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Case.03 Game
東都 南西地区β− 二月二十二日 午後十二時三十七分
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「社長、都築です」
「はいよ、どーぞー」
やる気が有るのか無いのか解らない間延びした返答に息を吐き、都築は売店で買ったパンと飲料を入れた袋を手に社長室の扉を開く。
業務時間中に気の抜ける呼出放送が入り、部下達を連れての外食を延期して来たのだが、呼び出した当人はソファに体を投げ出してファッション雑誌を眺めている。
「モデルってなぁ凄いねぇ。大抵の服はカッコよく見える。雑誌見た人間が購買意欲が唆られるのも頷けるわー」
チラと見えた中身は二十代後半から三十代の男性をターゲットに刷られたもので、周りから見れば若く見える方である樹阪が読むには少々年代が過ぎている。溜息を落としつつ室内へ入れば、オートロックの作動音が微かに耳へ届き、他者の入室を拒む空間が作り上げられた。
「呼び出しの理由は何でしょう?」
「ナンパ用コーデの相談をしたいなと思──」
「ペンチで引っ張られるのとハンマーで引っ叩かれるの、どっちが良いです?」
「どっちも嫌ですごめんなさい許してくださいそのジト目めっちゃ怖いですやめてください!」
「アンタがくだらない事ばっか言うからでしょうが」
「やだもう俺の部下超怖いんですけど!」
「ただのネタ披露なら俺もう飯だけ食って戻ります」
外しかけていた鞄の留め具を戻し、向かい側の席へと座ると手にしていた袋の中身を取り出す。
仮にそうだとしたらこの社長の性格からして、入室後すぐに部屋の鍵を閉める事はないだろう。
本当にコーディネートを頼んでくることもあるだけに油断はならないが。
顔を覆い隠し、泣き真似をする樹阪は時折こちらへ視線を投げてくる。
それを無視してパンの外袋を破き齧り始めれば、唇を尖らせて雑誌を硝子テーブルへと投げた社長は、自らの鞄からタブレット端末を取り出した。
「つまんねーなぁ…ノリ悪いぞ里央」
「つまらなくて結構、こっちは部下との約束延期して来たんですから」
「…そりゃ悪かった、ふざけ過ぎた」
呆れ顔でいた都築へ視線を戻し、顔を引き締めて頭を下げる。
約束事に関して律儀な男は、延期の言葉に「やらかしたな俺」と声を漏らして苦々しげに顔を歪めて、端末を操作し始める。
「…お前確か十九日の休出、北地区のゲーセンだったよな?」
「ええ、液晶パネルの交換と配線修整に」
作成中であった報告書データを自分の端末に表示させようと鞄に手を掛けるが、樹阪は軽く首を振ってその行動の制止を促す。
探していた人物を見つけたのか、画面から外へ向かって払われる。その方向を見れば、ホログラム製の人物が二人映し出された。
「蘇我野 祐里亜と青山 遥だ。この二人、最近請負業始めたんで巡回警備に行ってもらってるんだが、この二ヶ月の摘発率が異様に高くてな。見なかったか?」
「…覚えが無いですね。知ってる顔ではありますけど」
「そうか。知ってるのってどっちだ?」
「…あいつらみたいな双子じゃ見分けつかないですけど?」
「観察力が足りないねぇ。こいつら、見た目はそっくりだが家柄も何もかも別の人間なんだよなぁ」
笑いながら戻された返事に首を傾げつつ、都築は席を立って立体映像の二人を見比べる。
遠目で見る限り、同じような背格好と服装というのもあるが、その顔つきや体格もほぼ変わらないように見える。
動くことの無い二体へ近付いてみれば、一人は身体のラインが直線的であり、首はやや太い。
もう一人は腰回りに丸みを帯びており、首や指先が細い。横から見れば、片方と比べて少々身体の厚みも男性にしては正直足りないように見える。
「双子じゃなくても有るもんなんだなぁ」と感心しながら笑う樹阪は、机に置いていた一口サイズの握飯を口へと放り込む。
「一応言うが画像操作もしてねーぞ?業務許可考査の時に撮った時のままの正規画像だ。どっちを知ってる?」
「…あんまり自信は無いですが、俺が会ったのは声が低かったんで男の方かと。視覚情報だけで見分けるのはちょっと」
