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第51話 禁忌を破る
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僕の両親はお父さん2人に、産みの母一人。といっても母とは血が繋がって居ないの。お父さん二人の遺伝子を合わせて出来たのが僕。イハルです。
お姉ちゃんのメグは、お父さんとお母さんが前夫婦だったから、その子供。
だから、お父さんの遺伝子で繋がってる姉弟なの。
「ね、だから僕は禁忌の子だから、こうしてるの。」
「その話と、あなたが妖精さんの服の中に頭を突っ込んでいるのとどう関係あるのですか!」
体育祭を終え、ノブ子に伝いたいことがあってやって来た林さんに、受難が降りかかっていた。
体育祭で一番盛り上がると言っても過言ではない、部活動対抗リレー……
(文化祭を実行させる為には、これを活用しない手はない!)
それぞれのユニフォームを身に付けて走る。例えば、剣道部は防具と竹刀を持って走る。そういう風に、走るのに向いていない感じの方がうけたりする。
そして、活動内容をアピールする場所でもある。望月さん所属の演劇部は、脚本を丸めてバトンにしていた。演者は、今度公演する衣装に着替えている。看板を担いでいる部員もいた。
私は、生徒会部員のアンカーとして走る。肩にかけた風紀部長と書かれたこっぱずかしいタスキを掛けて。メガフォンをバトンにすると借りてきた。
華会長からバトンを渡されゴールした。そして、そのメガフォンを使って思いっきり叫んだ。
「挨拶習慣おはようございまーす!青春してますかー!青春したくないですかー?文化祭したくないですかー?私は文化祭したいですー!同じ気持ちだったら、ついて来い!」
そして片手を掲げ叫んだ。
「私と青春してくれる人、この指止まれー!!」
お祭りというだけあって、ノリの良い生徒達はオーー!!と林さんに向かって集まって来た。
(恥ずかしい方法ですが、一先ずはアピール成功ですかね……)
「僕がノブ子と結婚出来るまでの10年以上が待てないから、既成事実を先に作っておこうと思って……」
「はーなーれーなーさーいー!」
体育祭が終わってからも体力を使う羽目になっていた。
「僕はモデルに手を出すタイプの画家なの。禁忌の子は、倫理観が欠如してるの。」
「イハルはちゃんと人想いだよ?お腹痛いっていったら手で暖めてくれたり、新しい痛みで打ち消してくれたり。」
「罪な僕を許してくれるお姉さんは、やっぱり運命の人……」
「新しい痛みって!その結果がこれじゃないですか!」
ノブ子の着ているTシャツを捲ると、無数の吸い付いて紅くなった跡があった。
「キスマークだよ。これで、ノブ子は僕のもの……ウフフッ」
「早くコイツを何とかしないと!!」
(ひっぺがす係りが、いつもミトだったので気づきませんでしたが……こんなに苦労するものだとは……)
─ミトの奴、どこに居るんですか!早く帰って来いーー!!
思いに耽けって、波打ち際を歩いていた。偶然見知った顔を見かけ、話し掛けた。
《私が此処に来るって、占いで分かってた?》
《まさか……。また占いをご所望?》
《いや、イルカって賢いんだろ?これから私、どうすれば良いか探してて……聞いてくれるか?私の話……》
《勿論。だけど、それには対価が必要なのよねえ。》
《お金なら、あんまり無いんだわ……》
─其なら身体で払って貰いましょう。
「この人、俺の双子のお兄ちゃん!」
「アキヨシです……よろしくお願いします……?」
「「「「似てるーー!」」」」
その頃、ノブ子の保護者アキヨシは弟によって開催されていた、合コンに強制参加させられていた……
「そんな倫理観無視して生まれた僕のこと、お姉さんはどう思う?気持ち悪い?皆不気味だって言うの。」
「私も不気味って言われるから親近感?」
「やったー。受け入れてくれたから、強制的に僕のお嫁さんね。不安定な職業だけど、養ってあげられるだけの資産はあるの。」
「私が養うので却下です!!」
占い師の自宅。床の泥汚れをブラシを使って磨いていく。
《あのさ。気になる奴とずっと一緒に居たいんだけど、私が必要とされる時って主にボディガードというか風避けの壁……?》
《それを生かせば良いんじゃない?》
《元虎だから、本気出したらアイツまで怪我させてしまうかも……》
《貴方ねえ……自意識過剰よそれ。》
