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便利=監視

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まだ頭は重く脈打つのを感じるけれど、意識は戻り、重い瞼をゆっくりと開いた。
お風呂の床で転がっているのかと思ったけれど、そこはベッドの上で、先に気が付いたナディユさんが運んでくれたのかと思ったが、隣のベッドでナディユさんも裸のまま横になっている。

ナディユさんの辛い過去への衝撃よりも、ナディユさんの本音の告白の喜びに浮かれる気持ちの方が大きくてニヤけてしまいそうな空気を読まない頬を叩いた。

『気が付かれましたか?』

「アマギ……が運んでくれたのか……」

とりあえずナディユさんの無事も確認できて、俺は再び枕に頭を埋めた。

『夕飯はお祝い膳とやらにした方がよろしいでしょうか?』

「……やめてくれ」

お祝いなんてされたくないし、初夜というには悲惨に失敗だと思う。

「……てか見てたのか……」

『この宇宙船全てが私ですから』

考えてみればそうだよな。
アマギはこの宇宙船なんだから、アマギにしてみればいきなり目の前でやり始められた被害者だな。これからは気をつけないとって、野外は危険すぎてナディユさんを襲ってる好きに俺が襲われて、揶揄でなくリアルに食われる。

『お望みでしたら映像を流すことも出来ますが?』

「望んでないよ……」

……本当はちょっとだけ……ナディユさんのあの時の色気のある顔はもう一度見たいなんて思った。ナディユさんに受けた真っ直ぐな告白の言葉も……。

まあそれはこの次の機会にゆっくり堪能させてもらうさ。

隣のベッドで眠るナディユさんの顔を見ながら、動くと痛むお尻に一瞬とはいえ繋がることができたんだよなぁと感慨深く目を閉じた。

まだ快感を感じるとかそんなレベルではなかったけど確かに俺の中にナディユさんがいたんだ……と考えていると股間に熱が集まっていくのを察して、俺もナディユさんと同じ真っ裸なので、恥ずかしくなって布団を被った。

目を覚ましたナディユさんが横で勃起してる自分を見られたら引かれるよな。あんな真面目な話をした直後だし、弱ってるのに付け入りナディユさんの体を無理やり奪ったようなもんだしな。

しかし中途半端に繋げた体が落ち着かない。もう一度お風呂に入って抜いてくるか……服も着なきゃだし。

ナディユさんを起こさないようにベッドを抜け出してお風呂へ舞い戻った。

ーーーーーー

シャワーを流して音を隠しながら自身のモノに手を添えた。
ゆっくりと手を動かすとそれだけですぐに俺のモノははち切れそうになっている。
頭の中には先ほど繋がった時のナディユさんの恥ずかしそうな嬉しそうな困ったような……様々な色を含んだ表情。
その表情だけで何度でもイケそう。

「ん……ん?」

瞼の裏に焼きついたその表情は目の前に浮かんで見えるほど鮮烈に……って本当にあの時のナディユさんの表情が映し出されている。

「……おい。アマギ……見てみぬふりしろってお願いしただろ?」

『はい?お望みのようでしたので……なぜ中止されたのですか?お手伝いが必要ですか?』

は?と聞き返す間も無く、俺の足元の床からいわゆる触手と形容される物が伸びてきて俺のモノを咥え込んだ。
機械チックな外見とは違い、触手の中は暖かく柔らかくヌルヌルと動いていて俺のモノを刺激してくる。

「まっ……待って……やめ……あ……いらない、いらないから……んああ……」

『恥ずかしがる必要はありません。オナニーに魔機を使うことはごく自然な事、マスターも克真さんへの劣情をこうして鎮めておりますから……』

「ナ……ナディユさんが?……んんっ」

『そうです。マスターは恋をする事に怯えておりますが克真様のことを愛して病まないのです』

ナディユさんが俺を考えながらこうして自慰をしている姿を想像するとアマギから与えられる愛撫がより刺激的に感じられるようになった。

目の前にはナディユさんの映像が流されていて、何だかナディユさんの匂いもする気が……次第にナディユさんに愛撫を受けているような錯覚に陥ってくる。無機質だけど、アマギの声はナディユさんの物とよく似ている。

あんな話をした後に道具を使った自慰に耽るとか……魔機であるアマギには感傷という感情は無いのだろう。あくまで効率を求めている。

『さあ、克真様。その遺伝子を思う存分吐き出してください』

「あっ……ああ……んんんんんんっ」

ビクビクと震えながら俺はアマギの伸ばした触手の中に精を吐き出した。

自慰に道具を使った事ないから知らないけど……こんなに気持ちの良い自慰は初めてだ……だがな、自己嫌悪というか罪悪感が半端ない。

頭を落としてシャワーで頭を冷やしているのだが、アマギの触手はまだ戻ろうとしない。

「……もう十分満足させてもらったからいいよ。ありがと?」

お礼を言うべきなのかどうかはわからない。

『克真様。マスターのモノを無理やり受け入れて切れていましたよね。次回の為に体を慣らしておかれますか?』

「は!?いい、いい、いらないっ!!」

いつの間にか触手の数が増えていて、手招きするように揺れている。

『カノー様が女体化された時、初めての体に無茶をさせぬように慣らす為の技術はマスターによりインプットされております。女体化はされておりませんが、マスターなら克真様の体に無茶をさせるのは嫌うはず……このアマギ、実践は初めてですがしっかりとサポートさせていただきます』

お風呂から出ようと思ったけど鍵もないのに扉が開かない。

『怖がらなくて大丈夫です。克真様のマスターを気持ちよくさせたいという思いは私にちゃんと伝わっておりますので』

伸びてきた触手が胸に張り付いてきて乳首を人の舌の様なもので舐められる。
おさまっていたモノが再びその熱を取り戻して硬さを帯びる。

「んんっ……確かにそうは思ってるけど!!そういうことはナディユさん本人と確かめ合いながら、お互い気持ち良くなっていきたいんだっ……て……」

何度ガチャガチャやっても開かなかった扉が突然開いた。
良かった出られると浮いた気持ちが一気に地に叩き落とされた。

「あ……ナディユ……さん……」

扉を開けたのは俺ではなく、ナディユさんで……目の前に立つナディユさんは俺の上から下へと視線を移動させ、アマギに調教をされかけている俺の状況を確認すると真っ赤になって倒れ……る前にアマギの触手が支えたので後頭部強打は免れた。

「アマギ……どうすんだよ!!ナディユさんにまた変なとこ見られたじゃん!!」

ナディユさんにとってトラウマである過去を聞いた直後に魔機を使って自慰してる様な空気読まない性欲に取り憑かれた人間みたいじゃんか。

アマギの触手に支えられているナディユさんの体に駆け寄ると側にあったタオルで、血の流れ続ける鼻を押さえた。

『マスターは本当に克真様の事が好きで仕方がない様ですね。恋愛に対して無頓着だったマスターの変化を私とても嬉しく感じております』

そんな呑気な感想は求めてない。

「何でも良いから早くナディユさんをベッドに運んでよ」

ナディユさんをアマギに任せている間にもそもそと服を着ると、どう言い訳をしたものかと、ため息を一つこぼして部屋に戻った。
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