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第33話 ドジっ娘メイドとの遭遇
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オコメは週一回、こちらの小池様のお家に家事代行をしに来ています。
今日も合鍵でお邪魔して、只今作り置きのご飯を調理していた処でした─
(ですが、レトルトちゃん。あまり私の料理食べてくれてないみたいなんですよね……心配です。)
すると、インターフォンが鳴る音がしました。
(あれ、ご主人様?お家の鍵を忘れて出られたのでしょうか?)
「只今、お開けします!」
入って来るや否やご主人様は、オコメの事を心配し始めました。
「えっ!?はじめまして早々だけど……大丈夫?何にもされてない?おにぃにこんな変態趣味があったなんて!義娘にこんな扇情的な服着せてるとか……」
ご主人様は、寒気がしているのか両腕をさすっていました。
「あの、ご主人様。大丈夫ですか!?どこか具合でも悪いんじゃないですか?」
「ご主人様ぁ!?おにぃがそう呼べっていったの?」
独身こじらせてるなとは思ってたけど、これほどまでとは……と、ご主人様はよくわからない事をぶつぶつと呟き始めました。
「とりあえず、此方に座って落ち着いて下さい。お飲み物をお持ちしますね!」
「ノブ子ちゃんって健気なんだね……」
と、ご主人様は目頭を押さえて険しい顔をなさいました。
(今日のご主人様、随分とお疲れですね。しかもいつもより何かが違っている様な……あっ!!)
「ご主人様、美容院に行ってこられたのですか?髪型が違います!」
「えっ分かる!?昨日行ってきたばかりなんだあ。」
「お似合いでございます。ご主人様!」
「あ、ありがとうね……」
おにぃって、好きな子が居ても遠くからチラチラ見て声なんてかけられない様なタイプだった筈なのに。反動でこんな大胆なことしてるなんて……と、またぶつぶつとおっしゃり始めました。
「あっでも、おにぃって昔から好きな子の情報収集しては、何かするでも無くニヤニヤしてるヤバいところあったからなあ……成る程─イタッ」
「何が成る程だよ!!」
と、再び帰ってこられたご主人様が、ご主人様の頭を紙を丸めたもので叩いておりました。
オコメ、ちょっと混乱してきました……
「ハルヨシ……何で連絡もなく来てるの?」
「おにぃに突然出来た義娘、擬人化のノブ子ちゃんに会ってみたくって……」
「……それ本当かよ?」
「本当だよー!今まで実家にも連れて来てくれなかったじゃん。」
「この人はノブ子じゃないから!家事代行してくれてるオコメちゃんだから!」
「家政婦さん?……良かったあ。てっきりおにぃが独身こじらせて遂に義娘に手を出すという罪を犯してしまったと思っ─イタッ」
「誰が独身こじらせてるだよ!!」
「ご主人様が2人!?」
「「ああ、僕(俺)達双子だから。」」
(確かにまごう事なき双子ですね……しかも一卵性の……)
「義娘はこっちだから!まったく、送り迎えから帰ってきてみたら……」
「はじめまして。ノブ子と読んで下さい。」
「何か訛ってて可愛いー。ノブ子ちゃんはじめまして。叔父のハルヨシです。」
「叔父さん……アキヨシと同じ顔!何だか親近感わく!」
と、ノブ子ちゃんは生き生きとしたお顔になりました。
「ありがとう!何だ良かったあ。おにぃてば、ちゃんと義父さんしてて。」
「あの、アキヨシさん……レトル、ノブ子ちゃんの事なのですが……」
作ったご飯は娘さんのお口にあわなかったのか、好き嫌いがあるか、食べられないものがあるかと、ずっと心配だったことを聞いたのです。
「ノブ子ちゃんご飯食べてないの!?確かに凄く細くない?おにぃ……もしかして……」
と、ハルヨシさんは後ずさりなさいました。
「僕はネグレクトなんてしてないから!!」
「私……沢山食べられないだけ。最近はまってるのは、岩のりのペーストを更に乾燥海苔につけて食べる!」
「「海苔オン海苔!!」」
(オコメ、双子じゃないのにハルヨシさんと声が重なって何故か恥ずかしいです……)
ハルヨシさんは、ノブ子ちゃって偏食家なんだね。と納得されました……
適当感が、ご主人様とそっくりです!
