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花火があれば最高
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「まあ、予想は付くな」
「予想できるんですか?さすが隊長……」
ルノさんが何に困っているのか、一番側にいるはずなのに予想もできないなんて薄情だな、俺。
病気とか、そういうのじゃなければ良いんだけど。
「お前にとって悪いことじゃねぇし、時期がくれば嫌でもわかる」
嫌だと思う様なことなのか?
エルポープスにしきりに頭を下げるルノさん……エルポープスが絡んでいる時点で嫌な予感しかしないけど。
隊長はニヤニヤ笑いながら厨房を出て行った。
昼飯までちゃっかり食べてエルポープスはへらへら笑いながら帰っていった。
ーーーーーー
夕飯後、ルノさんと一緒にマルトリノさんのお店に向かう。
その横顔はいつもどおり、ムカつくぐらい整っていて……元気そうではある。
この時間はいつも北区から西区に移動するのに中区の端を通るだけで、商業エリアを夜に歩くのは初めてだ。
屋台を照らす色とりどりのライトが縁日の提灯みたいで、ちょっと心が踊ってしまいそう。
「マルトリノさんの店は遅くまでやっているし、作ってくれたシーナには悪い事してしまうけど屋台で食べて行く?」
「良いんですか?」
マルトリノさんとは何時にって細かく約束しているわけではないから、ちょっと買い食いしていっても大丈夫かな。
お祭りみたいでわくわくする。
「そんなにキラキラした目をされては駄目とは言えないだろう?何が食べたい?」
先ほどからお肉の串焼きの匂いがとても魅力的なのだが……ちょっと変わっている。
肉の串焼きというよりも肉団子……つくね串みたいだ。
気になって鑑定してみたけど『ククをカロラブニャで包んで焼いた串』という薄い情報だけでレシピ名は無く、お母さんが冷蔵庫にある物で作ってみたという感じの家庭料理の様だ。
「あれが気になる?俺も見た事ない料理だしとりあえず一本買ってみようか」
ルノさんと一緒にお店の前に進むと串を焼いていたおじさんが俺とルノさんの顔を交互に見て慌て出した。
何かやましい所でもあるのだろうか?ルノさんの様子を伺うとルノさんも店主の様子を怪しんでいる。
「あ……あの、すみません!!そんな高級料理じゃ無く、お出しできる様な代物では!!」
お店なのにお出しできる様な代物ではない物を売っているのだろうか?
店主さんを鑑定で見ても怪しいところは無さそうなのだけど、この挙動不審は怪しすぎる。
「何か俺たちに買われると困る理由があるのか?幻惑薬や興奮薬でも入れているのか?」
腰に携えている剣をルノさんはカチャッと鳴らした。
「いえっ!!決してその様な物は……」
「シーナ!!副隊長!!何かありましたか」
このまま騒ぎに発展したら、どうしようと思っていると向こうから懐かしい顔が走ってくる……アシルさんだ。
「わぁアシルさんお久しぶりです!!今朝ちょうどマルトリノさんとアシルさんの話をしていたんですよ」
最後にあったのが一週間前ぐらいだからそんなに久しぶりではないのだが……お嫁に行ったお姉ちゃんが家に立ち寄ってくれた懐かしさ。
アシルさんは警備隊だったので顔も知られているし、この商業エリアの見回りをして商人と客のトラブル解決係をしてくれているらしい。
アシルさんも懐かしいと思ってくれたのか頭を撫でてくれた……歳はそんなに変わらないんだけどな。
「シーナは変わらなそうだな。副隊長、この店で何か問題でも?」
「挙動が怪しくて何か後ろめたい事でも隠しているんじゃないかと声掛けしていたところだ」
ルノさんにとっては職務の一環だったか。
アシルさんに視線を向けられた店主は少し落ち着いたのか、気まずそうにしながら弁解した。
「今商売するならユノスが一番と聞いてマティップから店を出しに来たばかりで……思ったより資金が減ってしまったんで……」
アシルさんは店の肉を見て「ああ」と頷いた。
「店主、この方達はそんな事で怒りはしないよ。むしろ楽しんでくれると思うな。一つ頂くよ」
アシルさんは代金を支払い、串を一本受け取った。
「マティップの街の家庭では肉をかさ増しする為にククの実を使うんですよ」
「クク?あの雑草か?」
「ええ、ククは繁殖力が強くて葉が強烈な匂いを発するので嫌われてますけどマティップでは昔から食べられてるんですよ。でも他の街の人間にとっては雑草ですから怒る人もいるんですよ。だからお二人に食べさせるのを戸惑ったんでしょう」
アシルさんから串を受け取ったルノさんは「ククか……」と微妙な顔をした。そこまで嫌われている雑草なのか。
最初に毒味してみると言ってルノさんが一口……微妙というか、不思議そうな顔をしている。
「不思議な食感だな……毒はなさそうだ」
味は美味くも不味くも無いそうだ。
不思議食感かあ、どんなだろうとちょっとワクワクしながら一口頬張った。
味は薄味過ぎてちょっと、かなり物足りないのだけど、食感が……肉を噛むと中は、もちもちでいてつぶつぶ。
これは……厚切りワイルドな肉巻きのおにぎり……五平餅……だまこ……つまりは……米!!
