいに言うな。姫築のいる小学校に行くだけだ」
「学校ですか?」
「あぁ。この時間帯は体育らしい」
座席の隙間に立てかけ入れていた紙束を取り出し、実兄から預けられていた時間割表を高遠へ渡してアクセルを踏み込む。
「私も知らなかったのに…」
「仕事である以上、どんな些細なものでも必要と思えば手に入れる。何かあった時に役立つかもしれないからな」
ミラー越しに依頼人の様子を見れば、姫築と時間があう日を確認しているのか、自身の時間割と紙面を見比べて何かを考えている。
集中する彼女を邪魔しないよう、少年の通う小学校へと車を走らせ、駐車場へ停車する。
「おい」
「ひゃいっ?!」
車が停まったことにすら気付いていなかったのか、驚いたと同時にドアの窓へ頭をぶつけた娘は、シートベルトもそのままに前のめりに丸まる。
「いったぁ……」
「……大丈夫、か?」
跳ね上がるほど吃驚されたことに疾斗も驚き、一拍おいて声を掛ければ、体勢を変えずに後頭部をさすりながら頷く。
ゆっくりと身体を起こしてベルトを外すのを確認し、車を降りて助手席のドアを開けば、高遠が礼を言いながら降りた。
高く張られたフェンスの向こう側、ドッジボールをしている生徒達と指導する教師の姿が見える。
楽しげな声に惹かれるように高遠はフェンス傍まで向かい、玩具を追う仔猫のように首を揺らして探す姿に苦笑し、子供があまり得意でない疾斗は遠巻きに眺めて姫築の姿を探す。
先天性の網膜不全により右目の見えない自分が、細々散々と動く数十人の人間から一人を見つけることは簡単なことではなく、諦めて煙草を銜えた。
(カメラ…と言うことは見つけたか)
運動会を応援する親の如く一頻りはしゃぎ、撮影に満足したのか楽しげに携帯を見ながらこちらへと戻って来る。
「気は済んだか?」
「はい!ありがとうございます、元気そうで良かったぁ…」
(……まるでしばらく見てなかったような言いようだな)
胸に手を当てて安堵した高遠が、端末の写真フォルダを開いて楽しげに話題を振ってくる。
普段であれば付き合うことはないが、店で出会った時とは明らかに違う生き生きとした様子に違和感を覚え、頷きながら話を聞く。
──聞き始めてから数十分後。
「……悪いが、そろそろ質問させてもらえないか?」
「はっ?!す、すみません、長々と聞いていただいて…」
過熱しきった話が更に延長される前に途切り、頭を深く下ろす娘の顔を上げさせる。
しかしその表情は、話を聞いてもらえたことへの満足感もあってか柔かなものだった。
「それで、聞きたいことっていうのは…?」
「そこまで緊張するような質問じゃない、再確認のようなものだ」
「……と、言いますと…」
フィルターだけが残った煙草を簡易灰皿へと捨て、高遠の表情と声の僅かな変化も逃さぬようにまっすぐと見る。
「今回の依頼、従姉であるお前自身が起こしている行動と思って良いのかの確認だ」
「っ!!も、ももちろんです、何言ってるんですか新堂さん私自身に決まってるじゃないですか、冗談がお好きなんですね!!」
「…俺が冗談を言うタイプに見えるのか、お前には」
「み、見えないから私もびっくりしているんです!だいたい、そのほかに依頼してくることなんてあるんですか!?」
「時にはある。何かしらの理由をつけておいて代替えを立てられることが」
「私みたいな人に代替えを頼んでくる方なんているわけないじゃないですか!」
あからさまな挙動不審とまくし立てに少々引きつつ、言葉を連ねながら言動の裏側に虚偽がないかを目視で探す。
質問内容に逆上して興奮状態にあるためか、耳まで赤く染めて言葉の羅列を延々と投げつけてくる。その文章の中身に何かを隠している様子はなく、疾斗は彼女の背中をそっと叩いた。
「わかった、すまなかった。だからその大声でまくし立てるのは止めてくれ…」
周りの視線が痛いんでな。
添えた一言に口撃をピタリとやめた娘が辺りを見回す。
通りがかりの人間達が不審がっていたのは気づいてはいたが、今の大声が更に人気を集めていたらしく、何処かへ連絡しようとする人物の姿もあった。
「あ、あ…す、すみませんすみません!!」
湯気でも出るのではないかと思えるほどに紅潮した高遠が何度も頭を下げて車の方へと走り出す。
「あの女の子、小学生撮ってたわよね…」
「警察連絡した方がいいんじゃないかしら……」
(治安が良すぎるのも面倒だな)
遠隔キーで車の鍵を開けつつ、右目を軽く閉じながら周囲へ軽く頭を下げる。
しかし、一部始終を見ていた者達にとってはその行動さえも不信感を募らせる要因になったらしく、ざわつきは波紋のように広まり始めた。
「……何にでも疑いを掛けるのも大概にしろよ?」
動くな
低く言葉を落とし、右眼を開いて頭を上げた瞬間、その場の時間が止まった。
──────────
「あの…すみませんでした……」
運転席に戻ると同時、高遠が悄気た仔犬のように項垂れながらか細く謝罪をこぼす。
興奮のしやすさに釘を刺しつつ、エンジンをかけてナビゲーションシステムに彼女のバイト先である喫茶店へ向かうよう入力してアクセルを踏んだ。
「α地区は治安がいい。ただその分、大した事じゃなくとも大事にされることも多い。次は気をつけろ」
「…警察に、呼ばれちゃうんでしょうか」
「今日は無い。そうならないようにしてきたからな」
「…ありがとうございます」
礼を言い胸を撫で下ろした娘は、携帯を眺め始める。画面には先ほど撮影した少年の姿が写っているのだろう、その顔は朗らかなものだった。
「そういえば、どうして新堂さんは大学にきたんです…?」
「依頼してきた割に連絡がないから、こっちから行っただけだ」
「連絡して良いなんて言ってくれなかったじゃないですか!」
「連絡してくるな、とも言ってないが」
「それは、そうですけど…」
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