問いへ返した答えに頷いた樹阪のタブレット端末から、少々高音の音楽が鳴り響く。片手を上げて謝罪をした男は搭載された通話機能を使い、どこかへ連絡を繋ぎながら入力を始める。
テーブルへ置いていたファッション雑誌を手に取り、都築はホログラムの二人を確認しながら頁を捲り、写っているのはどちらなのかと凝視する。
世の中には同じ顔が居る、と云うのはよく聞く話だ。
ただ、実際に他人同士でここまで似ている人間を見たことが無い。
体格さえも鏡写しのような人間は友人兄弟で見慣れているが、一卵性双生児だ。
「いや悪い、他都の機関長からだった。ちなみに、その日の作業終わった後って何してた?」
「疾斗達に会ったんでそのまま寄りました。新型ゲームのロケテスト…つか実際は先行遊戯会でしたけど、それに誘われたんで」
「同行者、誰だった?」
珍しく質問を繰り出し続ける樹阪の行動に内心首を傾げつつ雑誌の頁を再度捲り、二人を探す。
有刺鉄線を模した柄のカッターシャツを着こなしている月原と、赤地に黒のロープを模した大柄Tシャツ、白のパーカーを着た佐賀のページを開いて見せれば、何事かに納得したように数度頷く。
「他には?」
「疾斗と同じ事務所の桂馬浩志。別事務所所属の女性モデル、倉井冥那が一緒でした」
彼が確認しているのは東都に暮らす人間達の名簿なのだろう。端末画面に指を滑らせてタップする度に、ホログラム化された五人の姿が空中へと浮かぶ。
「美男美女揃い踏みじゃねーの。ここに里央もいたんだろ?だいぶ目立っただろ」
「そうでもないですよ。疾斗が言うに、人より遊びが優先しやすい場所は、割とバレにくいらしいです。桂馬と倉井は一緒にいたといっても、先行遊戯会のナビ役だったんで。おかげで大衆の目はほとんどステージへ向いてましたし」
「木を隠すなら森の中、ってやつか」
「そういう事でしょうね。事実、先に遊んでた月原さんと佐賀も囲まれた様子はなかったし」
返した解に大きく頷き、樹阪はタブレット端末を見つめたまま眉を僅かに顰め、膨大な文字列をスクロールしてゆく。
「月原君と疾斗君以外は一般業種だな。なら問題なさそうだ」
「ちなみに、さっきの二人が見つけたのって何の犯罪です?」
「景品や両替機からの窃盗、遊戯台の破損行為あと…」
言葉を濁した樹阪が数件の報告データを部屋内に展開する。
投影される【改竄データ使用者の摘発】と記されている文書を一つ一つ確認すれば、疎らに見えていた日付は二週間程度の間を空けて書かれているようだった。
「改竄、ねぇ…」
「里央も変に思うか」
「現行機でこんなに出てくるのは考えにくいですよ」
提示された文面を読みつつ頷き、制服の胸ポケットに入れていたメモ用紙とペンを取り出す。
旧国時代のような電子チップ入りカードであれば、偽造品のデータリーダーに読ませて書き換える事は容易い。
しかし、現在の極東国内で稼働している大型遊戯台やアーケード筐体の殆どは、機体に内蔵されている骨格読取電算機を使用している。
自分自身の肉体でデータ保存・読込をしている以上、電子機器端末を使用したデータ改竄は不可能の筈だ。
摘発の際に遊ばれていたゲームタイトルとプレイヤー名を一通り書き付けてゆく。
何度か書き連ねたプレイヤー名に眉を顰め、出先で不意に感じた暗い予感を思い出し、溜息が漏れる。
「…社長、この件って誰かに話してます?」
「んぉ?ああ。こないだ疾風君に話したくらいだな。聞いてすぐに誰かにメール飛ばしたみたいだったが」
「疾風が即メール……」
──呼び出しが入った
佐賀を家に送って欲しい、と頼んできた少々面倒そうな表情をしていた友人が頭に浮かび、今の話を知る人間が誰なのかの予測が立つ。
それと同時に自身の中の予感がほぼ的中に近い事を確信し、都築は再度重く深く息を落とした。
「……この件、俺も関わって良いですか」
「自分から行くなんて珍しい、何か気付いたのか?」
「あー…なんというか、恐らくですけど、大元の原因に関わってる気がするんで。あと、一つお願いが」
「これまた珍しい。聞きましょ?何ですかい、都築クン」
「ここに書いたゲームの筐体と、今から書くゲームの機体製造会社を調べてください」
片眉を上げて小首を傾げる機関長に曖昧な苦笑いを見せ、持っていた雑誌をテーブルへ戻す。