一口で食べてしまったので、今度は齧って断面を確認した。
肉に巻かれた中身は、真っ黒で米とは似ても似つかないが、所々に残る粒、この素朴な味。
「店長!!ぜひこのククの実を譲ってください!!お礼は……えっと、ニックリッツァブニャの肉でどうですか!?」
カロラブニャの肉のかさ増し代わりなら上位種のニックリッツァブニャの肉と取り替えてもらえるかもしれない。
「いやいや!!ククの実とニックリッツァブニャじゃ釣り合わねぇだろ!!」
「え~でもカロラブニャは警備隊の食費で買ったお肉だしなぁ……じゃあ残りの串全部買わせてください!!おいくらですか!!」
興奮した俺に店長の腰は引き気味だったが、ここで諦める訳にはいかない。
なお食いつこうとする体をルノさんに引かれて腕の中に収められる。
「せっかく専門職の人間がいるんだ。任せよう?」
専門職?
なるほど、アシルさんが店長さんと交渉を始めてくれた。
相場とか対価とか分かんないからアシルさんに任せてソワソワしながら結果を見守る。
「あれがそんなに凄い物なのか?ただ雑草……むしろ害草だと思うけど……」
「雑草じゃ無いですよ!!あれは米ですよ、米!!そりゃあ小麦があるんだから米があったっておかしく無いですもんね、同じ穀物仲間みたいなもんだし」
店長さんはククの実をどれぐらい持っているんだろう?炊き方とか教えてくれるかな?
早くいろいろ試してみたい……ああ、でも今日はマルトリノさんのお店に行く約束をしているんだった!!
「予想できるんですか?さすが隊長……」
ルノさんが何に困っているのか、一番側にいるはずなのに予想もできないなんて薄情だな、俺。
病気とか、そういうのじゃなければ良いんだけど。
「お前にとって悪いことじゃねぇし、時期がくれば嫌でもわかる」
嫌だと思う様なことなのか?
エルポープスにしきりに頭を下げるルノさん……エルポープスが絡んでいる時点で嫌な予感しかしないけど。
隊長はニヤニヤ笑いながら厨房を出て行った。
昼飯までちゃっかり食べてエルポープスはへらへら笑いながら帰っていった。
ーーーーーー
夕飯後、ルノさんと一緒にマルトリノさんのお店に向かう。
その横顔はいつもどおり、ムカつくぐらい整っていて……元気そうではある。
この時間はいつも北区から西区に移動するのに中区の端を通るだけで、商業エリアを夜に歩くのは初めてだ。
屋台を照らす色とりどりのライトが縁日の提灯みたいで、ちょっと心が踊ってしまいそう。
「マルトリノさんの店は遅くまでやっているし、作ってくれたシーナには悪い事してしまうけど屋台で食べて行く?」
「良いんですか?」
マルトリノさんとは何時にって細かく約束しているわけではないから、ちょっと買い食いしていっても大丈夫かな。
お祭りみたいでわくわくする。
「そんなにキラキラした目をされては駄目とは言えないだろう?何が食べたい?」
先ほどからお肉の串焼きの匂いがとても魅力的なのだが……ちょっと変わっている。
肉の串焼きというよりも肉団子……つくね串みたいだ。
気になって鑑定してみたけど『ククをカロラブニャで包んで焼いた串』という薄い情報だけでレシピ名は無く、お母さんが冷蔵庫にある物で作ってみたという感じの家庭料理の様だ。
「あれが気になる?俺も見た事ない料理だしとりあえず一本買ってみようか」
ルノさんと一緒にお店の前に進むと串を焼いていたおじさんが俺とルノさんの顔を交互に見て慌て出した。
何かやましい所でもあるのだろうか?ルノさんの様子を伺うとルノさんも店主の様子を怪しんでいる。
「あ……あの、すみません!!そんな高級料理じゃ無く、お出しできる様な代物では!!」
お店なのにお出しできる様な代物ではない物を売っているのだろうか?
