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背中の羽
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「ついたぁ~!!」
建物が、人が生活している風景がこんなに安心感のあるものとは知らなかった。
到着したランドールの街のゲートの前で歓喜の叫びをあげてしまった。
「ははっ!良く頑張った。ほら、新しい街への第一歩だ」
差し出されたユーリカの手を掴んで、初めてガンダルア以外の街へ一歩を踏み入れた。
「俺はゴブリンの耳を換金して、何かキースの情報がないか聞いてくる。お前達は宿を探しておいてくれ」
そう言ってギルはギルドへ俺とユーリカは宿を探して大通りへ向かった。
そんなに離れていない隣り街だからか俺の住んでた街と大きな違いは無い。
それでも見慣れない店や人々にキョロキョロ見回しながら歩いた。
「売ってるもんも大差ねぇだろ?同じ領主だからな」
領主……ギルのところへ良く来てた優しそうなおじいちゃん。
そっか、この街もあのおじいちゃんの街なのか……なら平和かな?
ひとつの建物へ入るユーリカに俺も続いた。
宿の部屋に荷物を置いてまた街へ戻りギルと落ち合うと個室のあるレストランへ入った。
ギルはやっと酒が飲めると喜んでいる。
ユーリカに注文を任せてギルはまず先にと注文したお酒をもう飲んでいる。
「ねぇねぇ、キースさんの事なにか聞けた?」
俺は身を乗り出してギルに詰め寄る。
「次の街……ハナータの街を目指していただろ?もうさっさとその先へ進んでるかと思ったが……」
ギルは焦らす様ににやっと笑った。
「1日前に、この街とハナータの街の間、カユタナ渓谷で目撃談があったぞ。ここからなら明日にでも渓谷に入れる」
「本当っ!?」
「ああ、ただ渓谷も広いからな……会えるかどうかまではわからねぇがな」
先へ進まれると追い付けるかどうか不安だったけど……まだ側に居てくれて良かった……。
でも会えるかもと思うと別の心配が……。
「キースさん……追いかけたりして怒らないかな?」
「今さらまたその心配か?大丈夫だって、お前は重く考え過ぎだ」
ギルは笑いながら背中を叩いてきて酔っているのか。
「だって……俺のこの気持ちは……きっとキースさんを困らせる」
「そんな事ねぇと思うけど?……見守ると言いながらお前の前から旅立ったのは自覚の有無はしらねぇが、俺はお前と大差無い理由だと思ってんだけどな……」
ユーリカはギルの飲みかけのお酒を奪って飲み干した。
「ああっ!!俺の酒!!」
「煩ぇな……追加は頼んでっからすぐ来るさ」
運ばれて来たレストランの料理は……高級そうなお店でも材料が高級なだけで調理法は同じなので食べるのに苦労した……野営で食べるユーリカのご飯が良い。
それでも三日ぶりのお風呂とベッドは天国だと思った。
ーーーーーー
ギルの言う通り次の日にはカユタナ渓谷へ入った……渓谷なめてた。
絶壁に誰がどう作ったのか知らないけれど木の足場が続いていて……その信用出来ない道を通っていく。
一歩踏み間違えれば谷の底へ真っ逆さま……でもこの渓谷にキースさんがいるかもと思えば……震える足で一歩づつ慎重に足を進める。
「大丈夫かヒビキ?高いところも苦手だったのか……おぶるか?」
「大……丈……夫……」
この高さは苦手でない人でも駄目な高さだと思う。
こんな不安定な場所でおぶわれたらますます恐怖が増すだけだ……。
「……離れてろ」
ここで!?
ギルが立ち止まって空を睨んでいる……もしかしなくても魔物……だよね?