《だって、実際そうだし。養母のサツキなんか、私の事受け入れたって言いつつまだ怖いみたいで、近づいたらビクッてなってるのが見え見え……》
林とか今すぐにでもノブ子を養えそうだし。
オコメさんは、家事が得意でアイツの家に馴染んでる。
大学生になった元カレが戻ってきたら、結局そっちに行っちゃいそう……
《私の居場所が欲しい─》
《成る程。あなた今迷子なのね?……なら、貴方に取って置きの良いところ、教えてあげるわ。但し非合法の場所。行く覚悟ある?》
地下闘技場。選手どちらが勝つかを賭けをしてるヤバいところ……
まあ、それでもルールに沿ってやってるから死にはしない。怪我はするかもだけど。動けなくなったら、迎えにいってあげる。今は雑用係がいないと困るからね。
(流石、狡猾なイルカ……)
《舐めてんのか?若い女が!支配人、流石にこいつでは盛り上がらないのでは?》
《これでも、虎の擬人化なんだわ。むしろ対戦者に同情しろよ……》
《ほう。面白い。其なら、全力で戦うことだ。お前に票は入らないだろうから、むしろ勝ってくれる方が此方の儲けになるんだよ。》
《儲けさせてやるから、やらせろ。戦い方は自由だったよな?》
「可哀想な擬人化のノブ子……僕も高確率で寿命が短くて子孫を残せない身体なの。だから僕たちお似合い同士の同志カップル……」
「私、子孫残せない……初耳……」
すっかり抜け殻の様に失意に侵食されたノブ子を、イハルは愛しそうに抱きしめた。
「お願いだから、闇に堕ちないで……妖精さん……」
貴女は私の絶対的希望なんです……と言って、遂に肩を揺らして泣き出してしまった。
林さんは疲れきって、闇に堕ちてしまった─
何かの映画みたいな雰囲気だ……
プロレスで使う様な、リングの中に押し込まれた。客席はフェンスで仕切られていた。そこから見えるガラの悪そうな客たち。罵声なのか声援なのか分からない声がうるさい。手にはくしゃくしゃした紙が握られていた。
ゴングが鳴った─
お姉ちゃんのメグは、お父さんとお母さんが前夫婦だったから、その子供。
だから、お父さんの遺伝子で繋がってる姉弟なの。
「ね、だから僕は禁忌の子だから、こうしてるの。」
「その話と、あなたが妖精さんの服の中に頭を突っ込んでいるのとどう関係あるのですか!」
体育祭を終え、ノブ子に伝いたいことがあってやって来た林さんに、受難が降りかかっていた。
体育祭で一番盛り上がると言っても過言ではない、部活動対抗リレー……
(文化祭を実行させる為には、これを活用しない手はない!)
それぞれのユニフォームを身に付けて走る。例えば、剣道部は防具と竹刀を持って走る。そういう風に、走るのに向いていない感じの方がうけたりする。
そして、活動内容をアピールする場所でもある。望月さん所属の演劇部は、脚本を丸めてバトンにしていた。演者は、今度公演する衣装に着替えている。看板を担いでいる部員もいた。
私は、生徒会部員のアンカーとして走る。肩にかけた風紀部長と書かれたこっぱずかしいタスキを掛けて。メガフォンをバトンにすると借りてきた。
華会長からバトンを渡されゴールした。そして、そのメガフォンを使って思いっきり叫んだ。
「挨拶習慣おはようございまーす!青春してますかー!青春したくないですかー?文化祭したくないですかー?私は文化祭したいですー!同じ気持ちだったら、ついて来い!」
そして片手を掲げ叫んだ。
「私と青春してくれる人、この指止まれー!!」
お祭りというだけあって、ノリの良い生徒達はオーー!!と林さんに向かって集まって来た。
(恥ずかしい方法ですが、一先ずはアピール成功ですかね……)
「僕がノブ子と結婚出来るまでの10年以上が待てないから、既成事実を先に作っておこうと思って……」
「はーなーれーなーさーいー!」
体育祭が終わってからも体力を使う羽目になっていた。
「僕はモデルに手を出すタイプの画家なの。禁忌の子は、倫理観が欠如してるの。」
「イハルはちゃんと人想いだよ?お腹痛いっていったら手で暖めてくれたり、新しい痛みで打ち消してくれたり。」
「罪な僕を許してくれるお姉さんは、やっぱり運命の人……」
「新しい痛みって!その結果がこれじゃないですか!」
ノブ子の着ているTシャツを捲ると、無数の吸い付いて紅くなった跡があった。
「キスマークだよ。これで、ノブ子は僕のもの……ウフフッ」
「早くコイツを何とかしないと!!」
(ひっぺがす係りが、いつもミトだったので気づきませんでしたが……こんなに苦労するものだとは……)
─ミトの奴、どこに居るんですか!早く帰って来いーー!!