「ちょっとおにぃ……」
「何だよ小声で。」
「あのオコメちゃんの服さ……」
「何だよ、制服だから仕方ないじゃん。」
「おにぃ……」
「ふふん、独身良いだろ!」
「「…………。」」
2人で微笑みあってつつき合って、双子ならではの不可侵領域が出来上がっていました。
「いいな……私も兄弟欲しいな……」
レトルトちゃんのそのひと言で、周りの空気が変わりました。
「君みたいなのが、また増えるとか嫌だからね!」
「ご主人様……それはひどいです。」
「オコメちゃん、それは違くて!」
「ノブ子ちゃん、それは義父さんにお嫁さんが出来たら大丈夫だよ?」
「それってサツキさん、林さん、ミトさん、ハズキ、オコメさん?……どれ?」
「えっ、何で私入ってるんですか!?」
「それは、ほぼ君が好きな人達でしょう……特にハズキくんとか。」
「うん、その場合。アキヨシがライバルということに……」
「ないない。君……恋のライバルが欲しいだけでしょ。」
「おにぃにモテ期が来るとか信じらんな─イテッ」
よくよくお二人を見ると、アキヨシさんが陰、ハルヨシさんが陽って感じで違いが分かってきました!
「さっきから、その丸めた紙は何なの?」
「あ、これ……三者面談の案内とか色々。」
「男親だけだと大変だねえ。」
(確かに大変そうです……)
「お前さあ……本当は何でうちに来たの?」
「…………おにぃ今日泊めて?」
ハルヨシさんは、奥さんにキャバクラ通いがバレてケンカして追い出されたそうです。
(ハルヨシさんって、アキヨシさんとはまた別の残念さを感じますね……)
「ご主人様……私もレトルトちゃんの生活環境が心配です。なので─」
「「えっ!?」」
今晩オコメも、こちらに泊まらせて頂くことにしました。レトルトちゃんが住むのにふさわしい環境なのか、抜き打ちチェックです!
今日も合鍵でお邪魔して、只今作り置きのご飯を調理していた処でした─
(ですが、レトルトちゃん。あまり私の料理食べてくれてないみたいなんですよね……心配です。)
すると、インターフォンが鳴る音がしました。
(あれ、ご主人様?お家の鍵を忘れて出られたのでしょうか?)
「只今、お開けします!」
入って来るや否やご主人様は、オコメの事を心配し始めました。
「えっ!?はじめまして早々だけど……大丈夫?何にもされてない?おにぃにこんな変態趣味があったなんて!義娘にこんな扇情的な服着せてるとか……」
ご主人様は、寒気がしているのか両腕をさすっていました。
「あの、ご主人様。大丈夫ですか!?どこか具合でも悪いんじゃないですか?」
「ご主人様ぁ!?おにぃがそう呼べっていったの?」
独身こじらせてるなとは思ってたけど、これほどまでとは……と、ご主人様はよくわからない事をぶつぶつと呟き始めました。
「とりあえず、此方に座って落ち着いて下さい。お飲み物をお持ちしますね!」
「ノブ子ちゃんって健気なんだね……」
と、ご主人様は目頭を押さえて険しい顔をなさいました。
(今日のご主人様、随分とお疲れですね。しかもいつもより何かが違っている様な……あっ!!)