しかもお守りしてるのに近づいて来るって事は……強い魔物。
ユーリカに肩を抱かれ出来る限り岩壁に張り付いた。
ゆっくりと……バサッバサッと布を振る様な音が近づいてきて……頭上から影が降りてくる。
「ケーーーッ!!」
それは、大きな大きな……家ほどもある鳥だった。翼竜が小さく思える程の巨体。
「ドンバッド!?何でこんなところに!!くそっ!!」
ギルが手から大きな火の玉を作り出したけれど、その鳥の羽ばたき一つで吹き消されてしまう。
「相手と場所が悪い!!催涙煙の幕を張って逃げるぞ!!準備はいいか!?」
俺とユーリカが頷くとギルは爆弾の様な黒く丸い玉を取り出し、鳥へ向けて投げつけた。
ユーリカに手を引かれて足場の悪い道を全力で走る。
「うおっ!!」
ギルの声に振り返ると煙に巻かれた鳥が暴れ、その翼の生み出す風圧で足場が崩れた。
「走れぇぇぇっっ!!」
ギルも全力で走るがその後ろからドンドン足場は崩れ落ちていく……そしてギルの体が……視界から消えた。
「ギルっ!!」
考える間もなくユーリカの手を払い、俺は……ギルを追いかけて谷底へ身を投げていた。
「バカ野郎っ!!何でお前まで!!」
目の前を落ちるギルの体に必死に手を伸ばすけど追いつけない。
「置いてかないでっ!!」
叫んだその時、バッと体を引かれる様な衝撃があって……俺とギルの落下するスピードが緩み、俺の体はギルに追いついて手を握りあった。
「ヒビキ、お前……それは……」
ギルの視線は俺の後ろを見ている。
ギルの視線を追いかけると俺の背中に金色の蝶の羽。
「キースさんと一緒?」
じゃあ俺もすごい魔法が使えるかも!!と落ち続ける体を浮かべようとするけど駄目だった。魔法の使い方を知らない。
「ギャオオオオオオッ!!」
鳥が追いかけて来たのかと思ったが……向かって来るのは、それよりも凶悪なものだった。
「なっ!!何あれ!?」
ギルと空中で抱き合う。
「あ……あれはまさか古代竜!?ドンバッドといいどうなってやがる……」
先程の鳥を凌駕する真っ黒な竜だった。
敵う訳は無いのに、落下しながらギルは俺を胸に抱きながら剣を構えた。
しかし心配を他所に、近づいてきた竜はこちらに攻撃する事無く俺達の体を背中で受け止めてくれた。
「ギル!!ヒビキ!!」
空から降ってきたユーリカが竜の背中に着地するなりギルと俺の体を抱きしめた。
「お前ら……俺だけ置いて行くんじゃねぇよ!!」
怒鳴りながらギルの頭を殴ってるけど……その目には涙が浮かんでいる。
「……で、何がどうなってんだ?古代竜なんて神話レベルの生き物だろ?それにヒビキの羽……」
気の済むまでギルを殴ったユーリカは普段の顔に戻って竜の背中を観察している。
「俺にもさっぱり……」
俺の背中の羽はもう消えていた。
ヒュウウゥゥゥゥ……
頭上から風を切る音が響き、真横をドンバッドの体が落下していって……激しい音を立てて地面へ衝突したのがわかる。
鳥も投身自殺するのか?
俺達を乗せた竜はゆっくりと下降を始めていく。
助けてくれたけれど……敵か味方かはまだ分からない。巣穴に持ち込んで食べる気なのかもしれない。
「竜か……今欲しいのはトリ肉だけで十分なんだけど……狩っとくか?」
聞き覚えのある声がして、何とか顔を覗かせると倒れたドンバッドの上にキースさんが立っていた。
「キースさん!!」
「響?何で……」
キースさんはギッと竜を睨んだ。竜とキースさんの間で沈黙が流れる。
「…………わかった」
しばらくの沈黙の後、そう言うとキースさんは剣を鞘に納めた。
それを待っていたのか、竜はやっと地上へ体を下ろした。
建物が、人が生活している風景がこんなに安心感のあるものとは知らなかった。
到着したランドールの街のゲートの前で歓喜の叫びをあげてしまった。
「ははっ!良く頑張った。ほら、新しい街への第一歩だ」
差し出されたユーリカの手を掴んで、初めてガンダルア以外の街へ一歩を踏み入れた。
「俺はゴブリンの耳を換金して、何かキースの情報がないか聞いてくる。お前達は宿を探しておいてくれ」
そう言ってギルはギルドへ俺とユーリカは宿を探して大通りへ向かった。
そんなに離れていない隣り街だからか俺の住んでた街と大きな違いは無い。
それでも見慣れない店や人々にキョロキョロ見回しながら歩いた。
「売ってるもんも大差ねぇだろ?同じ領主だからな」
領主……ギルのところへ良く来てた優しそうなおじいちゃん。
そっか、この街もあのおじいちゃんの街なのか……なら平和かな?
ひとつの建物へ入るユーリカに俺も続いた。
宿の部屋に荷物を置いてまた街へ戻りギルと落ち合うと個室のあるレストランへ入った。
ギルはやっと酒が飲めると喜んでいる。
ユーリカに注文を任せてギルはまず先にと注文したお酒をもう飲んでいる。
「ねぇねぇ、キースさんの事なにか聞けた?」
俺は身を乗り出してギルに詰め寄る。
「次の街……ハナータの街を目指していただろ?もうさっさとその先へ進んでるかと思ったが……」
ギルは焦らす様ににやっと笑った。
「1日前に、この街とハナータの街の間、カユタナ渓谷で目撃談があったぞ。ここからなら明日にでも渓谷に入れる」
「本当っ!?」
「ああ、ただ渓谷も広いからな……会えるかどうかまではわからねぇがな」
先へ進まれると追い付けるかどうか不安だったけど……まだ側に居てくれて良かった……。
でも会えるかもと思うと別の心配が……。
「キースさん……追いかけたりして怒らないかな?」
「今さらまたその心配か?大丈夫だって、お前は重く考え過ぎだ」
ギルは笑いながら背中を叩いてきて酔っているのか。
「だって……俺のこの気持ちは……きっとキースさんを困らせる」
「そんな事ねぇと思うけど?……見守ると言いながらお前の前から旅立ったのは自覚の有無はしらねぇが、俺はお前と大差無い理由だと思ってんだけどな……」
ユーリカはギルの飲みかけのお酒を奪って飲み干した。
「ああっ!!俺の酒!!」
「煩ぇな……追加は頼んでっからすぐ来るさ」
運ばれて来たレストランの料理は……高級そうなお店でも材料が高級なだけで調理法は同じなので食べるのに苦労した……野営で食べるユーリカのご飯が良い。
それでも三日ぶりのお風呂とベッドは天国だと思った。
ーーーーーー
ギルの言う通り次の日にはカユタナ渓谷へ入った……渓谷なめてた。
絶壁に誰がどう作ったのか知らないけれど木の足場が続いていて……その信用出来ない道を通っていく。
一歩踏み間違えれば谷の底へ真っ逆さま……でもこの渓谷にキースさんがいるかもと思えば……震える足で一歩づつ慎重に足を進める。
「大丈夫かヒビキ?高いところも苦手だったのか……おぶるか?」
「大……丈……夫……」
この高さは苦手でない人でも駄目な高さだと思う。
こんな不安定な場所でおぶわれたらますます恐怖が増すだけだ……。
「……離れてろ」
ここで!?