思いに耽けって、波打ち際を歩いていた。偶然見知った顔を見かけ、話し掛けた。
《私が此処に来るって、占いで分かってた?》
《まさか……。また占いをご所望?》
《いや、イルカって賢いんだろ?これから私、どうすれば良いか探してて……聞いてくれるか?私の話……》
《勿論。だけど、それには対価が必要なのよねえ。》
《お金なら、あんまり無いんだわ……》
─其なら身体で払って貰いましょう。
「この人、俺の双子のお兄ちゃん!」
「アキヨシです……よろしくお願いします……?」
「「「「似てるーー!」」」」
その頃、ノブ子の保護者アキヨシは弟によって開催されていた、合コンに強制参加させられていた……
「そんな倫理観無視して生まれた僕のこと、お姉さんはどう思う?気持ち悪い?皆不気味だって言うの。」
「私も不気味って言われるから親近感?」
「やったー。受け入れてくれたから、強制的に僕のお嫁さんね。不安定な職業だけど、養ってあげられるだけの資産はあるの。」
「私が養うので却下です!!」
占い師の自宅。床の泥汚れをブラシを使って磨いていく。
《あのさ。気になる奴とずっと一緒に居たいんだけど、私が必要とされる時って主にボディガードというか風避けの壁……?》
《それを生かせば良いんじゃない?》
《元虎だから、本気出したらアイツまで怪我させてしまうかも……》
《貴方ねえ……自意識過剰よそれ。》
《だって、実際そうだし。養母のサツキなんか、私の事受け入れたって言いつつまだ怖いみたいで、近づいたらビクッてなってるのが見え見え……》
林とか今すぐにでもノブ子を養えそうだし。
オコメさんは、家事が得意でアイツの家に馴染んでる。
大学生になった元カレが戻ってきたら、結局そっちに行っちゃいそう……
《私の居場所が欲しい─》
《成る程。あなた今迷子なのね?……なら、貴方に取って置きの良いところ、教えてあげるわ。但し非合法の場所。行く覚悟ある?》
地下闘技場。選手どちらが勝つかを賭けをしてるヤバいところ……
まあ、それでもルールに沿ってやってるから死にはしない。怪我はするかもだけど。動けなくなったら、迎えにいってあげる。今は雑用係がいないと困るからね。
(流石、狡猾なイルカ……)
《舐めてんのか?若い女が!支配人、流石にこいつでは盛り上がらないのでは?》
《これでも、虎の擬人化なんだわ。むしろ対戦者に同情しろよ……》
《ほう。面白い。其なら、全力で戦うことだ。お前に票は入らないだろうから、むしろ勝ってくれる方が此方の儲けになるんだよ。》
《儲けさせてやるから、やらせろ。戦い方は自由だったよな?》
「可哀想な擬人化のノブ子……僕も高確率で寿命が短くて子孫を残せない身体なの。だから僕たちお似合い同士の同志カップル……」
「私、子孫残せない……初耳……」
すっかり抜け殻の様に失意に侵食されたノブ子を、イハルは愛しそうに抱きしめた。
「お願いだから、闇に堕ちないで……妖精さん……」
貴女は私の絶対的希望なんです……と言って、遂に肩を揺らして泣き出してしまった。
林さんは疲れきって、闇に堕ちてしまった─
何かの映画みたいな雰囲気だ……
プロレスで使う様な、リングの中に押し込まれた。客席はフェンスで仕切られていた。そこから見えるガラの悪そうな客たち。罵声なのか声援なのか分からない声がうるさい。手にはくしゃくしゃした紙が握られていた。
ゴングが鳴った─
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