深い藍色のジャケット姿で表紙に笑う青山 遥の姿に一瞬目を落とし、都築は樹阪のタブレット端末に表示された請負人同行証明へサインを入れた。
「はいよ、どーぞー」
やる気が有るのか無いのか解らない間延びした返答に息を吐き、都築は売店で買ったパンと飲料を入れた袋を手に社長室の扉を開く。
業務時間中に気の抜ける呼出放送が入り、部下達を連れての外食を延期して来たのだが、呼び出した当人はソファに体を投げ出してファッション雑誌を眺めている。
「モデルってなぁ凄いねぇ。大抵の服はカッコよく見える。雑誌見た人間が購買意欲が唆られるのも頷けるわー」
チラと見えた中身は二十代後半から三十代の男性をターゲットに刷られたもので、周りから見れば若く見える方である樹阪が読むには少々年代が過ぎている。溜息を落としつつ室内へ入れば、オートロックの作動音が微かに耳へ届き、他者の入室を拒む空間が作り上げられた。
「呼び出しの理由は何でしょう?」
「ナンパ用コーデの相談をしたいなと思──」
「ペンチで引っ張られるのとハンマーで引っ叩かれるの、どっちが良いです?」
「どっちも嫌ですごめんなさい許してくださいそのジト目めっちゃ怖いですやめてください!」
「アンタがくだらない事ばっか言うからでしょうが」
「やだもう俺の部下超怖いんですけど!」
「ただのネタ披露なら俺もう飯だけ食って戻ります」
外しかけていた鞄の留め具を戻し、向かい側の席へと座ると手にしていた袋の中身を取り出す。
仮にそうだとしたらこの社長の性格からして、入室後すぐに部屋の鍵を閉める事はないだろう。
本当にコーディネートを頼んでくることもあるだけに油断はならないが。
顔を覆い隠し、泣き真似をする樹阪は時折こちらへ視線を投げてくる。
それを無視してパンの外袋を破き齧り始めれば、唇を尖らせて雑誌を硝子テーブルへと投げた社長は、自らの鞄からタブレット端末を取り出した。
「つまんねーなぁ…ノリ悪いぞ里央」
「つまらなくて結構、こっちは部下との約束延期して来たんですから」
「…そりゃ悪かった、ふざけ過ぎた」
呆れ顔でいた都築へ視線を戻し、顔を引き締めて頭を下げる。
約束事に関して律儀な男は、延期の言葉に「やらかしたな俺」と声を漏らして苦々しげに顔を歪めて、端末を操作し始める。
「…お前確か十九日の休出、北地区のゲーセンだったよな?」
「ええ、液晶パネルの交換と配線修整に」
作成中であった報告書データを自分の端末に表示させようと鞄に手を掛けるが、樹阪は軽く首を振ってその行動の制止を促す。
探していた人物を見つけたのか、画面から外へ向かって払われる。その方向を見れば、ホログラム製の人物が二人映し出された。
「蘇我野 祐里亜と青山 遥だ。この二人、最近請負業始めたんで巡回警備に行ってもらってるんだが、この二ヶ月の摘発率が異様に高くてな。見なかったか?」
「…覚えが無いですね。知ってる顔ではありますけど」
「そうか。知ってるのってどっちだ?」
「…あいつらみたいな双子じゃ見分けつかないですけど?」
「観察力が足りないねぇ。こいつら、見た目はそっくりだが家柄も何もかも別の人間なんだよなぁ」
笑いながら戻された返事に首を傾げつつ、都築は席を立って立体映像の二人を見比べる。
遠目で見る限り、同じような背格好と服装というのもあるが、その顔つきや体格もほぼ変わらないように見える。
動くことの無い二体へ近付いてみれば、一人は身体のラインが直線的であり、首はやや太い。
もう一人は腰回りに丸みを帯びており、首や指先が細い。横から見れば、片方と比べて少々身体の厚みも男性にしては正直足りないように見える。
「双子じゃなくても有るもんなんだなぁ」と感心しながら笑う樹阪は、机に置いていた一口サイズの握飯を口へと放り込む。
「一応言うが画像操作もしてねーぞ?業務許可考査の時に撮った時のままの正規画像だ。どっちを知ってる?」
「…あんまり自信は無いですが、俺が会ったのは声が低かったんで男の方かと。視覚情報だけで見分けるのはちょっと」
問いへ返した答えに頷いた樹阪のタブレット端末から、少々高音の音楽が鳴り響く。片手を上げて謝罪をした男は搭載された通話機能を使い、どこかへ連絡を繋ぎながら入力を始める。
テーブルへ置いていたファッション雑誌を手に取り、都築はホログラムの二人を確認しながら頁を捲り、写っているのはどちらなのかと凝視する。