ギルが立ち止まって空を睨んでいる……もしかしなくても魔物……だよね?
しかもお守りしてるのに近づいて来るって事は……強い魔物。
ユーリカに肩を抱かれ出来る限り岩壁に張り付いた。
ゆっくりと……バサッバサッと布を振る様な音が近づいてきて……頭上から影が降りてくる。
「ケーーーッ!!」
それは、大きな大きな……家ほどもある鳥だった。翼竜が小さく思える程の巨体。
「ドンバッド!?何でこんなところに!!くそっ!!」
ギルが手から大きな火の玉を作り出したけれど、その鳥の羽ばたき一つで吹き消されてしまう。
「相手と場所が悪い!!催涙煙の幕を張って逃げるぞ!!準備はいいか!?」
俺とユーリカが頷くとギルは爆弾の様な黒く丸い玉を取り出し、鳥へ向けて投げつけた。
ユーリカに手を引かれて足場の悪い道を全力で走る。
「うおっ!!」
ギルの声に振り返ると煙に巻かれた鳥が暴れ、その翼の生み出す風圧で足場が崩れた。
「走れぇぇぇっっ!!」
ギルも全力で走るがその後ろからドンドン足場は崩れ落ちていく……そしてギルの体が……視界から消えた。
「ギルっ!!」
考える間もなくユーリカの手を払い、俺は……ギルを追いかけて谷底へ身を投げていた。
「バカ野郎っ!!何でお前まで!!」
目の前を落ちるギルの体に必死に手を伸ばすけど追いつけない。
「置いてかないでっ!!」
叫んだその時、バッと体を引かれる様な衝撃があって……俺とギルの落下するスピードが緩み、俺の体はギルに追いついて手を握りあった。
「ヒビキ、お前……それは……」
ギルの視線は俺の後ろを見ている。
ギルの視線を追いかけると俺の背中に金色の蝶の羽。
「キースさんと一緒?」
じゃあ俺もすごい魔法が使えるかも!!と落ち続ける体を浮かべようとするけど駄目だった。魔法の使い方を知らない。
「ギャオオオオオオッ!!」
鳥が追いかけて来たのかと思ったが……向かって来るのは、それよりも凶悪なものだった。
「なっ!!何あれ!?」
ギルと空中で抱き合う。
「あ……あれはまさか古代竜!?ドンバッドといいどうなってやがる……」
先程の鳥を凌駕する真っ黒な竜だった。
敵う訳は無いのに、落下しながらギルは俺を胸に抱きながら剣を構えた。
しかし心配を他所に、近づいてきた竜はこちらに攻撃する事無く俺達の体を背中で受け止めてくれた。
「ギル!!ヒビキ!!」
空から降ってきたユーリカが竜の背中に着地するなりギルと俺の体を抱きしめた。
「お前ら……俺だけ置いて行くんじゃねぇよ!!」
怒鳴りながらギルの頭を殴ってるけど……その目には涙が浮かんでいる。
「……で、何がどうなってんだ?古代竜なんて神話レベルの生き物だろ?それにヒビキの羽……」
気の済むまでギルを殴ったユーリカは普段の顔に戻って竜の背中を観察している。
「俺にもさっぱり……」
俺の背中の羽はもう消えていた。
ヒュウウゥゥゥゥ……
頭上から風を切る音が響き、真横をドンバッドの体が落下していって……激しい音を立てて地面へ衝突したのがわかる。
鳥も投身自殺するのか?
俺達を乗せた竜はゆっくりと下降を始めていく。
助けてくれたけれど……敵か味方かはまだ分からない。巣穴に持ち込んで食べる気なのかもしれない。
「竜か……今欲しいのはトリ肉だけで十分なんだけど……狩っとくか?」
聞き覚えのある声がして、何とか顔を覗かせると倒れたドンバッドの上にキースさんが立っていた。
「キースさん!!」
「響?何で……」
キースさんはギッと竜を睨んだ。竜とキースさんの間で沈黙が流れる。
「…………わかった」
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