「ご主人様、美容院に行ってこられたのですか?髪型が違います!」
「えっ分かる!?昨日行ってきたばかりなんだあ。」
「お似合いでございます。ご主人様!」
「あ、ありがとうね……」
おにぃって、好きな子が居ても遠くからチラチラ見て声なんてかけられない様なタイプだった筈なのに。反動でこんな大胆なことしてるなんて……と、またぶつぶつとおっしゃり始めました。
「あっでも、おにぃって昔から好きな子の情報収集しては、何かするでも無くニヤニヤしてるヤバいところあったからなあ……成る程─イタッ」
「何が成る程だよ!!」
と、再び帰ってこられたご主人様が、ご主人様の頭を紙を丸めたもので叩いておりました。
オコメ、ちょっと混乱してきました……
「ハルヨシ……何で連絡もなく来てるの?」
「おにぃに突然出来た義娘、擬人化のノブ子ちゃんに会ってみたくって……」
「……それ本当かよ?」
「本当だよー!今まで実家にも連れて来てくれなかったじゃん。」
「この人はノブ子じゃないから!家事代行してくれてるオコメちゃんだから!」
「家政婦さん?……良かったあ。てっきりおにぃが独身こじらせて遂に義娘に手を出すという罪を犯してしまったと思っ─イタッ」
「誰が独身こじらせてるだよ!!」
「ご主人様が2人!?」
「「ああ、僕(俺)達双子だから。」」
(確かにまごう事なき双子ですね……しかも一卵性の……)
「義娘はこっちだから!まったく、送り迎えから帰ってきてみたら……」
「はじめまして。ノブ子と読んで下さい。」
「何か訛ってて可愛いー。ノブ子ちゃんはじめまして。叔父のハルヨシです。」
「叔父さん……アキヨシと同じ顔!何だか親近感わく!」
と、ノブ子ちゃんは生き生きとしたお顔になりました。
「ありがとう!何だ良かったあ。おにぃてば、ちゃんと義父さんしてて。」
「あの、アキヨシさん……レトル、ノブ子ちゃんの事なのですが……」
作ったご飯は娘さんのお口にあわなかったのか、好き嫌いがあるか、食べられないものがあるかと、ずっと心配だったことを聞いたのです。
「ノブ子ちゃんご飯食べてないの!?確かに凄く細くない?おにぃ……もしかして……」
と、ハルヨシさんは後ずさりなさいました。
「僕はネグレクトなんてしてないから!!」
「私……沢山食べられないだけ。最近はまってるのは、岩のりのペーストを更に乾燥海苔につけて食べる!」
「「海苔オン海苔!!」」
(オコメ、双子じゃないのにハルヨシさんと声が重なって何故か恥ずかしいです……)
ハルヨシさんは、ノブ子ちゃって偏食家なんだね。と納得されました……
適当感が、ご主人様とそっくりです!
「ちょっとおにぃ……」
「何だよ小声で。」
「あのオコメちゃんの服さ……」
「何だよ、制服だから仕方ないじゃん。」
「おにぃ……」
「ふふん、独身良いだろ!」
「「…………。」」
2人で微笑みあってつつき合って、双子ならではの不可侵領域が出来上がっていました。
「いいな……私も兄弟欲しいな……」
レトルトちゃんのそのひと言で、周りの空気が変わりました。
「君みたいなのが、また増えるとか嫌だからね!」
「ご主人様……それはひどいです。」
「オコメちゃん、それは違くて!」
「ノブ子ちゃん、それは義父さんにお嫁さんが出来たら大丈夫だよ?」
「それってサツキさん、林さん、ミトさん、ハズキ、オコメさん?……どれ?」
「えっ、何で私入ってるんですか!?」
「それは、ほぼ君が好きな人達でしょう……特にハズキくんとか。」
「うん、その場合。アキヨシがライバルということに……」
「ないない。君……恋のライバルが欲しいだけでしょ。」
「おにぃにモテ期が来るとか信じらんな─イテッ」
よくよくお二人を見ると、アキヨシさんが陰、ハルヨシさんが陽って感じで違いが分かってきました!
「さっきから、その丸めた紙は何なの?」
「あ、これ……三者面談の案内とか色々。」
「男親だけだと大変だねえ。」
(確かに大変そうです……)
「お前さあ……本当は何でうちに来たの?」
「…………おにぃ今日泊めて?」
ハルヨシさんは、奥さんにキャバクラ通いがバレてケンカして追い出されたそうです。
(ハルヨシさんって、アキヨシさんとはまた別の残念さを感じますね……)
「ご主人様……私もレトルトちゃんの生活環境が心配です。なので─」
「「えっ!?」」
今晩オコメも、こちらに泊まらせて頂くことにしました。レトルトちゃんが住むのにふさわしい環境なのか、抜き打ちチェックです!
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