世の中には同じ顔が居る、と云うのはよく聞く話だ。
ただ、実際に他人同士でここまで似ている人間を見たことが無い。
体格さえも鏡写しのような人間は友人兄弟で見慣れているが、一卵性双生児だ。
「いや悪い、他都の機関長からだった。ちなみに、その日の作業終わった後って何してた?」
「疾斗達に会ったんでそのまま寄りました。新型ゲームのロケテスト…つか実際は先行遊戯会でしたけど、それに誘われたんで」
「同行者、誰だった?」
珍しく質問を繰り出し続ける樹阪の行動に内心首を傾げつつ雑誌の頁を再度捲り、二人を探す。
有刺鉄線を模した柄のカッターシャツを着こなしている月原と、赤地に黒のロープを模した大柄Tシャツ、白のパーカーを着た佐賀のページを開いて見せれば、何事かに納得したように数度頷く。
「他には?」
「疾斗と同じ事務所の桂馬浩志。別事務所所属の女性モデル、倉井冥那が一緒でした」
彼が確認しているのは東都に暮らす人間達の名簿なのだろう。端末画面に指を滑らせてタップする度に、ホログラム化された五人の姿が空中へと浮かぶ。
「美男美女揃い踏みじゃねーの。ここに里央もいたんだろ?だいぶ目立っただろ」
「そうでもないですよ。疾斗が言うに、人より遊びが優先しやすい場所は、割とバレにくいらしいです。桂馬と倉井は一緒にいたといっても、先行遊戯会のナビ役だったんで。おかげで大衆の目はほとんどステージへ向いてましたし」
「木を隠すなら森の中、ってやつか」
「そういう事でしょうね。事実、先に遊んでた月原さんと佐賀も囲まれた様子はなかったし」
返した解に大きく頷き、樹阪はタブレット端末を見つめたまま眉を僅かに顰め、膨大な文字列をスクロールしてゆく。
「月原君と疾斗君以外は一般業種だな。なら問題なさそうだ」
「ちなみに、さっきの二人が見つけたのって何の犯罪です?」
「景品や両替機からの窃盗、遊戯台の破損行為あと…」
言葉を濁した樹阪が数件の報告データを部屋内に展開する。
投影される【改竄データ使用者の摘発】と記されている文書を一つ一つ確認すれば、疎らに見えていた日付は二週間程度の間を空けて書かれているようだった。
「改竄、ねぇ…」
「里央も変に思うか」
「現行機でこんなに出てくるのは考えにくいですよ」
提示された文面を読みつつ頷き、制服の胸ポケットに入れていたメモ用紙とペンを取り出す。
旧国時代のような電子チップ入りカードであれば、偽造品のデータリーダーに読ませて書き換える事は容易い。
しかし、現在の極東国内で稼働している大型遊戯台やアーケード筐体の殆どは、機体に内蔵されている骨格読取電算機を使用している。
自分自身の肉体でデータ保存・読込をしている以上、電子機器端末を使用したデータ改竄は不可能の筈だ。
摘発の際に遊ばれていたゲームタイトルとプレイヤー名を一通り書き付けてゆく。
何度か書き連ねたプレイヤー名に眉を顰め、出先で不意に感じた暗い予感を思い出し、溜息が漏れる。
「…社長、この件って誰かに話してます?」
「んぉ?ああ。こないだ疾風君に話したくらいだな。聞いてすぐに誰かにメール飛ばしたみたいだったが」
「疾風が即メール……」
──呼び出しが入った
佐賀を家に送って欲しい、と頼んできた少々面倒そうな表情をしていた友人が頭に浮かび、今の話を知る人間が誰なのかの予測が立つ。
それと同時に自身の中の予感がほぼ的中に近い事を確信し、都築は再度重く深く息を落とした。
「……この件、俺も関わって良いですか」
「自分から行くなんて珍しい、何か気付いたのか?」
「あー…なんというか、恐らくですけど、大元の原因に関わってる気がするんで。あと、一つお願いが」
「これまた珍しい。聞きましょ?何ですかい、都築クン」
「ここに書いたゲームの筐体と、今から書くゲームの機体製造会社を調べてください」
片眉を上げて小首を傾げる機関長に曖昧な苦笑いを見せ、持っていた雑誌をテーブルへ戻す。
深い藍色のジャケット姿で表紙に笑う青山 遥の姿に一瞬目を落とし、都築は樹阪のタブレット端末に表示された請負人同行証明へサインを入れた。
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