店主さんを鑑定で見ても怪しいところは無さそうなのだけど、この挙動不審は怪しすぎる。
「何か俺たちに買われると困る理由があるのか?幻惑薬や興奮薬でも入れているのか?」
腰に携えている剣をルノさんはカチャッと鳴らした。
「いえっ!!決してその様な物は……」
「シーナ!!副隊長!!何かありましたか」
このまま騒ぎに発展したら、どうしようと思っていると向こうから懐かしい顔が走ってくる……アシルさんだ。
「わぁアシルさんお久しぶりです!!今朝ちょうどマルトリノさんとアシルさんの話をしていたんですよ」
最後にあったのが一週間前ぐらいだからそんなに久しぶりではないのだが……お嫁に行ったお姉ちゃんが家に立ち寄ってくれた懐かしさ。
アシルさんは警備隊だったので顔も知られているし、この商業エリアの見回りをして商人と客のトラブル解決係をしてくれているらしい。
アシルさんも懐かしいと思ってくれたのか頭を撫でてくれた……歳はそんなに変わらないんだけどな。
「シーナは変わらなそうだな。副隊長、この店で何か問題でも?」
「挙動が怪しくて何か後ろめたい事でも隠しているんじゃないかと声掛けしていたところだ」
ルノさんにとっては職務の一環だったか。
アシルさんに視線を向けられた店主は少し落ち着いたのか、気まずそうにしながら弁解した。
「今商売するならユノスが一番と聞いてマティップから店を出しに来たばかりで……思ったより資金が減ってしまったんで……」
アシルさんは店の肉を見て「ああ」と頷いた。
「店主、この方達はそんな事で怒りはしないよ。むしろ楽しんでくれると思うな。一つ頂くよ」
アシルさんは代金を支払い、串を一本受け取った。
「マティップの街の家庭では肉をかさ増しする為にククの実を使うんですよ」
「クク?あの雑草か?」
「ええ、ククは繁殖力が強くて葉が強烈な匂いを発するので嫌われてますけどマティップでは昔から食べられてるんですよ。でも他の街の人間にとっては雑草ですから怒る人もいるんですよ。だからお二人に食べさせるのを戸惑ったんでしょう」
アシルさんから串を受け取ったルノさんは「ククか……」と微妙な顔をした。そこまで嫌われている雑草なのか。
最初に毒味してみると言ってルノさんが一口……微妙というか、不思議そうな顔をしている。
「不思議な食感だな……毒はなさそうだ」
味は美味くも不味くも無いそうだ。
不思議食感かあ、どんなだろうとちょっとワクワクしながら一口頬張った。
味は薄味過ぎてちょっと、かなり物足りないのだけど、食感が……肉を噛むと中は、もちもちでいてつぶつぶ。
これは……厚切りワイルドな肉巻きのおにぎり……五平餅……だまこ……つまりは……米!!
一口で食べてしまったので、今度は齧って断面を確認した。
肉に巻かれた中身は、真っ黒で米とは似ても似つかないが、所々に残る粒、この素朴な味。
「店長!!ぜひこのククの実を譲ってください!!お礼は……えっと、ニックリッツァブニャの肉でどうですか!?」
カロラブニャの肉のかさ増し代わりなら上位種のニックリッツァブニャの肉と取り替えてもらえるかもしれない。
「いやいや!!ククの実とニックリッツァブニャじゃ釣り合わねぇだろ!!」
「え~でもカロラブニャは警備隊の食費で買ったお肉だしなぁ……じゃあ残りの串全部買わせてください!!おいくらですか!!」
興奮した俺に店長の腰は引き気味だったが、ここで諦める訳にはいかない。
なお食いつこうとする体をルノさんに引かれて腕の中に収められる。
「せっかく専門職の人間がいるんだ。任せよう?」
専門職?
なるほど、アシルさんが店長さんと交渉を始めてくれた。
相場とか対価とか分かんないからアシルさんに任せてソワソワしながら結果を見守る。
「あれがそんなに凄い物なのか?ただ雑草……むしろ害草だと思うけど……」
「雑草じゃ無いですよ!!あれは米ですよ、米!!そりゃあ小麦があるんだから米があったっておかしく無いですもんね、同じ穀物仲間みたいなもんだし」
店長さんはククの実をどれぐらい持っているんだろう?炊き方とか教えてくれるかな?
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